見出し画像

陰謀論者(8):Laughing Man

Laughing Manについて取り上げてみました。

ちなみに、彼は2024年1月23日時点で国内アカウントにおけるコミュニティノート獲得数1位となっているところか、世界でも14位に入るぐらいの常習犯と言っても過言ではありません。


プロフィール

X(旧Twitter)におけるプロフィールはこんな感じです。

プロフを見た感じ、KAITO氏や自分の頭で考える人2.0氏に及ばないものの、7万フォロワーを有しており陰謀論アカウントしては大手の類に入ると思います。しかも、「We are Macrophage, MΦ.(訳:ワレワレハ、マクロファージ)」と意味不明な自己紹介文とともに、『マトリックス』の赤い薬と青い薬のシーンを固定ポストにしていることからこの時点でかなりやばいと感じました。

赤い薬と青い薬
赤い薬と青い薬は安定した生活を失ったり人生が根底から覆しても真実を知りたいのか、満ち足りた、しかしなにも知らない状態であり続けたいのか2択を示す言葉で前者が赤い薬、後者が青い薬を服用するに例えています。ちなみに、Qアノンの間で真実に目覚めることを「レッドピル(赤い薬)を飲む」と比喩していることから陰謀論界隈におけるミームの一種といえます。

Laughing Manがフォローしているアカウントの一部

また、彼がフォローしているアカウントをチェックしたところ、KAITO氏やルパン小僧氏などといった反ワクチンとみられるアカウントを多数見られます。

反ワクチン

彼はXで新型コロナワクチンに関するデマを中心に発信しているみたいです。

例えばこのポストのように国内外のニュースサイトを引用し、「コロナで死亡の80%がワクチン接種者 ブースター以降の危険性も明確に。」といったようなワクチンに対して悪印象を与えるような見出しに改ざんした画像をポストし続けています。

ちなみに、新型コロナで亡くなった人の約20%(左図)が全体の約6%(右図)しかいない未接種者で占めていることからワクチンを接種することで死亡リスクを抑えることができるという話ではあるが、左図だけを見て亡くなった人の約80%がワクチン接種者という見出しをつけることでミスリードさせているとみられます。

なお、このデマについてはほかの反ワクインフルエンサーに広がっていき、中には右図を隠すといった悪質なケースもあったみたいです。

昆虫食

基本的には反ワクチンであるが、昆虫食やウクライナ侵攻などに関するデマを流したことがあります。

このポストはEU全域で虫の添加物を加えることが決定したというZero Hedgeのニュースサイトを引用していますが、Media Bias/Fact Checkにおける信頼性は低く、Conspiracy-Pseudoscienceと評価されています(参照)。それ以外にSLAY Newsやトータルワールドニュースといった信憑性の低い情報源からの引用が確認されています。

それ以外にRAPT理論+αの記事を引用して河野太郎デジタル相に対して「何としても食わせろ」とコメントしたことがあり、本人からコオロギ食の推進はしていないと否定するとともに悪意のあるフェイクニュースを故意に拡散した場合には法的措置を取ると注意されました。

ちなみに、雨宮純さんによると食に関する陰謀論やインパクトの強い陰謀論は元々バズりやすく、昆虫食もその一つであることを見抜いたうえで発信しているのではないか思います。そう考えると河野デジタル相が悪意のあるフェイクニュースを言ったのもうなずきますね。

まとめ

彼は反ワクチンの話題を中心にフェイクニュースを発信・拡散しているといった感じです。ただし、発信・拡散する際は情報源によってやり方を変えているみたいです。

  1. 信頼性の高い情報源からの場合は画像や見出しを改ざんして発信

  2. 信頼性の低い情報源からの場合はそのまま発信

とはいえ、SNS上でフェイクニュースを流すのは情報収集の妨げになるぐらい問題がある行為だといえます。

追記1:ebipato

Laughing Man氏とebipato氏が同一人物の疑いがあるみたいです。ちなみに、ebipato氏は電通系の広告会社の元社員みたいだけど、フォローしている人を見ると…

ebipato氏がフォローしているアカウントの一部

こちらも藤原直哉氏などと言った陰謀論者とみられるアカウントを多数フォローしたりとあまり変わっていないどころか、共通してフォローしているアカウントもみられます。とはいえ、Laughing Man氏のアカウントが開設したのが2021年8月に対してebipato氏のアカウントが開設したのが2011年7月と10年近く差がある上に最後にポストしたのが2021年12月であることからebipato氏が彼の前身という可能性も拭いきれません。そこで、最初にポストした前後の状況をみると…。

ebipado氏も彼と同じように『マトリックス』の赤い薬と青い薬のシーンを使って覚醒を暗示するとともにワクチンデマを流していました。ただ、Laughing Man氏が最初に投稿した(2021/9/23)時点を境に、ebipato氏のポストに陰謀論とみられるものが見受けられなかったことから陰謀論に関連するものについては新しく作られたアカウントに移したとみられます。そのことからebipato氏とLaghing Man氏は同一人物であり、その前身がebipato氏ではないかとみられます。

追記2:日経サイエンス

日経サイエンスからロゴを無断使用したうえに掲載内容と異なる情報を流しているアカウントが確認されているということで注意喚起を行っています。

そのアカウントというのはLaughing Man氏にほかならず、彼は日経サイエンスの2007年10月号の「免疫を悪用するがん」の記事を引用してmRNAワクチンは慢性炎症を起こしターボ癌の原因となっている旨のポストをしました。そもそも、ターボ癌は架空の病気で科学的根拠はないが、ワクチン接種に対する恐怖を煽るために作られ、反ワクチン派の間で流布したとみられます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?