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アメリカで今爆発的に売れる本の共通点

最近、アメリカで爆発的に人気がでる小説には共通点がある

それは、ダークな女のサスペンスフルな話、ということ。

そのはしりが2012年に出版された『The Gone Girl』で、2014年にはベン・アフレック、ロザムンド・パイク主演で映画化

2015年の初めに出版された『The Girl on the Train』は、 エミリー・ブラント主演の映画が10月に封切られる予定であり

そして、これらに続くのが2015年に出版された「Luckiest Girl Alive」である。

「Luckiest Girl Alive」
高校生の時に、クラスメイト数人からパーティレイプされたAniは、10数年後、ニューヨークで雑誌のエディターとなり、ファイナンスのエリートであるフィアンセとともに、ドリームジップコード(a.k.aトライベッカのロフト)、ファンシーなワードローブ、ストイックなダイエットでキープするスリムな体型、と誰もが羨むパーフェクトな人生を歩んでいる。婚約と同時に、過去のレイプ事件を語るドキュメンタリーに出演することを承諾した、Aniの真意とは....

筆者のJessica Knoll(ジェシカ・ノール)は元コスモポリタン誌のエディターで、作品発表の後に、自らも高校生の時に同級生3人からレイプされ、その経験を元に執筆したと告白している。

この『Luckiest Girl Alive』も女優、Reese Witherspoon(リース・ウィザースプーン)のプロダクションにより、映画化されるらしい。

ちなみに、リース・ウィザースプーンは本好きがこうじて、パートナーと共に本を原作にした映画のプロダクション会社を設立していて、彼女がInstagramなどで紹介する本はヒットする、というのが業界の定説になっている。前述の『The Gone Girl』も彼女の会社がプロデュースして大ヒットしている。

それはさておき、これらのヒット本に共通するのが

完璧な人生を送っているかにみえる女性たちのダークサイドを、スリリングなストーリー展開とともに、主人公自らが少しずつ暴露していく

というものなんだけど

映画化できる程度にキャッチーか否かも、パブリッシャーが意識する大きなポイントで、これらの要素を満たした本には、例え新人の作家でも、数社のパブリッシャーからミリオン単位のオファーが入るそうだ。結果プロモーションにも力が入るので、大ヒットにつながるのだろう。

加えて、SNSの普及で、リース・ウィザースプーンや、同じく本好きで知られ、ブッククラブも主催しているサラ・ジェシカ・パーカーなどが読んでいるとなると、一気にその評判が広まって、皆が読むべき『it book』となるのが今の時代の流れだ。

私も上記の三冊全て読んでいるけど、特に『Luckiest Girl Alive』は、女ならば誰もが羨む生活を手にいれた主人公の、目的達成にかけるパワーに圧倒された。

彼女のモチベーションはいつも怒りなんだけど、怒りとか絶望を知っている者の在り方は、それを知らないより者よりも圧倒的に鮮烈で、そこが見る者の心をつかむ。

この本の主人公たちは、残酷で、利己的で、病んでいて、弱い。

そんな複雑さを抱えながら、自分を奮い立たせて前に進むしかできない彼女たちに恐れおののきながらも、共感したり、憧れさえ抱いてしまう部分をみな多かれ少なかれ持っているんだと思う。

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