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【門司→鹿児島】国道3号線キャノンボール【13時間05分】

◆忙しい人のためのあらすじ◆
R3瞬殺した


おはこんばんちは。
2022年もGWがやってきましたね。執筆時のいまはもうすぐ終わりますが。

GWと言えばなんでしょう。そうですね。キャノボウィークですね。
2020年と2021年は緊宣で自粛を強いられていたので久しぶりに大手を振ってチャレンジできました。

さて、元々はR9の下関→京都キャノボをするつもりだったのですが、オフシーズン中のサボタージュが過ぎて超過酷なR9に耐えられそうにないと日和り、一桁キャノボシリーズでは2番目か3番目にちょろいR3に照準を定めました。

やると決めてしまえば話が早い。すぐにスケジュールを立てます。
R3キャノボは387kmと短く丸一日費やすことはありません。作戦としてはトラフィックが有利になる夜間が北部になるようにスタート時刻をセットします。門司を21時発に決めました。
出発前の仮眠をゆめモール下関のスーパー銭湯でとり、その前に下関市立水族館の海響館で遊ぶことを考えて朝発の新幹線を抑えます。
ゴール後のことは姶良で一泊して翌日宮崎まで自走、宮崎カーフェリーで帰ることにしました。折よく就航間もない新造船に乗れます。フェリーは3月中に予約しました。

旅程のお膳立てはすぐに済ませましたが、走るほうの準備はすぐには取り掛かれません。なにせこの4月はキャノボの前にFlecheと300kmBRMが待ち構えているのです。
FlecheもBRMもただのブルベではなく、日本最長タイクラスの600kmFlecheと、最恐300との呼び声高いBRM423神戸300VT淡路山脈という超絶ハードなボスラッシュ。この2つとキャノボが毎週やってくるという罰ゲーム状態。
平日に週末のライドの準備をして週末に決戦というルーティンをこなし、絵を描く暇すらありませんでしたが、Flecheは無事に600kmを達成。Flecheの奮闘記はこちら。↓

淡路山脈もFleche後に咽頭炎でやられた喉を労わりながらも一番時計で完走認定を貰い、ついにキャノボの番が回ってきました。天気予報は問題なさそうなのを確認し、とりあえず出走宣言。

宣言してからいそいそとコースの情報を調べて最低限の準備を整えつつ、あれよあれよと時間は過ぎ去り決戦の4月29日を迎えます。



AM4:45 起床

着替えたり、食事をしたり、荷物を整えたり、いろいろ仕込んで6時に自宅を出発。まずは自走で西明石駅まで移動します。

移動開始直後にさっそくトラブル。PowerTapがGARMINとペアリングしません。原因はどうやらPowerTapの電池切れ。こうなる気がして前日にGARMINを起動してワットが表示されるかの確認と電池残量の確認はしたのですが、このときペアリングしたのは同じ室内に保管しているOGREのPower2Maxの信号を拾っていたようです。PowerTapはR5キャノボのときも広島600のときも電池切れをやらかしてる問題児で、大一番でのやらかしは今回で3回目になります。スペシャルツールがないと電池蓋を開けられないので部屋に戻らないと電池交換できません。ハッキリ言ってクソです。ほんとコイツどうしてくれようか。

西明石駅に到着して輪行。リカンベント輪行は久しぶりで勝手を忘れてないか心配だったけど時間のマージンはたっぷり取っていたので問題なし。クイックのネジ山が潰れていたのは焦ったけど力業で見なかったことにして新幹線ホームへ。

往路のお供は500系です。500系は格好良いので好きです(小並感)。
こだまなのでゆっくりと新下関まで運ばれます。この日、西日本は大雨が降っていましたが、この大雨時間帯を新幹線内でやり過ごし、新下関で自転車を組み立て終わったころにはほとんど止みました。海響館への移動はバスになるかもと思っていたので僥倖です。自走で海響館まで移動します。

けよりな舞台探訪ノルマ達成。
イルカショーまでしっかり堪能し、次の仮眠ミッションを開始します。
来た道を戻りゆめモール下関の温泉施設へ。
温泉施設、和楽の湯の休憩所に入室しすぐ横になって仮眠の態勢。しかしこの休憩所、室内は無駄に採光がよくて明るく、テレビはバラエティーやニュース番組が音と共に垂れ流し、子連れ親子の出入りも多くてなかなか寝付けず、半覚醒状態のまま4時間以上を過ごしました。
予定より1時間早く仮眠を切り上げ、温泉で体を温めて門司のスタート地点へ移動を開始します。今回、風の予報は非常に恵まれており、スタートが早ければより一層風の恩恵を受けることができそうだったので1時間前倒しを狙います。
移動開始直後、GARMINがGPSを捉えるのに苦戦しており、それに気を揉んでたら何かが脱落する音が。ボトルやライト類が無事なのを確認し、杞憂かなと思いそのまま進んでいたら今度は何か擦る音が。再び停止してよく確認するとロールアップのバッグが開いたままだった。しかも中に入れていたイヤホンとモバイルバッテリーが無い!あのとき落ちたのはこれか!
モバイルバッテリーが無いのは非常にマズい。このあとの旅程に大きな支障をきたす。時間は惜しいけどUターンして回収へ向かう。
暗い道路を探索した結果、クルマに弾き飛ばされたのか反対車線にそれらが落ちていました。

イヤホンは完全にオシャカ。でもモバイルバッテリーは外装にダメージを受けつつも機能は問題なさそうだったので一安心。ケーブルはmicroUSB用のは潰れて死んでいたけどType-C用のは無事だったので旅の生命線であるスマホのライフラインは保つことができた。不幸中の幸いである。
余計なトラブルで1時間前倒しはできなくなってしまったが、30分の繰り上げ出走はできそうだったのでプランを修正。
20時30分まで門司のコンビニでバナナミンを補給しつつ時間を待ちます。

時は来た。

装備は盤石。
風はベスト。
気温は12℃で清涼。
愛馬はパワメが死んでる以外は万全。
身体は仮眠以外は十全。
後顧の憂いは無し。

ストレートフラッシュでポーカーのテーブルに着いた。ショウダウンだ。

例のごとく見送り人不在の中、赤レンガの街の夜を一騎の自転車が滑り出していった。


微妙に霧雨が降っているが無視できるレベル。門司~小倉、北九州と、信号の多い道を進む。素晴らしい追い風に押され絶対的なスピードは出るものの、信号があまり連鎖せず止められてしまう。信号待ちのたびにちまちまとTwitterでリプ返しをしていく。最初の1時間は24.1km。信号の量のわりには結構進んだと思うが、最低目標のグロスは26kmなので赤字ということになる。でもまだ焦る時間じゃない。このあと絶対に返済できる。

2時間経過。55.5km。この1時間で+31.4kmも積み増した。あっという間に黒字会計だ。これはすごいことになるぞ。
3時間で博多に突入。83.0km(+27.5km)。ここで今回唯一の迎撃パーソンであるko-he-さんが待っていてくれました!

まさか単車で駆けつけてくれるとは思わず手を振ることしかできませんでしたが嬉しかったです。リカのスピード、いかがでしたでしょうか?w
ここから先は信号もぐんと減り、どんどんとグロスが伸びます。霧雨も止みました。

4時間、114.2km(+31.2km)。PowerTapが電池切れなので距離計測がGPS頼りのためトンネルで止まったりしてるので距離は正確じゃないかも。実際完走後の距離は地図の距離より3km短かった。でも手元のデータはこれしかないので無補正データのまま書きますね。

道の駅たちばなでお花摘み。あるいはキジ撃ちとも言う。
ここから福岡熊本県境の小栗峠への登り。標高は200mぐらいで勾配は非常に緩やかなリカンベント向きの高速登坂区間だ。追い風も受けて30km/hに迫るスピードで2%程度の坂を駆け上がる。グロスを殺さず峠を越え、ダウンヒルでは脚を休める。うん。順調そのものだ。

5時間。144.1km(+29.9km)。AM1時30分。眠くはないけど仮眠が不十分だったので先制してトメルミンを飲む。
6時間。175.3km(+31.2km)。
7時間。205.8km(+30.5km)。もう行程の半分を切った。早い。もう平坦でも40km/h以上で走ってるのもざらで、33km/h程度だと遅く感じてしまうレベル。
8時間。237.2km(+31.4km)。明け方の一番冷える時間帯だけど8℃で持ちこたえる。持ち込んだ装備的に問題ない。道の駅たのうらで2回目のキジ撃ちを済ませる。
9時間。262.5km(+25.3km)。夜が明けた。だんだん舗装が悪いところが増えてきたので日が昇るのは助かる。
10時間。294.8km(+32.3km)。鹿児島県に入ると舗装が穴だらけヒビだらけでまるで岩手県のR4のよう。R4は雪解け後だから穴ヒビはしょうがないけど鹿児島県はどういう了見だ。直せ行政。
11時間。326.1km(+31.3km)。ツイッタラーが起き始めてきてリプライが増えてきた。逆にこちらは信号が少なくて停止時間が減り、リプ返しが間に合わなくなってきたのでリプ返しについては白旗を揚げる。

そもそもキャノボ中に丁寧にリプ返しなんて普通はしない。引き際大事。よく頑張った。

ドリンクが無くなった。気温が低かったので2ボトルでここまで持ちこたえられた。残りの距離的にあと1ボトルもあれば間に合うと思う。トイレもゴールまで我慢できそうなのでコンビニには寄らず、川内市内の自販機で給水を済ませることに。

ここから先はもう止まらないぞ。

12時間354.0km(+27.9km)。防寒具(パールイズミのエプロン)をパージ。東シナ海から鹿児島湾へ向け山間部を進む。標高は200mにも満たず、丘?という感じ。R3はほぼ平坦ステージである。
鹿児島市内に入ってつかの間のダウンヒル。時間帯的にクルマの量も増えてきた。ゴールが近いので体力温存の必要は無し。ラストスパートだ。
鹿児島の市街で13時間を刻み、その5分後――

13時間05分で見事ゴール!サイコンでは383.4kmですが地図補正では386.7kmです。グロスアベレージにして29.6km/hのミラクルライドでした。風向きや天候にも恵まれ、V20という高速マシンを持ち込み、休憩を極限まで削ったこの記録、当分破られることは無いだろうと自信を持てます。

あ、ゴールの出迎えはやっぱりいませんでした。陰キャノンボーラーなので。


ゴール後はすぐにすき家で牛丼を食べて、そのままかごしま水族館を堪能。

隣町の姶良までのんびり自走してHOTEL AZへチェックイン。

翌日、これまたゆっくり自走で宮崎まで移動し、フェリーターミナルへ。
新造船の船旅を満喫しました。

これにてめでたくR3キャノボ攻略が完了し、Fleche、BRM淡路山脈、R3キャノボの地獄のルーティンを全て無事に終えることができました。我ながら本当によく頑張った。
これによりR1~R5までの一桁国道キャノボが攻略済みとなりました。

このうちR2とR3とR4とR5がコースレコード、R1は西行きのレコードタイムとなっています(2022年5月時点)。褒めて。
残るはR6~R9の4本。R6は福島原発の通行規制が長引きいつになるか不透明ですが、FDAの神戸~新潟便が就航したのでR8を秋にでもやりたいところですね。

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