見出し画像

陰謀論者(14):親プーチン

2024年ロシア大統領選ではプーチン大統領が85%の得票率を獲得し、5回目の当選を果たしました。ただ、この選挙においてはナデジディン元下院議員やドゥンツォワ氏といった反体制派の人物が大統領選に立候補することを認めなかっただけでなく、ロシアの独立系選挙監視団体ロゴスによるとプーチン氏の得票を水増しするなど公正な選挙とは程遠かったとみられます。

彼は2000年にロシア大統領に就任して以来、「強いロシア」の再建を全面的に打ち出し、中央集権体制の強化に取り組むとともにエリツィン政権との癒着があった新興財閥(オルガルビ)の追放を断行したりとソ連崩壊後の急進的な市場経済化によって困窮な生活に喘いでいた多くのロシア国民から圧倒的な支持を得た反面、欧米諸国や反対派は強権的・独裁的な政治手法として彼を非難しました。

また、対外政策においては2008年に南オセチア紛争が勃発したのを皮切りに旧ソ連諸国に対する軍事行動も辞さない姿勢を取るようになったとみられ、2022年から続いているウクライナ侵攻もその一環とみられます。とはいえ、ウクライナ侵攻ならびに2014年から続いているクリミア危機についてはプーチン政権による侵略行為であり、決して許される行為ではありません。それにも関わらず、彼を擁護する人がいるのも事実です。

そこで、彼を擁護する人をまとめました。

親プーチンの特徴

親プーチンとみられる人のプロフをみると反ワクチンやQアノンなどと言った怪しげな陰謀論を信じている人が多いみたいです。

KAITO氏のプロフィール(水色の下線部が反ワク、緑の下線部が親プーチンを示している)

例えば、KAITO氏(@teteatete2021)のプロフをみると反ワクだけでなく、「ウク侵攻した露にも自国を守る義あり」と親プーチンのにおいを感じます。

そこで、彼のポストをみるとプーチン氏を擁護する文言が数多く見受けられました。

それでなく、ディープステート(DS)や新世界秩序(NWO)などの怪しげな陰謀論要素を信じており、典型的な親プーチンといえます。なお、ここでは不正選挙も挙げられているものの、彼のポストに2024年ロシア大統領選に関するものは一切ありませんでした。

ちなみに、東大大学院の鳥海不二夫教授の分析によると「ウクライナ政府はネオナチ」という反ウクライナとみられるポストをしたアカウントの9割が反ワク関連、半数弱がQアノン関連のポストをリポストしたことから親プーチンと陰謀論者の間の親和性はあるとみられます。

陰謀論の生産工場

何故、陰謀論者が親プーチンとなるのだろうか?実はDS、NWOなどと言った陰謀論の多くがロシアから発信していると欧米の情報機関から指摘されています。

というのも、ロシアは陰謀論の生産工場と言われており、ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を引き起こし史上最悪の偽書とされる『シオン賢者の議定書』もあるロシア人が書いたとみられます。

それだけでなく、ロシアが開発したコロナワクチンであるスプートニクVを世界で売り込もうとするあまり、ファイザーを貶めるようなデマを発信したことがあります。ちなみに、イギリスのガーディアン紙によるとロシアは人工ウイルス説や製薬会社の陰謀などと言った新型コロナに関する陰謀論や誤った情報をスプートニクなどの政府系メディアを使って拡散していたが、その多くがいわゆる陰謀論サイトや中国、イランのネット上にある陰謀論的な書き込みをシェアする形で行われたとみています。

とはいえ、ロシアの政府系メディアもデマや陰謀論に加担していることは事実で例えばスプートニクについてはMedia Bias/Fact Checkにおいて疑わしい情報源と評されています。また、政府系メディアの性質上、ロシア寄りのプロパガンダを流しており、こういったメディアを鵜呑みにした人が陰謀論を信じたり、親プーチンになるのではないかと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?