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11月、コンビニでハチに刺される。

2023年11月5日、コンビニでハチに刺された。

現在わたしの右のふくらはぎは、イカ飯か、アメリカンドッグのように腫れあがっている。おかげで歩くのもままならない。せめてネタにしないと刺され損である。

その日は夫と2人、車で遠方まで出かけていた。帰り道、長距離運転なのでここらで休憩しようと、コンビニに立ち寄った。田舎にある、地元で採れた野菜が買えるようなコンビニだ。店先にテーブルと椅子が設置されている。わたしたちはそこに座って一息つくことにした。

レジ前で割引になっていた和菓子をほおばる夫に、缶コーヒーを飲みながら話をしていたわたしの右脚に突然、激痛が走る。明らかに何かに噛みつかれているような痛さ。とっさに立ち上がってふくらはぎを手で払うと、虫のような姿が一瞬見える。飛ばされた虫を目で追う。コンビニの前に置かれた宅急便の看板の後ろに歩いて潜りこもうとしている。黄色に黒の縞々、ふさふさした毛。ハチだ!

すでにわたしは、無意識のうちに刺されたところを手でしぼるように押していた。よろよろと腰かけて履いていたスパッツを恐る恐るめくってみる。刺し口らしきところが小さく赤くなっている。針は刺さっていないようだ。夫がすぐネットで『ハチに刺されたら』を調べてくれ、コンビニに再び入って水を買ってきて、傷口に流しかけながら毒をしぼり出すように押してくれた。

ハチに刺されるのが2回目の場合、人によってはアナフィラキシーというショック症状を起こすという。わたしはハチに刺されるのは初めてで、しばらくしても動悸や息切れ、じんましんなどの全身症状はとくにあらわれなかった。ただ、刺されたところは腫れてきて、しびれと痛みで右脚に体重をかけられない。夫に支えてもらい車に戻る。すると近くに、別のハチの死骸が転がっていた。この辺に巣があるか、巣をつくろうとしているんだろうか。でもまさかコンビニの前で、何もしていないのにハチに刺されるなんて。さすがに予想できないよ〜。

日曜日の夕方だったので、車でそのままドラッグストアに行き塗り薬を買い、自宅に帰って保冷剤で患部を冷やして様子をみることにした。

あらためてネットで検索してみる。わたしを刺したハチは、どうやらスズメバチだということ。ハチは10月までは活動が活発なこと(もう11月だけど)。黒い色に寄ってくること(たしかに黒のスパッツを履いてはいた)。1回ハチに刺されると人によって体内で抗体がつくられ、再びハチに刺されるとハチ毒アレルギーを発症し、アナフィラキシーショックによって命を落とす場合があること。抗体ができたかを調べる検査があること。もし刺されたときに毒を吸引するためのポイズンリムーバーや、アナフィラキシーショックを防ぐアドレナリン自己注射薬『エピペン』の携帯が勧められていること。

保冷剤が溶けてくると脚がズキズキ痛んで、その日の夜はよく眠れなかった。

翌日、近所の皮膚科に行くことにした。刺されたところがさらに腫れあがっているし、そこで抗体の検査やアドレナリン自己注射薬の処方ができるか、知りたかったから。月曜日の朝だからか、病院は激混み。でもきっとこの中でハチに刺されて来ているのは、わたしくらいだろう。1時間ほど待って、診察室に呼ばれる。

ベッドにうつ伏せの状態のわたしの脚を見て、『ハチ?腫れがひどいね〜!』と先生。ハイ。光線を当てて、飲み薬と塗り薬を5日分出すから、それでも良くならなかったらまたみせにきて〜、と言い残し風のように去っていった。どこでどんな状況で刺されどんな症状があったか、市販薬はどれを塗ったか、説明する気満々だったわたしは、告白する隙も与えられずあっさり振られた。さすが、Googleマップの口コミに『シンプルな先生』『相性はあると思う』と書かれているだけはある。抗体の検査ができるかどうかだけでもと、処置をしてくれた看護師さんに頼んで先生に確認してもらったが、ここではやってないとのこと。ですよね。

ハチに刺されてからすでに48時間以上経過しているが、いまのほうが大きく腫れている。このような反応がある人は、その後刺されたときに全身症状につながる可能性があるという。抗体検査ができるところを探そう。

今回思ったのは、わたしが11月に田舎とはいえコンビニの前で刺されるのだから、今年はとくに誰でもどこででも、刺されるかもしれないということ。刺された日は日中の気温が夏かと思うくらい高く、なんと蝉まで鳴いていた。これを書いているきょうも、東京都心では11月の観測史上最高気温を100年ぶりに更新したという。ハチがまだ活動していてもおかしくない。

それに、ハチは必ずしも飛んでくるわけではないということ。姿が見えたり羽音が聞こえたりしていたら、さすがにわたしも気づいたと思う。わたしはコンビニの建物を背にして椅子に座っていたので、わたしを刺したハチはおそらく、地面を歩いてきてわたしのふくらはぎを登ってきて刺したのではないだろうか。だとすると、小さい子、何でも興味をもって触ってみるような子どもは、地面を歩いているハチを見かけたら、手で触れてしまうかもしれない。大人でもこんなに腫れるのだから、子どもだとさらに大変だ。『泣きっ面に蜂』という言葉があるが、もしほんとうに顔を刺されたらと考えると、恐ろし過ぎる。

注意しようがほんとうに難しいけれど、屋外ならどこでもハチがいる可能性がある、という心構えを持っていたほうがいいと思う。もし、このnoteを読んでくれたなかに、ハチに一度刺されたことがあるという方がいたら。日頃どう備えているか、教えていただけるとうれしいです。そして、ともに生き抜きましょう。

コンビニで買うアメリカンドッグは好きだけど、アメリカンドッグみたいな脚にはなりたくないよ。






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