FMラジオとCDの時代

 FMをつけるといろんな曲が流れてくる。新曲、番組のゲストの新曲、あの頃のヒットソング、この季節の定番のナンバー。今まで知らなかった曲が耳に飛び込んでくる。そして僕の心をどうしようもなく揺さぶってくるんだ。気になった曲を検索してもう一度聞いてみることもできる。(昔と比べて曲を調べるハードルは格段に低くなった。)

 昔、さくらももこのエッセイでこんな話があった。お姉さんが「オレンジだか、みかんを輪切りにする歌知りませんか。」ってレコード屋の店員さんに聞くのだが結局見つからなかった。この歌は大瀧詠一の『カナリア諸島にて』という曲なのだが、今ではうろ覚えの曲であっても、歌詞の一部を検索すれば大体見つけることができる。いい時代だ。

 僕が初めて買ったCDに収録されているのがこの曲だ。『A LONG VACATION 』というアルバムで、名盤だ。80年代の邦楽において最高傑作かもしれない。小田原のタワレコ(今はもうないけど)で買ってきて、正座しながら聴いたのを覚えている。『君は天然色』(金麦のcmでおなじみ)で始まって、さっきの『カナリア諸島にて』を挟み『さらばシベリア鉄道』で終わる。何百回と聴いた。

 あなたが初めて買ったCD、レコードはなんですか?その曲はあなたの中に何を残してくれましたか?

 心揺さぶる名曲と出会うために今日も僕はラジオを聴き続けるのです。僕より若い世代にとって名曲との出会いはYouTubeやストリーミングサービスによるものなのかもしれない。でもたまにはラジオを聞いてみてほしいな。結構楽しいぜ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?