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適材適所

先日行われたアメリカの共和党党大会は、トランプに反発する共和党の重鎮がことごとく欠席し、トランプ一族のスピーチが続くという異様なものだった。

その中で、注目を集めたのが、これまで候補者の妻としてほとんどマスコミに出てこなかった、同氏の三番目の妻メラニア・トランプのスピーチ。

スロベニア出身で、10代の頃からモデルをしているというメラニアは、数カ国語を話すらしいが、強いアクセントの英語を話すため、さほど英語が上手くないという印象を与えがちだ。

党大会の翌日は、無難に終えた彼女のスピーチに対してマスコミも好意的に報道していたけれど、それが一夜にして一転した。

彼女のスピーチの中に、2008年にミシェル・オバマが行ったスピーチで使用されたフレーズと全く同じものが複数含まれていた、というのである。

専門家の調べによると、そのマッチ率は6%だそうで、トランプのスピーチライターが過ちを認めている。

それにしても、トランプの大統領選挙をみていると、候補者もその妻も、誰もかれもが、明らかに居場所を間違えていて、コメディのようでしかない。

メラニアは、かつてヌードを披露した初めての大統領夫人候補であるけれど、問題は、彼女が元モデルであることでも、ヌードになっていることでも、二人が出会ったときトランプは2番目の妻と結婚していたことでもなく、これまでトランプもメラニアも、政治家としての思考も熱意も全く持たずにいたことだ。

政治に興味を持ったら持ったで、議院や市長から挑戦するなら、分かる。

それが、派手に目立つことが大好きというだけで、大統領選に出馬して、特になんの信念もなく、気分で発言しているのだからとんでもない。

過去30年の間に、同じ一族から何度も大統領が誕生するのもどうかと思うけれど、ヒラリーがこれまで、国や国民のことを考えてきた熱量は、トランプのそれとは比較にならないはずだ。

人間にはそれぞれ相応しい場所がある。

トランプはこれまでずっと、目立つこと、トップ0.01%の金持ちであることを誇示することに命をかけてきたのだから、これからもリアリティTVに出て、インチキな通信制大学で金を集めればいいし、メラニアだって、ピラティスをして、ボトックスを打って、キャビア入りの化粧品でも売って実業家の真似事でもしていればいいのだ。

その方が当人もよほど幸せなはずである。

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