退職雑文【INFJ】

先週、無事に退職することができた。

沢山の社内の方からお別れの寄せ書きメッセージをいただいた。
面白かったのが、メッセージの大半が私の社内外における人間関係構築能力に関する感謝の言葉だったことだった。それを読んで、ああ私はここを離れて良かったんだと思った。別に社内外の人間関係を円滑にしたくてこの会社に入ったわけではなかった。気づいたらそういう役目の人になっていた。

社外とのコミュニケーションの場では、私の存在は非常に重宝されていたようだった。取引先の重役などとの接待の場では私が必ず召喚され、ど真ん中の席に座らされた。弊社の上役達は端っこに座り、小娘である私1人にその場をほとんど丸投げで仕切らせるのであった。そして私は持ち前の空気を読む能力でその場をブチ上げ、接待特攻隊長としてその役目を果たし取引先の社長たちと仲良くなりLINE友達になっていった。お陰で仕事を円滑に進めるための根回しが大分楽になった。社内にとっても大助かりだっただろう。

私の退職後も取引先から友人として飲みに誘われたり、私の住む長野県に遊びに来てもらえたり、展示会のコンパニオンをやらないかと打診いただいたりした。かけがえのない友人として関係が続いているので人生経験としては良かった。

カメレオンのようにその場に合わせることができるINFJ能力を存分に発揮できていたと思う。ただ、それで一生働き続けていくのは嫌だった。私が社内で何か提言すると、いつも突拍子もない発案だね、なんか面白い着眼点だねと言われて軽く流されることが多かった。頭の硬い上司に何を言っても無駄だった。いつしか私は発言すること自体を辞めて、ただただ上司の言うことをその通りに遂行するだけのマシーンになっていった。社内では全く発言せず、社外では明るく振る舞い続けていたので、なんだか自分の心身が削られていく感じがした。

私は社内においては感情を持たず、ひたすら降りてきた業務をこなす大人しい女性として扱われていた。実際の私の性格は真逆で、激情的で常に意見を言いたくて仕方ないタイプの人間だった。ただ言ったところで何も変わらないのでどうしようもないと諦めた状態だったのだった。学習性無力感でいっぱいだった。

飲み会の場に行くと、なんかキャラ違うね、思ったより明るいんだねと社内の人間達から声をかけられまくった。仕事自体はやり甲斐があり同僚とも仲は良かったが、S型人間だらけの職場環境だったため物凄く疲れてしまった。S型人間と関わりまくったお陰でコミュニケーションの勉強になったのでここで働けてよかったなとは思う。ただ、長く働き続ける場所ではなかった。なんか疲れた。

来週から全く別の職場に移る。カメレオン能力以外も活かせる職場で、4月からは元気に働こうと思う。



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