それでも子供が欲しいなら

私が娘を出産したのと同時期に男の子を生んだ知人が、第二子を妊娠して周囲を驚かせている。

彼女のところの男の子も娘と同じで、もうすぐ3歳になるのだから、タイミング的には文句ないのだけど、なにせ、彼女は40歳になる直前に、シングルで、パートナーもいないまま、精子バンクを利用して第一子を生んだのだ。

母親の助けを借りながらとはいえ、一人で育てるのは大変な苦労だろうと思っていたところに、またも精子バンクを利用して二人目を妊娠したというのだから、ほとほと感心してしまった。

「結局体型も戻らなかったし、デートはおろか、女友達からの夜の誘いにも出てこないまま、また一人で妊娠しちゃって、もう一生ボーイフレンドはいらないってことなのかしらね。」

と口の悪い別のアラフォーシングルの友人は言っているのだけれど、実はその友人も、現在卵子を摂取していて、ドクターからは

「卵子よりも、胎芽にして凍結したほうが、後々妊娠する確率が高まるから、身近で調達できないのであれば、精子バンクの利用を検討するように。」

と葉っぱをかけられているのだ。

ていうか、一体いつから、精子バンクがこんなに身近な存在になったの?

とはいえ、先日ニューヨークタイムズには、いくつかの精子バンクの中には、管理がズサンで信用できないものも少なくなく

博士号を持つ脳外科医とかなんとか立派な肩書きがついていた精子が、実は大学も卒業していないどころか、窃盗の前科がある男性のものだったり

大勢の提供者があるようにみせかけておきながら、実はわずが数人の男性からの提供で、片親違いの子供のが何百、何千といるか分からない状況になっていたりする

という恐ろしいニュースも伝えられていて

男性と違って、女性は、誰の子供か確信が持てるという恩恵があるにも関わらず、一体全体、父親がどんな人間なのか分からない.....という不安定要素を抱えて子供を持つのはかなりのディスアドバンテージのような気がするのだけど。

そうかと言って、私の周囲では、レズビアンのカップルも精子バンクを使って生んでいるけど、彼女らのところは、完全に二人の子供として育てているから、それは別、というのが個人的な見解ではある。

誰もが子供を持つべきとは全く思わないけれど、出産のリミットが近づいてくると、なんとしてでも欲しい!と思う女性は少なくない。

それが日本であれば、子供がいない人生を受け止めよう...という流れになるのだろうけど、アメリカではそうじゃない。

私の友人なんて

シングル・42歳・パートナーなし

という事実にに加えて

体型が崩れるし、キャリアを中断したくないから、自分では産みたくない

という確固とした信念がありながら

凍結しておいて、後々代理母に生んでもらおう♡

と言って、実際卵子を採取している最中なのだから、本当にたくましい。

だけど、つくづく思う。

40歳を過ぎて、やむなく精子バンクを利用するくらいならば、もう少し若いころに、誰でもいいから、とは言わないまでも、生理的に受け付けないわけではない相手と、作っておいたほうが良いのではないだろうか。

だから私は最近良くこう言っている。

「子供のことだけは、欲しいのならば、若い頃からそれを優先に考えておいたほうが良いよ。」

と。

私も、30代半ばの頃、40歳から不妊治療を初めて、幾度もの体外受精の失敗を経て、44歳で出産した友人から散々言われた。

当時は、正直うっとおしく思ったこともあったけれど、今となっては感謝している。

養子を取っている人も沢山いるし、子供がいない人生も素晴らしいけれど、欲しかったのに持てなかったというのは、本当に辛いことだと思うから、まだ時間がある若い人には、しっかり考えて後悔がないようにしてほしい。

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白石里美

NY発 あがく女たちの本音

NYで出会った、たくましくて、もろくて、幸せで、切ない女性たちのストーリー。

コメント1件

「望まない妊娠」は勉強したけど、「望んでも不妊」は習わなかったなぁと思っていたところ。しっかり考えようと思います!
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