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占いと恋愛偏差値

女の占い好きと恋愛偏差値の程度は無関係だけれど、恋愛偏差値が低く、かつ占いが好きな女はやっかいだ。

この恋愛偏差値とは、『どれだけモテるか』とか『どれほどの良い男と付き合っているか』ではなく、『いかに一人の相手としっかり向き合ったことがあるか』によって判定される。

そして、ニューヨークには、恋愛偏差値が低い女が驚くほど多いのだ。


アラフォーシングルの友人もその一人。

某アイビーリーグのビジネススクールまで出ている彼女は、勉強偏差値は間違いなく高い。

顔もスタイルも良いし社交的。それなのに、これまで同じ相手と3ヶ月以上続いたことがない。


なんでもアメリカの大学生、特に優秀な学生ほど、勉強や進路の妨げになるからと、特定の彼氏彼女を作らず、『hook up』いわゆる、軽い体だけの関係だけで済ませることが多いという。

私は、このことが、ニューヨークにおいて、『いい年してまともな付き合いができない』男女の増加に拍車をかけているように思う。

個人的な見解によると、25歳頃までにきちんと付き合った経験がない女は、その後も恋愛に関して未成熟であることが多い。

相手がオタクでも、クラスで一番モテない童貞でもいい。特定の相手と酸いも甘いも一通り経験して、はじめて、男と女とはなんたるものかを学ぶのだと思う。


そんなわけで

話を例の友人に戻すと、本人いわく、彼女の恋愛が長く続かないのは、生まれ持った星回りのせいらしい。

何を隠そう、彼女はバリバリの理数系にして、超のつく占い狂なのだ。

数年前には、LAに住む彼女の友人が絶賛する占い師に会うためだけに、LAに飛んで、鑑定代600ドル+エア代500ドルを費やした。先日は、2週間に一度通うマッサージ師ご推薦の占い師に400ドル支払った。そして、今度仕事が落ち着いたら、香港で著名な占い師に数千ドル出してみてもらう、と言う。

「先日みてらった占い師はどうだったの?」

と聞くと

「基本的なことでは当たっていたけど、未来の予想は外れていたからもう行かない。」

なんでも、これまで数えきれないほどの占い師にみてもらっているため、この先の運勢は分かっている、という。未来予想が知りたいのではなく、本当に力がある占い師に、その運勢を変えて欲しいのだそうだ。

そして、香港の著名な占い師ー彼女の家族が代々お世話になっていた、10年ほど前に亡くなった香港でも指折りだった占い師、の弟子ーに数千ドル(数十万円)支払えば、それが可能だという。


「そうまでして、何を変えてもらいたいわけ?」

「私がデートする相手ってね、いつも、数ヶ月もしないうちに他の女が登場してね、彼をとられちゃうのよ。だから、そんな相手が出てこないようにしてもらうの。」

「.......。あなたの場合ね、運勢がどうこうよりも、こう、もっと理想を下げて?ともかく誰でも良いからデートしてみることが先決だと思うんだけど?」

背が低かったり太っていたりはもちろんのこと、50過ぎはジョージ・クルーニーでもお断り、という彼女には、まずここが一番の関門だと思うのだ。

「そうは言ってもね、一週間頭洗ってないような中国人のおじさんなんて絶対無理!」

加えて彼女は、白人にしか興味がないので、ちょっと好意を示してくれているらしい中国人の同僚は気持ちが悪い、と言う。


「ねえ、あそこのホットな二人、私のことチラチラ見てない?」

ジムのカフェの対岸に座る、20代後半と思われるグッドルッキングな男子二人組に視線を向けて私に言う。

「ルルレモンのトップス、ワンサイズ下にして谷間を盛り上げた甲斐があったわ♡」


著名な占い師とやらは、その高校生のような思考回路も治してくれるんだろうか。

それにね、あのカフェの二人組、絶対ゲイだったよ。

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