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現役世代がプログラミングを学ぶには

「プログラミングを学びたいんですが、自分のペースで学習できるスクールがなくて」「オンライン学習だと対面で教えてくれるメンター(学習支援者)がいなくて心配」「プログラマーの先生に専門用語について質問したら、説明の方がもっと意味不明だったんで質問をやめました」

うちのアプリ教室に来る人たちから何度も聞いたボヤきです。

現役世代に短期集中学習は不可能

プログラミングは短期間に集中して学ぶのが最も効率的、というのが学習のセオリーとなっています。しかし、30歳以上の現役世代の大半は本業や子育てがあり、そうした仕事と並行して学ぶしかありません。そうすると、推奨される数ヶ月間プログラミング漬けという学習スタイルは到底不可能で、ともすれば3ヶ月間通い放題、質問し放題という条件で数十万円という高い受講料を支払いながら、仕事の都合で結局週1〜2回しかスクールに通えないで終わった、という話も珍しくありません。

プログラマーとしての就職は目指していない層もいる

すでに本業で活躍している人がプログラミングを習うのは、「今の仕事を続ける上でプログラミングの知識が必要になった」、あるいは「基礎教養や個人のスキルとして身につけたい」といった動機がほとんどです。皆がこれまでのキャリアを捨ててプログラマーに転身したいわけではありません。このようなニーズを考えると、上記のような、いわゆるブートキャンプ方式の短期集中学習は、金銭的にもカリキュラム的にも現役世代にはオーバースペックなのです。

スクールは若手を育成した方が儲かる

国内におけるプログラマーの慢性的な人材不足は皆さんも知るとおりですが、多くのプログラミングスクールは数十万円の受講料を取ってプログラマーを養成し、育った人材を企業に紹介・派遣することで、さらに企業から年収の3割程度の紹介料を得るというビジネスモデルでスクールを運営しています。

こうしたスクールの場合、学習に専念できる若年層をブートキャンプ方式でプログラマーに育てると、受講料+紹介料で一挙両得です。一方でプログラマーになる気のない(企業に紹介するにも年齢が高すぎる)30代以上の現役層に時間を割いて丁寧にプログラミングを教えるのは、紹介料が取れないので儲けが少なくなるのです。

現役世代が勉強しやすい条件のプログラミングスクールがなかなか見つからないのは、こうした事情もあるのかもしれません。

初心者に必要な学習環境の要件

仕事や子育てと両立しながらプログラミングを学びやすい環境設定を考えてみると、次の4つは学習のモチベーションを維持するには特に重要です。「わかりやすい教材」「仕事と両立しながら自分のペースで学習できる」「些細な質問にも答えるメンターの存在」「専門用語を一般的な言葉に置き換えたわかりやすい説明」。

先生はプログラマーである必要はない

ところで、一流のプログラマーが一流のプログラミング教師とは限りません。熟練プログラマーが初心者に教えるのは、例えると小学1年の算数教師に大学の数学博士を迎えるようなものです。専門性の高いプログラマーは、さまざまな概念やロジック、用語を熟知しているがゆえに、正確に厳密に意味を伝えようとしますが、それがあたかも算数を習い始めた小学生に大学の数学の基礎理論を説くような、受講者にとって「意味不明」な状況を生み出してしまうのです。

初学者にプログラミングを教えるのは、必ずしも現役のプログラマーである必要はありません。むしろ専門的な用語や概念をわかりやすく一般的な言葉に置き換えて伝える「翻訳者」「教育者」としてのスキルの方が重要になるのです。

自分が目指すスキルレベルを見極める

プログラミングスクールを選ぶ時、まず自分の目指すレベル感ーープログラマーとして企業に就職したい、本業と並行して個人でスキルを磨きたい、プログラマーと意思疎通できる程度の知識が欲しい、などーーをまず明確にしましょう。その上で、目標に応じたスクールやオンライン教材などを選択することで、学習のしやすさについてもコストの面でも、よりリーズナブルな選択ができるでしょう。





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