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【ライティング】パッションという名の偏愛(DAY213)

文章の書き方のバイブルとして、

多くの方の本棚にある『文章読本』。

あなたも手に取って読んだことがあるはず。

谷崎潤一郎先生のご著書です。



私が初めて『文章読本』を読んだとき、
まず思ったのが

「志賀直哉先生の『城の崎にて』って
 こんなに描写しつこかったっけ!?」

ということ。



『文章読本』のなかで、

志賀直哉先生の『城の崎にて』の
ハチの描写を
めっちゃ褒める項目があるんです。


転がったハチを
微に入り細に入り描写するシーンがあり、

谷崎潤一郎先生が
それに対して萌え散らかしている。

なんなら、描写を褒めながら
原稿用紙の前で転がっていたかもしれない。


【参考】谷崎潤一郎先生

画像お借りしてます!


物語の中で読むと違和感なく通過する
描写も、

こうして「教材の項目」として
切り出されてみると、

印象がだいぶ変わるものだなあと感じました。


…でもさ、

谷崎潤一郎先生の「足描写」も
なかなかだよね…!


こう思ったのは、
私だけではないと思う。


なにせ、「足」よ。


谷崎潤一郎先生といったら。




描写をするうえで一番大切なのって、

パッションという名の偏愛なのかもしれない。

志賀直哉先生が
ハチ好きかどうかは知らんけど。


『城の崎にて』、ハチの描写のほかにも
冒頭の文章が好きすぎます。

全然褪せていない、
こういう始まり方、読点の使い方が好き。


ちなみに、谷崎潤一郎先生の『文章読本』は
とても学べる本であるものの、
個人的には『青い花』のほうが
学びが深かったです。

時点の整理がこれほどまでに美しい文章が
この世にあるものかと
五体投地したくなりました。


大正期の作家先生は、
今の先生たちにはない
情緒とパッションがある。

表現を学びたい方、ぜひ一度読んでみて。

青空文庫には
まだ『青い花』『城の崎にて』が
収録されてないので…

↑青い花が収録

↑城の崎にてが収録


良かったら。

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