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【海外ユーチューバー事例】サブスクリプション型クラウドファンディング「Patreon」とは?

こんにちは。ニューヨークで現地の大学に通うHARUKAです。

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2、3年前から海外のYouTuberが「Patreonに加入しました。ぜひご支援の方よろしくお願いします。」と動画で次々発表しているのを多く見かけます。また、日本人YouTuberがPatreonを使っているところをほとんど見たことがないので、日本ではまだあまり知られていない印象です。この機会にぜひ海外で流行りのPatreonについて知って頂きたいと思い、仕組み一覧をご紹介したいと思います。

ジャック・コンテ(左), サム・ヤム(右) (TechCrunch.com)

Patreonとは?

Patreonは、アーティストのためのクラウドファンディングのプラットフォームです。クラウドファンディングとは、経営者などが自分のビジネスの基金を多数の人物から少量ずつ集める方法を指し、主にインターネットを通して行う場合が多いです。ミュージシャンのジャック・コンテが自身のYouTube動画で稼ぐ方法を探していたところ、技術者のサム・ヤムの協力のもと、2013年に設立されました。アメリカ、サンフランシスコに本部を置いており、主にメディア上でコンテンツを製作し、共有するユーチューバー、ミュージシャン、作家、ウェブコミックアーティスト、ポッドキャスターなどに利用されています。

▼YouTubeでPatreonを告知している例:TED-EdのPatreon参加報告・支援者募集動画

月額固定の寄付額も設定可能

会員制ビジネスの形を利用しており、アーティストのファンや支援者(パトロン)が作品一つ一つに一定金額の資金を寄付する事ができるクラウドファンディング形態になっています。
また、月額固定の寄付額を製作者側が設定し、継続的に支援をしてもらうことも可能です。この場合、寄付額に応じて、製作者は様々な特典を用意していて、よく見る例では、舞台裏映像などの会員限定でしか公開されないコンテンツです。会員はいつでも寄付金の支払いをキャンセルする事ができ、製作者は目標としている寄付額を会員に公開したり、月ごとに受け取る寄付金の上限金額を設定できます。

※5/1にLite, Pro, Premiumの3つのプラン設定を導入することが発表されました。まだ詳細は発表されていませんが、Liteは特典なしのファンディング機能で、Proは特典ありの今まで通りの形態、Premiumはこれに加え、マネージャーによるビジネスコーチングサービスが受けられます。

TED-Edの場合

TED-Ed とは有名なTED Talksが提供している教育にフォーカスしたYouTubeチャンネルです。哲学や社会問題を説明するアニメーション動画の他に、教授や学生などのスピーチ動画が多数公開されています。

目標金額と達成率

(www.patreon.com/teded)
ゴールを明確に表示していて、目標の$10,000のうち、$4,316集まっていることを示しています。金額の下には、目標金額に達成するとTED-Edができる具体的な活動を綴っています。

”Tier”ごとの特典

(www.patreon/teded)

TED-Edは$1、$2、$3、$4、$5、$25、$1,000以上の7通りの寄付額を設定しています。

例えば、一番低い金額である$1以上/月の会員の場合、公式ショップへの先行アクセスや、会員限定のニュースフィードへのアクセスが可能になっています。

$5以上/月の会員の場合、YouTube動画の概要欄に支援者として自分の名前が毎月一回以上載り、公式ウェブサイト上の、”Wall Of Fame”にも名前が載ります。

最高金額の$1,000以上/月(一回限りの寄付でも可能)の会員の場合、自分もしくは自分の選んだ人(例: 自分の子どもや友人)がTED-Edの動画の中に、アニメキャラクターとして登場することができます。動画の最後のクレジット部分にも名前が流されるようです。


利用費用や手数料

(moneycoachescanada.com)

Patreon利用費

寄付された金額の5%がPatreonに対して支払われます。このことから、稼いでる場合のみ、クリエイターに費用がかかるような仕組みになっています。

決済処理手数料

支援者の寄付金を自分のPatreon上の口座(クリエイターアカウント)に移動(入金)させる際に必要な費用です。寄付額や決済方法(クレジットカード、PayPalなど)によってかかる金額は違いますが、平均して寄付額の5%を負担するようになっていることが多いようです。

払い出し手数料

Patreon上からクリエイターの銀行口座やPayPalのアカウントに寄付金を移動させる際にクリエイターに対して費用が発生します。ツールや金額によって異なりますが、通常数百円程度です。

まとめ


5月23日には、ソフトウェア開発に特化したプラットフォーム、GitHubでもPatreonのように開発者に寄付をして支援ができる機能 (GitHub Sponsors) が追加されました。このように海外では、メンバーシップ制度に基づくビジネスモデルによって、広告以外でユーチューバーやイラストレーターなどのクリエイターが効率よく稼げるようになってきました。広告からの収入に頼りがちな中、これに縛られることなく、より一層自由に創作活動が可能になるのが一番の利点だと思います。

また一度きりの支援ではなく、月額支援ができることで継続的な支援コミュニティを運営できることもメリットです。ファンとの繋がりを強化するとともに、クリエイターは月の収入の目安がたち、ビジネスプランを立てやすくなります。この点が他のクラウドファンディングサービスと決定的に違うと感じます。
このような新しい収入元によって、インターネット上のビジネスの可能性も広がっていくのではないでしょうか。

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