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投資はギャンブル? 投資が持つ意味を考える。

こんにちは。NVIC note編集チームです。


今回はnoteの立ち上げに際し、私たちの思いや問題意識を二回にわけてまずは皆さんと共有したいと思います。

「2000万円問題」と投資

昨今、「人生100年時代」という言葉が独り歩きし、リタイア後の生活、とりわけお金の問題について、漠然とした不安を持っている方も多いと思います。

ちょうど先ごろ、金融庁が「夫婦二人が95歳まで生きるには、平均として、約2000万円の金融資産の取り崩しが必要になる」との試算を示しましたが、「年金だけでは2000万円不足」の部分のみが大きく取り上げられ、問題化してしまったことも記憶に新しいと思います。

老後どのような生活を送るのか、そのために必要なお金をどうやって工面するのか、は人それぞれで個別性の高い問題であり「平均」で語ることにあまり意味はありません。

ただ、寿命が延びることで、生涯を通じてより多くのお金が必要になることは間違いありません。
「投資」が、それに備えるための一つの選択肢となりうることは事実です。

投資はギャンブル?


では、皆さんは「投資」という言葉にどんなイメージをお持ちですか?

いくつも画面を並べて、様々な数字やグラフを見ながら、株を売買しているイメージでしょうか?

「いくらもうかった/損した」という、誰かの損得話を思い出しますか?「ギャンブルみたいで怖いもの」「難しそうで自分には縁のないもの」と敬遠される方も多いかもしれません。

「投資」という言葉を辞書で引くと、

「将来の利益を得る目的で、事業や証券などに資金を投下すること。転じて、その将来性を見込んで金銭や力をそそぎ込むこと」

というような意味が出てきます。

つまり、現在持っているもの(お金、能力、時間)を投じて、将来より大きな見返りを得ようとすること、と言えます。

こう考えると、社内の昇進試験のために授業料を払って英会話学校に通うことも「投資」ですし、明日からの行動を変える何らかの「気づき」や「つながり」を求めてnote上の記事を探すことも「投資」といえるかもしれません。

iPhoneやアマゾンはどうして生まれたか?

社会を見渡してみると、実は皆さんの周りにも「投資」はあふれています。

例えば皆さんが今この記事を読んでいるスマホはそれを作っている企業が設備「投資」を行って生産されたものですし、スマホに入っている便利なアプリも研究開発「投資」の結果生み出されたものです。

「投資」は将来の見返りを期待するものですから、期待通りの成果を得られるかどうかは不確実です。つまり「リスク」があります。

先に書いたギャンブルみたいというような「投資」へのネガティブなイメージは、この「リスク」の側面が強調された結果だと思います。

しかし、忘れてはいけないのは、誰かが「リスク」を取って「投資」した結果、新しいモノや便利なサービスが生み出され、私たちがその恩恵を受けられているという事実です。

スティーブ・ジョブズがiPhoneの開発に思い切った「投資」をしなければ、スマホは生まれなかったかもしれません。

ジェフ・ベゾスがせっせと物流システムに「投資」をした結果、皆さんは家にいながら様々なものを手に入れられるようになったのです。

投資が持つ意味

少し難しい話になりますが、本来、「投資」とは、資本主義の根幹をなす機能であり、社会の成長を促しその繁栄の一部を享受する、社会と個人がともに豊かになることを目指す行為です。

上で「見返り」という言葉を使いましたが、それは決して金銭を得ることだけでなく、「社会に参加し、役に立っている」という達成感も含むのではないでしょうか?

しかしながら、日本では家計金融資産における投資比率が欧米に比べとても低くて*1、それはすなわち日本の個人資産が投資に向かっていない、投資が進んでいないという状況を表しています。

*1 2016年末時点で米国46.2%、英国37.5%に対し、日本18.6%(出所:金融庁)

なぜ日本では投資が進まないのでしょうか?

【次回】投資の現状を考える

次回、後編では日本の投資の現状に対する私たちの思いを話したいと思います。