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愚痴のお値段

先日、久しぶりにセラピーを受けた。

アメリカで「therapist(セラピスト)」というと、精神科医のことで、俗語で「shirink(シュリンク)」と言ったりもする。

私のセラピストは、精神科医ではなくて、オーラリーディングのようなサイキック的なこともするのだけど

かつて、ドラマ「Girls」の監督・脚本・主演を務めるレナ・ダナムが

“Why spend $200 once a week on therapy when you can spend $150 once a year on a psychic?”
サイキックに一年に一回、150ドルでみてもらえば済むのに、どうして毎週セラピーに200ドル費やさなくちゃいけないの?

と言っているが、私もほぼ同意見である。

ちなみに、レナ・ダナムはマンハッタンのソーホー生まれ、ブルックリン育ちの生粋のニューヨーカーで、小学生の時からセラピストにかかっていたらしい。

過去にも何度か書いているけれど、ニューヨークでは、自分のグチグチした部分やダークな面を周囲にさらすのはありえない行為であり、お金を払ってプロに聞いてもらうのが鉄則である。

天井なしの資産があれば、毎週セラピー通いすることもできるのだろうけど、一般庶民はそんなわけにいかない。

よって、調子が悪い時には

「これは200ドル払ってでもセラピストに話したいことか?」

と自問自答することが癖になっている。

先週、落ち込みとやる気のなさぶりが最大になったので、やむなくセラピーを受けることにした。

こう言ってはなんだが、そのセラピストが言うことは、毎回当たり前のことばかりである。

以前、妊娠中に気分が落ち込んでみてらった時は

「野菜中心のオーガニックの食事にするように」

なんて言われて、それは本当に1時間200ドルチャージするセラピストからもらうべきアドバイスなのか....?と思ったものだった。

そんなわけで、今回も、特にびっくりするようなことは何もなかったのだけど、「ああ、やっぱりそうよね、それでいいのよね」ということを確認するだけでもすっきりして、気分が向上するから不思議だ。

すっきりした後には、7分間の延長料金50ドル込み、250ドルの請求書が私を待っていた。

後腐れなく愚痴るには、お金がかかるのだ。

ちょっと元気になったことだし、また頑張って仕事して、もっとセラピーを受けられるようになろう....!

というのは本末転倒だろうか。

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