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プログラミング学習に踏み切れない大人へ

プログラミングが義務教育化されると聞いて、正直「ヤバい」と思った人は私だけではないと思う。だが実際にプログラミングを習い始めるのはかなりハードルが高い。今のところ、各地で開講されている大人向けのプログラミング教室は、エンジニア・プログラマーを養成することを前提としたコースが多くて、価格も高い。時間の制約もあるので、こうした学び方では気軽に始められないのもあるだろう。

まずは簡単なところから始めよう

プログラミングの習得で挫折する要因のひとつが、英文のコーディングが難しくて嫌になることだ。まずコード一つひとつの意味がまったくわからない。さらに関数や文法などは「何これ? 何の役に立つの?」と頭がフリーズ。クイズ形式でコードを書き、「正解」と言われても、これが実際にweb上やアプリで、どういう動きをするコードなのか、本当に動くのかも確かめられない。こんな状況でコードを書き続けるのは苦行でしかない。

ところが最近は、初心者がプログラミングの動きをビジュアルで確認しながら簡単に学習できる環境が着々と整いつつある。

将来のプログラマー人材の育成が急務と考える世界各国やIT企業各社は、小学生から無料でプログラミングを学べるツールを次々と開発・公開している。「プログラミングなんて難しすぎて私にはムリムリ!」という人でも、小学生対象の学習ツールならグッと敷居は低くなるだろう。

大人も子供も初めてなのは一緒

プログラミングに関して言うと、「いろはの『い』」から学び始めるのは大人も子供も一緒だ。わざわざ高いお金を支払って子供だけをプログラミング教室に通わせるよりも、親が子供と一緒にやれば、親子でプログラミングを楽しく学べて一石二鳥だ。最初の一歩で、わざわざ自分に高いハードルを設定する必要はない。

ここで子供と一緒に無料で学べるサイトをいくつか紹介しよう。

Scrach

子供がプログラミングを学ぶサイトとして最も有名なのは「Scratch」だろう。アメリカのMITメディアラボで開発され、誰でも自由に使える。子供のプログラミング学習の主流であるブロックプログラミング形式で、難しいコードを覚えることなくゲーム、アニメ、音楽などを自由に作ることができる。

viscuit

文字を書けない小さな子でもプログラミングで作品を作れるアプリとして日本で開発された。「viscuit」はキーボードを使わずに、自分で描いた絵を2つの円の中に入れるという簡単な方法でゲームやアニメを作ることができる。幼稚園や小学校低学年でも感覚的に使えるのが魅力だ。

code.org

クリエイティブな作品を作る前に、まずプログラミングの考え方や、コードを書く感覚を身につけたいときは「code.org」がいいかもしれない。ディズニーやマインクラフトなど、子供たちが大好きなキャラクターをプログラミングで動かして、出された課題をクリアするクイズ形式で学習を進めていく。プログラミングの方法はScratchとよく似ている。

プログラミングゼミ

DeNAが開発した「プログラミングゼミ」は、コーディングの基礎学習とクリエイティブな作品作りの両方ができる。言語はScratchと同じブロックプログラミングで、レクチャー動画を見ながらスキルレベルに合った方法で学んだり遊んだりできる。

micro:bit

ロボットを実際に動かすプログラミングもいろんなメーカーから出ている。その中でもイギリスの国営放送BBCが作ったmicro:bitは、安価でセンサーなど色々な機能が付いている上、構造がシンプルで壊れにくい。PCやタブレット上だけでなく、実際にモノがプログラミング通りに動くのが楽しい。工作が好きな人に向いている。

MINDSTORMS

レゴブロックとさまざまな部品を組み立ててロボットを自作し、専用のソフトウェアでプログラミングして動かしていく。レゴを使った電子工作に特化したプログラミングツール。

挑戦してみること。そして続けること

実はこうしたサイトのほとんどは、子供だけでなく大人が使うこともすすめている。こうした簡単なことから少しずつでもコツコツと続けていくと、次第にできることが増えてくる。

コードの書き方に馴染んできたら、XcodeやAndroid Studioで簡単なスマホアプリを作るのもおすすめだ。自分が作ったアプリが実際にスマホ上で動くのをみると、子供の頃にお気に入りのおもちゃで遊んだ時みたいな充実感がある。

人生100年としたら、今40歳の人はあと60年、昭和初期なら1人分の人生に相当する時間を持っていることになる。プログラミングを学んだからといって、必ずしもプログラマーやエンジニアになる必要はない。10年後に今の小学生が社会人になる頃を目指して、コツコツと「教養としてのプログラミング」を学んでいくことは決して無駄ではないだろう。




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