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BRM622神戸400Granfondo Stage.3但馬山塊

 表題のBRMに参加してきました。400kmブルベですが、このブルベは普通ではありません。あおばヒドイと称される横浜あおばスーパー酷シリーズや悪名高い岡山、四国等、全国津々浦々を駆ける某ランドヌールをして『国内最凶クラス』と言わしめる神戸のグランフォンドシリーズ、そのStage.3が今回の舞台。神戸を発ち、但馬エリアのよくわからん林道をたらい回しされ、最後に六甲で締めくくられる、獲得標高7400mの超級山岳ブルベです。それでは実際にこれを走ってみてどんな様子だったか、ご覧ください。

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 当日は朝5時に起床して30分で支度し出発。約1時間でスタート地点のHAT神戸に到着。

 HAT神戸では既に同時開催の『神戸400城下町と宿場町』という至って健全なBRMのブリーフィングが行われていました。私もこれに出たかったのですが、エントリーしようと思ったら定員いっぱいで鬼畜なGFにエントリーすることになっちゃったんですよね……。他のGF参加者と話してみると他にも「城下町に出たかったけど埋まってたから仕方なくGF…」という方が多かったです。次の神戸600はお堂めぐりのエントリー峠を必ず越えると心に決めた瞬間でした。
 懸念された雨は無く、神戸は朝からいい天気です。よかったですねーと他の参加者と話していると、後ろの方で主催のK山さんが「大丈夫。養父の降水確率は50%の雨予報だったよ」と言って回っています。まるで「喜べ!貴様らの大好きな雨だ!!これが欲しかったんだろう!?」とでも言いたげです。雨ライドは富士ヒルでもうお腹いっぱいです……。
 スタート地点では富士ヒルでも挨拶したすなどり猫さん、TwitterでFFだったけどやっと初顔合わせのMetal-Kingさん、カキオコ300で一緒に走った阪口さんとご挨拶できました。さあ、K山さんに関西ジョークで送り出されて笑顔でスタートです!

 とりあえず定番コースの再度山~岩谷峠~西脇市のローソンPC1までをヘコヘコ適当に走ります。今回のペーシング方針は「楽して走る」。競争意欲は先日の富士ヒルで充足したので闘争心はゼロ。ファストランの真似事はナシです。なので雨具防寒具の荷物も満載。翌朝のプリキュアオンエアにさえ間に合えばそれでいい。
 信号待ちで阪口さんと、あと若い男性が追いついてきました。この方はPC1を出た後にTwitterでFF内だったDaikiさんだとわかりました。なんとこれが人生初のブルベとのこと。すごい勇敢さである。しばらく3人で進みましたが、登りはじめで阪口さんがドロップし、さらに斜度が上がったところで私がDaikiさんからドロップ。散り散りで各自進みます。生野へ至る道はなんかよくわからない林道。

 事前にチェックしたときは青垣峠じゃないや良かった~と思ってたけど、青垣峠のそれとほぼ同じような約20%の激坂でクソ~!と思いながらもクリア。フォトチェックを経て生野峠を越えると但馬へ向かってしばらく緩い下りです。途中の自販機で500mLのドリンクを2本調達。公衆トイレを見つけて用を足して登坂に向けての準備は完了。朝来に入ると雨が降ったり止んだりし始めました。山の方を見るともっと雲が厚いです。鬱。
 さあ再びよくわからない林道に突入です!しかもひたすら登りです。海抜50mから900m超まで何もない道をひたすら登ります。登れば登るほど道が荒れてきます。ちなみにずっと10%近い斜度です。霧のような雨が降り続いてるし、道をカタツムリやヒルが横断しています。そして標高にして700mほど登ったところで衝撃的な看板が出現!

 いや路面荒廃って……いや路面荒廃ってなんなん……
 路面荒廃なだけあって爆撃されたかのような道が続きます。

 800m付近でドリンクが無くなりました。こんな道、コンビニはもちろん、自販機も湧き水もありません。ちょっとピンチ。喉が渇き切るのが先か、水にありつけるのが先かのチキンレースが始まります。うひょー。
 ちなみに携帯電話の電波もないので怪我でもしたら命にかかわります。やばい。

 峠の付近は完全にダートに。ダメ押しに霧に包まれて盛り上がりは最高潮に。高低差200mほどのダウンヒルだけど荒れ果て過ぎた道と霧でスピードなんてこれぽっちも出せないぜクソワロタ(笑ってない)。道の分岐点で蘇武岳へ向けてまた登り。こっちは舗装は綺麗め(綺麗とは言ってない)。ブリーフィングで逆さグレーチングがあると言っていたのもこの辺です。注意深く進むと何箇所もあります。くそやん。登った先のチェックポイントをクリアしたらUターンしてダウンヒルで戻るので、逆さグレーチングの場所は覚えておかなければいけません。視界10mの霧なので記憶が頼りになります。いやこれ死人が出るぞ。
 登り切りました。標高は1030mぐらい。雨のせいもあって寒い。でもチェックポイントの石碑がありません。距離にして600mほど下って戻るとありました。霧のせいで見逃していたようです。もったいない。

 ここはもともとはフォトチェックでしたが、有人チェックになってました(ブリーフィングで説明あり)。お菓子とコーラを頂き、ボトルにも次のPCまで待ちこたえられるようにポカリをちょっと注がせてもらいます。これで水難民から解放されました。一安心。
 Daikiさんが先行していたと思っていましたが、どうやら私がどこかで前に出ていたようで(Daikiさんは登坂の前にコンビニに寄っていたようです)最初の通過者になったので、スタッフさんからゴールの予想タイムを聞かれました。世に言う『nYoloシフト』というやつでしょうか。「グロスAve20ぐらいで進んでるっぽいので20時間でしょうか?」とあいまいに答えました。とりあえずゴール受付にスタッフがいないということはなさそうなので安心です。
 霧が濃いのでライト点灯で慎重に下ります。途中でDaikiさんとすれ違い、もうちょっと下で阪口さんともすれ違います。位置関係把握。

 どんどん下っていきます。霧も晴れてきました。野生の鹿と目が合って『トゥンク…///』となったりしながらやっと国道に復帰です。しばらくR9をなぞって、また脇道に逸れてまた細い道を登ってフォトチェック。雨が本降りになってきたのでここでレインジャケットを着込みます。しばらく進むと湯村温泉のPC2のローソンに到着。ここから先はまたしてもひたすら山の中を駆けまわることになるので、イートインでガッツリ補給です。やきそばをすすっていたらDaikiさんも到着してきました。「いやぁ、盛り上がってきましたね~www」とお互い苦笑いで軽く話します。
 私が先にリスタート。うへ山の棚田を目指します。

 思ったよりキツい登りを越えてフォトチェッククリア。距離的にはまだ半分です。なげー。次は但馬アルペンルートとかいう鹿だらけの山道に突入です。タヌキもいました。


 雨降る登りに完全に飽きてきましたが、なんとか日が落ちる前に6つ目のフォトチェックをクリア。ここでシュークリームを食べていたらDaikiさんが出現。「かなりキツイ」と言っています。がんばれ!
 先に出発し下ります。久しぶりに自販機が出現したのでドリンクの補給を…と思ったらアクエリが1本170円!なんでこんなに高いの!?と思ったらそうかここはハチ北のスキーリゾートエリアか。オフシーズンぐらい負けてくれ~と思いつつも130円で水購入。次はハチ高原への登りです。日が落ちて夜になりました。雨はまだ止みません。登っていくにつれてまた霧が深くなっていきます。

 登り切りました。これでもう六甲までは登りはありません!達成感を感じ始めたところで、まさかの緊急事態が発生!

 ……通行止め?え?ブリーフィングでそんなこと聞いてないぞ?え?

 ――パニック!!!

 落ち着け。とりあえず主催者にTEL。状況を説明すると、とりあえず待機命令。10分ほどTwitterでひとりで騒いでると、Daikiさんも追いついてきたので状況を説明。二人で「迂回路はこれになるのかな?」とか話しながら指示を待ちます。暗闇をうろうろしてるとDaikiさんがもう一つ通行止め看板を見つけました。

 そうかー。4日前からかー。そりゃあ試走じゃ見つからないわなー。
 通報から25分経過したところで遂にK山さんから折り返し着信。迂回路の指示をもらい、Daikiさんと「やっぱりこのルートだったね」と言いながら来た道を戻ります。暗いのと霧とで全然前が見えないダウンヒル。慎重に下っていると、道の真ん中で鳩のような鳥が眠っていて轢き殺しそうになりました。あぶねーwww
 阪口さんともすれ違ったので、迂回指示の伝言を伝えました。他の参加者とはすれ違いませんでした。

 Uターンのダウンヒルからの迂回路を通って正規ルートに復帰。R9に合流して文明にも復帰。次のPC3はまだ遠い先の六甲登りはじめのところなので、養父のPCじゃないコンビニで軽食を摂ります。ここでDaikiさんとは、後ろに続く参加者(阪口さん)とは大きく差が開いていること、お互い闘争心皆無で確実な完走が第一であることから紳士協定を結び、ゴールまで一緒に進むことに。私先頭固定で夜の街を突き進みます。雨も上がりました。久しぶりのドライ平坦は最高ですね。あっと言う間にPC3に到着です(日付は変わっちゃったけど)。
 もうあとはラスボス六甲を倒すだけです。月明かりの夜に野郎二人でハニー坂を登り、ちょっと下っていざ六甲!頑張る理由が無いので談笑しながらのしのしと登ります。Daikiさんが「ローギアが23Tまでしかないのでケイデンス低いのは辛い」と言うのでそれに合わせます。180~230Wぐらい。登りきると、彼は疲労したようで一軒茶屋で休みたいと言うのでそれに付き合って一休み。未明の六甲は初めて登りましたが、夜景が綺麗でした。これが1000万ドルの夜景か……。

 リスタートし、最後のフォトチェックを攻略。通りすがりっぽい学生風の三人組がちらちらとこちらを見ています。「まあ私ら、傍目から見たら完全に不審者ですよねw」とDaikiさんと話していたら向こうから近付いてきて「この時間に登ってきたんですか?」と話しかけられました。ブルベのことをかいつまんで説明し、もうすぐ400km完走するところだと言うと「想像以上だった……」と期待通りの反応を頂きました。ブルベたのしい。

 そして下りきったところのセブンでゴールです。一番時計の華は譲ってもらいましたw
 認定受付のマクドナルドに着くころには日が出ていました。不備なく無事に20:53で完走認定ゲットです。Daikiさんも無事に初陣を完走認定で飾りました。蘇武岳のチェックポイントでスタッフさんがこぼしていたnYoloシフトがそのまま採用されていたとすれば、ゴール受付のM脇さんは1時ごろから待機していたと思われるので頭が下がります。ハンバーガーを食べていたらK山さんもやってきたので、お二人にお礼を言って退店。Daikiさんともお別れの挨拶をして退散し、帰宅。家に着くと6時半。プリキュアオンエアまであと2時間……。洗濯をしたり風呂に入ったりしながらそのときを待ち、遂に放送開始!でもAパートは見届けたものの、肝心のBパートで寝落ちしてしまい、キュアコスモの初変身をすっ飛ばして気がつけば仮面ライダーが画面に映っていて僕は泣いた。トホホ。

おわり

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