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結婚10年目の結論: 結婚は誰としても同じである

私の夫は、働き者で、性格も良くて、背も高い。

一方で、エリートでもないし、これといった野心もなく、知的な会話がそれほど得意ではない。

それでも27歳で結婚した時、私の家族ー両親はもとより妹までもーは

「よくこの娘(姉)をもらってくれた」「なんてありがたいことだ」

と夫を神のようにまつりたてて、あからさまに肩の荷を降ろした。

それを見て

「何言っちゃってるの?私の方が結婚してあげたんですけど?」

と思っていた自分に対しては、今、本当に恥ずかしい気持ちでいっぱいであるし、同時に、あの時の家族の意見に全面的に同意せざるを得ない。

なぜなら、あの時、私は利己的で、身勝手で、身の程知らずの世間知らずだったし、何より覚悟が決まっていなかった。


結婚後すぐ渡米して、慣れない海外暮らしで、上手くいかないことも沢山あった。

そのたびに、「ここが日本だったら、とっくに家出て離婚してやるのに...!」と思ったことも数え切れないし、実際日本に戻って人生もう一度やり直そうと思ったことだって一度や二度ではない。

だけど、そのたびに、荷物をまとめてNYから引き上げることや、また日本で仕事を探すことなんかを考えると、やっぱり待てよ...と思って引き止まった。

今思うと、日本にいる時ほど自由に行動できなかったことが、私の人生にとって最も幸運なことの一つだったと思う。

そのおかげで、今でも夫と家族でいられて、娘を授かることができたのだから。

若かりし頃の私は、誰と結婚しても、きっと同じ状態に陥っていたはずだ。

パートナーの条件や生活のレベルに応じて、幸せ度が変わると信じていたのだから愚かとしか言いようがない。


結婚というシステムは、人間の本来の生体に合っていない、と聞くことがあるけれど、私はそれを最もだと思う。まだ20代・30代のうちに、一生この人しか愛さないと公に誓わされて、それ以外の生き方はいけない、という価値観を押し付ける道理の通らないものだとも思う。

だけど、私はそのシステムのおかげで少しだけ変わることができた。

「やっぱりやーめた」では済まされない環境でもがいて、ようやく自分の愚かさに気がつけた。

結局、全ては自分の覚悟次第で、全ては自分の心が決めるのだ、ということがようやく分かった。

「やっぱりやめた」からの再スタートを繰り返していたら、未だに気がついていなかったと思う。


人にはそれぞれに合った生き方があるから、みなが結婚した方が良いとは少しも思っていないし、別々の人生を歩むことがベターな場合だってある。

だけど、私は「結婚したいけど、良い人がいない」という女性にはいつもこう言っている。

「誰と結婚しても同じ」

暴力やお金にだらしない男などは論外である。

だけど、誓ってもいい。生活レベルや住む場所なんてすぐ慣れてしまうし、第一、このご時世、全ての条件が揃った王子様を待つよりも、自分で生活力をつけた方がよほど現実的である。加えて、まずは自身の欠点を全て書き出してでもみたら、相手のそれもさほど気にならなくなると思う。

結婚していても独身でも、どんな生き方も、その人にとって必要な人生の修行。そう考えたら、他人との比較がどれだけ無意味なのものか分かる。

どんな人生でも、幸せになるには自分の精神レベルを上げるしかない。

修行の道はまだまだ続く...

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