見出し画像

ふわりとしたBlenderの話 (2)

前回の続きです。



マテリアル

マテリアルはピンク色のチェック柄のボールのアイコンです。

マテリアルはこれ!

メッシュは物の形状でした。一方、マテリアルは物の見え方です。色とかを決めます。
マテリアルは英語だとMaterial、つまり「材料」。でも「材質」と訳した方がピンとくると思います。

色以外になにがあるのさ? 模様は?

模様も色です。テクスチャを使うことで、1つの物体でも部分によって違う色にすることができます。

模様も色の集まり

色以外にもいろいろな要素がありますが、わかりやすいのを挙げると、「テカりやすさ」があります。マテリアル内のスペキュラーとかメタリックというパラメータがそれです。

同じ色だけどテカりやすさが違う例

上画像は、スペキュラーの違う2つの物体です。材質の違い、質感の違いが伝わると思います。

メッシュやメッシュオブジェクトにマテリアルを割り当てることで、メッシュに色やテカりやすさが付きます。
違うマテリアルを割り当てれば、違う見え方になるということです。

同じFoxメッシュだけどマテリアルが違う

シェーダー

シェーダーとは~~~!

Blenderのシェーダーの前に、まず一般的なシェーダーの話をします。

一般的なシェーダー

シェーダーは、
広義には、目に飛び込んでくる色=画面に映る色を決定する計算式や計算手続きです。
狭義には、その計算をするプログラムです。Blenderもプログラムですけど、Blenderというプログラム内でシェーダープログラムが動く感じです。

画面に映る色は、イコール物体の色ではありません。

オレンジ色の円柱

上の画像はオレンジ色の円柱をレンダリングしたものです。でも画像の画素、ピクセルはオレンジ色一色ではありません。
光の当たってない部分ほど黒っぽくなってます。逆に、照り返しで白っぽい色になってる部分もあります。また、別の光源からネオン色に照らされてる部分もあります。
こういうのを判断して決めるのがシェーダーです。

シェーダーは英語でShaderであり、「陰らせるもの」ですが、それは歴史的経緯でそう呼んでいるだけで、実際はDrawerとでも呼んだ方が実情に近いと思います。

シェーダーは描く者。
シェーダーの違いは計算式・計算方法の違い。計算の違いは、絵の描き方の違いです。絵の描き方の違いは・・・2つの意味があると思います。

物の在り方の違い
シャボン玉って虹色に見えますよね。ほんとうは透明なのに。それとか、ろうそくの炎はどんなに暗いところでも目に見えます。それ自体が光ってるからです。
こういった物体は、単にパラメータ、色とかテカりやすさとか、を変えるだけではダメで、描き方そのものを変えて表現する必要があります。

画風の違い
CGが写実的なものだけを表現するわけではないのは、みなさんご存じのとおりです。アニメ『アナと雪の女王』に登場する人物は風景は、明らかに現実とは異なる見え方をしてます。ゲーム『ギルティギア』シリーズのように、セル画に描いたような陰影のはっきりした絵のCGもあります。
これは表現対象の材質の違いというよりは、それを表現するための方法、画風の違いと言えます。

作品ごとにシェーダーがあるし
物体のカテゴリごとにシェーダーがある

Blenderのシェーダー

では、Blenderのシェーダーは?

Blenderのシェーダーは、プロパティエディターのマテリアルタブに現れます。「プリンシプルBSDF」や「放射」と名前が付いたそれです。

シェーダーはこれ!

もしくは、シェーダーエディター内のノード(四角い枠)のバリエーションとして現れます。

ノードの中にはシェーダーのノードもある

Blenderのシェーダーは20種類くらいあります。例えば、

  • ディフューズBSDFは、マットな質感の物体を表現します。BSDFとは写実的な絵を描くための、光の計算式です。ざらざらした物の表面は、光が拡散(diffuse)するんすよ。

  • 半透明BSDFはその名の通り半透明な物体を表現します。

  • プリンシプルBSDFはテカってるものから半透明なものまで、パラメータ次第で表現できる「全部入り」シェーダーです。現実における身の回りにあるほとんどの品物を、写実的に描きます。principal(主要)なシェーダーなんです。

  • トーンBSDFは、陰影のエッジが効いたアニメ調の描き方をするシェーダーです。Toon(カートゥーン)です。

左から、トーン、プリンシプル、ディフューズ、半透明

様々なものがありますが、逆を言うとこの20数種類がBlenderのシェーダーのすべてです。これらと同じ立場のもの、シェーダープログラムそのものをユーザーが自作することは、多分できません。

もちろん、だからと言って表現の幅が狭いわけではありません。自作シェーダっぽいことをすることはできます。

マテリアルにとっては、シェーダーはノードの1つでしかありません。ノードを組み合わせることで、マテリアル出力をある程度は創造的に変更することができます。こうした作ったノードの塊は、大局的に見ると、自作のシェーダー、マイシェーダーと言えます。

ノードを組み合わせたものは、ある意味自作シェーダー
最終的に、出力ノード(一番右の下段)に色を送ればなんでもオッケー

つづくかも?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?