見出し画像

見えなくても酔っ払い

最近体育会系のお友達が増えた。
あれ、アニメおたくだったんじゃなかったっけ、私?!

オタ仲間でもお酒が好きな人はいるけれど、彼女らは基本的に量より質。ほぼ下戸の
私もおかげさまでおいしいお酒なら日本酒半合程度飲めるようになった。

一方体育会系の人の飲みは豪快。いつの間にか一升瓶がゴロゴロ、ビール瓶がゴロゴ
ロ、人間もゴロゴロ。
私はと言えば、飲んでもジュースかお酒かわからないような缶チューハイをちびちび
飲みながら煎餅をかじっていたりする。

見えない人も飲み方が半端ない。
 泊りがけならいいけれど、これから帰るとなると、「見えない酔っ払い」はホーム
転落率マック砂状態になる。


先日、新しく入った女性ガイドヘルパーのところに、マシーントレーニングの同行と
、-そのあと飲みに行きたいというリクエストがあった。
リクエストをしたのは私も知っている男性で、酒好きだけどジェントルなスポーツマ
ン。変な下心はない・・はずだ。
ガイドの女性も仲間内の紹介なので、二人とも全く接点がないというわけではない。
それでも女性ヘルパーは運動はともかく飲みの同行はちょっととお断り申し上げたそ
うだ。

障害があろうとなかろうと、はじめましての人とサシで飲みに行くのは抵抗があるだ
ろう。。食事くらいならともかく、同性でも間が持つのか?ましてや異性だったらか
なり気づまりになりはしないか。

自身は飲まず、特に会話もせず、見えない人のサポートと安全確保というガイドヘル
パーの仕事に徹すればいいとも思うけれど、それもなんだか落ち着かないだろう。
仕事とはいえよく知らない男性との飲みはちょっとご遠慮願いたいと思う女性の気持
ちはわからないではない。


そしたら見えない人は好きな時に飲みにも行かれないのだろうか。見えていたらきっ
と一人飲みをしていただろうところ、見えないからガイドさんをお願いした。。
しかも彼は別に女性ヘルパーを希望していたわけではなく、その日はいつも頼んでい
るなじみの男性の都合がつかなかっただけだった。そしてトレーニングで汗を流した
後飲んで帰るというルーティーンをお願いしようとしただけである。


酒好きの視覚障碍者は意外と多い。出先でかなり酔っぱらう人もいる。
本人は大丈夫と言っても周りの人はやはり心配で家まで送っていくことになる。一人
で返したらホームに転落して死んでしまったなんて後味悪いもんね。

ガイドヘルプの仕事でも、女性が酔っぱらった大柄な男性を手引きして家まで送ると
いうのはもはや苦行、割増料金でももらわなければやっていられないと言われても仕
方がない。


ちなみに下戸の私は酔っ払いすべてが理解の外だ。大声上げたり管をまいたり、まし
てや人前で吐くとか、もう末代までの恥だ。(ああ、今世界中の酔っ払いを敵に回し
てしまった!)


障碍者はそれでなくても人の手を煩わせているんだから、それ以上迷惑かけるなよと
思う半面、障碍者だから酔っぱらってはいけないというのも腑に落ちない。障害があ
ってもなくても酔っ払いは迷惑なのだ。


反対に、ガイドヘルパーとして来ているはずなのにランニングのグループの飲み会な
どではヘルパーが酔っぱらって仲間とどこかへ行ってしまい、気づくと視覚障碍者が
ボッチになっていたりすることもあるらしい。これはもうクレーム案件だ。


ヘルパーでもボランティアでも友達でも、どこまで何が許されるかはその人との間柄
で、これは障害の有無とはまた別の話。

障碍者の中にも、健常者は皆ボランティアだと思っているような勘違いな人もいて、
結局こういう人は障害がある人にもない人にも嫌われる。

たまに理不尽だと思う事もあるけれど、障害があってもやりたいことをやるには、適
切な距離感で人の手を借りつつうまく立ち回る事が大切なようだ。

それには高いコミュ力が必要とされるが障碍者が皆コミュ力が高いわけではない。ど
ちらかというと低い人の方が多いのではないだろうか。


考え方や人との距離の取り方は十人十色。障碍者と健常者という違う立場ならそれは
さらに難しくなる。

しかしなんだかんだ言って、酔っ払い大会では障害のある人もない人もカオスに楽し
く飲んでいる場面も多い。

こういうのを見ると飲めた方が楽しいのかなとも思ったりもしたりするのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?