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NYでサステナビリティが広がったワケとNYベースの企業のサステナビリティ取り組み例。

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みなさん、こんにちは。NY在住MBA学生ライターのユカです。
今回の記事ではSustainability (サステナビリティ) に注目して、NYでの現状をお伝えしようと思います。

目次:
1. サステナビリティとは? なぜNYでサステナビリティがトレンドとなったのか?
2. 成功例から見る企業のサステナビリティ取り組み例
3. まとめ: 全ては「無駄」を無くすために

1. サステナビリティとは? なぜNYでサステナビリティがトレンドとなったのか?

Sustainability (サステナビリティ)とは日本語で「持続可能な」という意味の言葉です。

サステナビリティ:「持続可能性」を意味する“Sustainability”のカタカナ表記。 環境保護活動分野でも使用されることが多い用語で、近年は企業活動分野でも用いられている。 企業分野では、利益を上げるだけでなく社会的責任を果たすことで、将来においても事業を存続できる可能性を持ち続ける、という意味で用いられる。(出典:コトバンク)

上記の定義から分かるように、サステナビリティは環境問題が根幹ですが、総じて企業が利益を上げること以外に、社会のために尽くすという意味合いを含んでいます。

世界のトレンドの発信地でもあり、スタートアップ企業のメッカでもあるNYでは、サステナビリティの概念が企業理念やマーケティングキャンペーン、CSR、ブランドイメージの向上に使われています。

では、なぜNYでサステナビリティが広まり、人々や企業の間でその概念が定着したのでしょうか?

いくつか要因はありますが、大きく分けて下記の3つに分かれます。

・NY市はそもそも環境問題に関心が高い
・インフラがとってもサステナブル
・トレンドへの敏感性と人々の意識

まず1つ目の理由ですが、NY市自体公園が多く、中でも長さ約4キロ、幅約1キロという広大な敷地を誇るセントラル・パークには多様な生き物や、湖のような貯水池が存在します。また、マンハッタン地区とブルックリン地区の間にイースト・リバー、マンハッタンとニュージャージー州の間にはハドソン川が流れています。その関係もあって、淡水の供給を含む水辺の管理には市を挙げて取り組んでいます。セントラル・パークの中の野生動物保護や、都市農業にも力を入れています。

そして、2つ目のインフラ政策。ブルームバーグ前市長が掲げたPlaNYC 2030という環境保護政策の元、街中でも住民の自転車通勤を促したり、シェアサイクルの普及、使われていない土地の活用等が行われています。どんどん開発されているマンハッタン地区ですが、建造物もサステナブルな建物になるよう建築法が改正されています。年々不動産価格が上昇するNY市。新たに建てられるコンドミニアムは、規定の条件を満たせば米国グリーンビルディングカウンシルから認証がもらえたりもするんです。

そして3つめの理由が、やはり世界中のどの街にも負けないトレンドの広がる早さと、人々の流行への敏感性と意識の違い。人口850万人以上にも上るNY市は、世界のトレンドセッターです。多様なカルチャーと人種のるつぼであり、カフェやレストラン、お店の入れ替わりも大変早いため、新しいトレンドがNYに入ったり、NYで生まれると、ミーハーなニューヨーカーにはすぐに広がってくれるのです。
昨今はSNSの普及もあり、さらに流行が広まる速度に拍車がかかっています。ヨガ・ジム通い、ヴィーガニズム、健康志向の食生活やサステナブルな衣類など、ニューヨーカーは好奇心旺盛。

サステナブルなライフスタイルがNYで広まった所以は、街と人の融合にあるわけです。

2. NYの企業サステナビリティ取り組み例

では、実際に企業がサステナビリティを応用するとき、どのような取り組みが成功するのでしょうか。NYベースの企業を例に挙げてぜひ見ていきましょう。

i) Gotham Greens

(画像:http://www.gothamgreens.com/our-story/

NY市の別名でもある「Gotham City (ゴッサムシティ)」(バットマンの舞台!)のGothamをとって名付けられたこのスタートアップ企業。地産地消を推進していて、NY市で生産されたクオリティの高い葉野菜を販売しています。2008年にブルックリンで設立され、それ以来、農薬不使用・100%クリーン・エネルギーを使用し、ルーフトップの温室で生産された葉野菜を人々に届けています。NY市内では、クィーンズ地区とブルックリン地区に3つの温室を持ち、一年中野菜の栽培が可能なんだとか。実際にマンハッタン市内のDean&DelucaやTargetなんかで見つけることができます。外部委託なしの非公開企業なので、まさにNYによる、NYのためのサステナブルな企業と言えますね。

(画像:http://www.gothamgreens.com/our-story/

ii) The Wally Shop

(画像:https://inhabitat.com/the-wally-shop-is-bringing-zero-waste-grocery-delivery-to-brooklyn/

こちらは再利用可能な包装しか使わないスーパー「The Wally Shop」。現在はNY市のみの運営となりますが、ネットで注文した食材が瓶・布袋など再利用可能な包装・梱包材に包まれて届く仕組みです。(英語で「zero-waste」と言います。)注文可能な食材も豊富で、普通のオーガニックスーパーで買い物をするのと変わりません。プラスチックゴミの問題が世界で取り沙汰される中、食材のお買い物という生活から切り離せない部分を変えていくことで、少しずつ社会を変えていくことができます。また、ニューヨーカーは常に忙しいということもあり、お店に行く時間が省けたらその分、社交や趣味に興じることができるという利点もあります。日本でも食材の配送を行なっているスーパーはたくさんありますが、ぜひ包装に注目してステップアップしてほしいものですね。

iii) Urban Future Lab

こちらは上記の2例とは打って変わってスマートシティ建設やクリーン・エネルギーの供給を行うブルックリンベースのスタートアップ企業。実はこの会社、トヨタ社やダイキン工業がスポンサーとなっているんです。
主な事業内容は、まずニューヨーク州エネルギー研究開発局やニューヨーク州電力公社と協力して街にクリーン・エネルギーを提供すること。さらに、トヨタ社やShell社を含む企業と協力して、水素を使ったイノベーション事業を行いたい企業の支援等も行なっています。また、ニューヨーク大学と協力してサステナビリティ系のキャリアを目指す学生の就職支援等も。学生へのメンターシップや、1セメスターで修了書を取得できる環境講座の開催も行なっていて、サステナビリティに興味を持つ学生のための学びの場を設けています。
本企業は、環境プロジェクトやサステナブルな企業への融資を行うNY Green Bankと共に省エネ住宅の普及のためなんと750万ドル (約7.5億円) もの資金を集めた実力を誇ります。ぜひ、このくらい大規模なサステナブル系のプロジェクトが今後もたくさん生まれるといいですね。

まとめ. 全ては「無駄」を無くすために

東京に住んでいる時に常日頃から感じていたのが、どれだけ無駄が多いか。日本は確かに3Rもアメリカなんかより定着はしています。(3R(スリーアール)とは、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つのR(アール)の総称。)
それでもコンビニ廃棄や、時代に抗って今だにファックスを使っている点など、違和感を感じることが多かったです。
いらないものは寄付をするという概念もあまりなく、古本も古着もサブカルチャーの一貫でしかないような気がしていました。「勿体無い」(MOTTAINAI)という言葉を持つ日本なのに、自分たちで勿体無いことをしてどうする...なんて思ったり。
私自身、無駄が嫌いなので、再利用できるものは売ったり寄付をしたりしていましたが、1人の力じゃ社会にはあまり貢献できませんし、社会を変えることも難しい。世界的にも持続可能な生き方をしよう!という波が来ていて、日本はまだまだ遅れをとっているのかなと感じます。

今回の記事では、NYという街でサステナビリティがどのように市民に広まっているのかを簡単に説明しました。ぜひ、普段の生活でもゴミを出さないライフスタイル、食に気をつけるライフスタイル、サステナブルなライフスタイルを気にかけてみてください。

<ライター:ユカ> 何となく旅行とか、洋画とか、読書とか、瞑想とか、健康的な食事とか、世界情勢とか、環境保護とか、人間のこととか、心理学とか、アートが好きです。いまのところ20代、いまのところNYC在住のトリリンガルの女の子です。

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