見出し画像

6/22講演会で頂いた質問への回答

『中村一 講演会「会社のなかだけで,生きてゆけますか?」
男女共同参画推進フォーラム「しぇいくはんず2019」』

調布市男女共同参画推進フォーラム2019にて、講演の機会を頂きました。
当日はあいにくの雨模様でしたが、たくさんの皆様にご来場頂き、ありがとうございました。

会場では時間の関係上、頂いた質問全てに答えることができなかった為、代わりにこの場で可能な限りお答えしたいと思います。
(重複していたり、近い内容の質問は私の判断でまとめさせて頂いております。どうぞご了承ください)

-------------------------------------

Q.現在の会社でも「変わり者」状態ですか?
A.前職においては「定時退社」「男性育休」はマイナーでしたが、現職においてはメジャーであるため、「変わり者」ではなくなりました。

Q.育休を取ってから転職されるまでの期間は? 転職の理由は?
A.育休からの復帰後、ちょうど2年後に転職しました。入社以来所属していたチームの業務を外部委託することになり、一区切りついたことが、この先10年、20年を考えて動き出すきっかけになりました。

Q.変わり者、開拓者のフォロワーは現れましたか?
A.いわゆる「働き方改革」の後押しもあり、定時退社や計画的有休取得の動きは10年前と比べて格段に増えました。「男性育休」については、パートナーの出産という事例が無かった為フォロワーは現れませんでしたが、「将来子どもが生まれたら取ります」と言ってくれた後輩はいました。

Q.どうやって執筆時間を確保するのですか?
A.一冊の本を書き上げるのは確かに大変な仕事ですが、実際には「1日30分」「1週間で2時間」といった短い時間の積み重ねで形成されています。「1日30分」なら、30分早く寝て30分早く起きれば確保できますし、「1週間で2時間」なら、曜日を決めて退社後にカフェで執筆時間を確保するなどの方法があります。千里の道も一歩から。

Q.残業する人と比べて、Bマイナスだった評価はその後変わりましたか?
A.育休後の評価については、BあるいはBプラスをもらったことがありました。残念ながら、その上のAやSということはありませんでした。

Q.もうすぐ2歳になる子がいます。なるべく怒らずに育てるコツは?
A.親である自分の精神状態が(不安、イライラ、ストレスなどにより)揺らいでいるときには、怒りの閾値が下がり簡単に爆発してしまう経験があります。多少のお金や時間を使っても、大人の精神的余裕を確保するのが効果的かもしれません。

Q.夫が仕事、妻が専業主婦の場合、夫はどの程度育児や家事をすると、妻は満足するでしょうか?
A.質問責任と説明責任を果たすには莫大なエネルギーが要りますが、お互いが納得いくまで夫婦で真剣に話し合うことでしか、分からないことかと思います。

Q.「男女共同参画推進」という表現は分かりにくいのでは? どのように表現しますか?
A.難しいですね……。「フェア」「対等」「ジェンダーフリー」あたりの言葉を使うのはいかがでしょうか?

Q.2人目、3人目を考えるなかで祖父母のサポートが受けやすい場所に引っ越すかどうか迷っています。
A.ご自身で指摘されているように、現状に大きな不満がないのであれば、「やはりサポートが欲しい」という切実な状況が訪れてから考えても良いのではないでしょうか。

Q.同調圧力に逆らうことで、クビになって食べていけなくなるのが怖いです。職を失う怖さはなかったですか?
A.幸いにも兼業作家として副業を確立していましたので、クビになったとしても数ヶ月くらいはなんとかなる、という考えがありました。そういった意味からも複数のコミュニティに属して世界を広げることが、結果的にご自身の可能性を広げることになり、「クビになってもなんとかなる」という状態への近道になるかもしれません。

Q.家族を優先し組織での昇格昇給を捨てることで、生活費や教育費などのお金の不安はなかったですか?
A.これも上の質問と同じく、収入源を複数持つことで、結果的に不安を打ち消すことができました。組織の外での活動や経験は自分の視野を広げ思考を柔軟にし「他の場所でもやっていけそうだ」という自信に繋がります。やや極端に言うならば「組織に利用されるのではなく組織を利用する」といったスタンスでいることが、不安を克服するための鍵なのかもしれません。

Q.半年間の育休に対する奥様の感想は?
A.概ね好意的だったかと思います。

Q.ある程度大きな会社だからできるのであって、中小企業で「定時退社」「男性育休」は難しいのでは?
A.会場でもお答えしましたが、株式会社サカタ製作所の取り組みが非常に参考になります。

Q.夫は育児をよく手伝ってくれますが、あと一歩「戦友」というところまではいかず、もっと関わって欲しいと伝えたものの「こんなに協力している」と、理解が得られません。
A.「なぜ『もっと関わって欲しい』のか」を言語化して伝えてみてはどうでしょうか。相手の考えと自分の考えの違いを明らかにして、どこに合意点を見出すか、納得いくまで対話をすることで、道が開けてくると思います。
その際、「より深く関わるとこんな体験ができる」「そのチャンスを逃すのは『もったいない』かもしれない」という方向からのアプローチ、夫氏の気付きがあれば、より良い結果になるかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?