見出し画像

2020年アストロズここまでの振り返り

https://www.baseball-reference.com/sim/leagues/MLB/2020.shtml (各種成績の確認はこのリンクより)

シーズンの約10分の1にあたる18試合が終了し、アストロズは9-9のイーブン、ロケットスタートを決めた首位アスレチックスに5.5ゲーム、予想外?の好調を見せる2位マリナーズに2.5ゲームを離された3位に留まっている。開幕して僅かとはいえここまでのアストロズについて振り返っておきたい。

依然強力な打線

昨オフに起こったサイン盗み問題の影響で成績を低下させると予想された方がいるかもしれないが、現状ではあまりその影響が感じられない。チームOPS.823は昨シーズンと大きな開きはない。特に昨年ROYに輝いたY.AlvarezはST中に開幕は絶望的と見られながらも、今シーズンもここまでOPS1.080と二年目のジンクスさえも感じさせない活躍を見せている。このように昨年同様に強力な打線でありながら勝率が伸び悩んでいるのは何故なのか。それは多くの方がお気づきであろう投手陣の影響である。

コールの抜けた穴の大きい投手陣

STからの予想通りアストロズの開幕先発ローテーションはJ.Verlander Z.Greinke L.McCullers Jr.  J.Urquidy  J.Jamesの5人となった。STで開幕が絶望的と見られていたJ.Verlanderが開幕に間に合い、4試合を投げERA3.38 26.2回と年齢、怪我の影響を感じさせないのは先発陣唯一の嬉しい誤算といえるだろう。しかし、それ以外の投手は惨憺たるものである。
Z.Greinke 4試合 ERA7.45 19.1回
L.McCullers Jr. 4試合 ERA5.40 23.1回
J.Urquidy  3試合 ERA5.17 15.1回
J.James 3試合 ERA4.50 20回

無論Greinkeがある程度復調することやJamesが3試合ながらイニングイート力を見せてくれているのはアストロズにとって好材料といえるかもしれない。しかし、このローテでPSに臨むことを考えればやはり不安は大きい。

であれば当然、シーズン中の先発補強つまりはトレードについて模索するべきだろう。

現時点の主な先発トレード市場

J.Odorizzi 昨年FAもQOを受諾しツインズに留まったが、今年はツインズが7‐12と低調。ただ彼自身は4試合を投げ防御率1.71 26.1回と昨年以上の好調。オフFAということもあり多くの買い手が予想される。

J.Teheran 昨年オフにオプションが破棄され、FAとなり単年9Mでエンジェルスに移籍。Teheran自身はここまで3試合を投げ、防御率2.18と好調もチームは彼と大谷以外の先発の低調や主力野手の不振もあいまって7‐12と不調。先のOdorizziよりもリーズナブルな点から彼以上に人気となるか。

C.Kluber 昨年オフにレンジャーズへトレードで移籍。昨年こそ怪我も相まって低調な成績であったが、今年はここまで復活を感じさせる内容。相互オプションの履行が難しそうなら放出も十分に考えられる。

R.Porcello 昨年オフに単年10Mでメッツへ移籍。今シーズンはここまで過去数年の成績が嘘のような好調を見せている(ERA1.17)。メッツの球団性質を考えれば、放出とは一概に言えないが、もし成績を維持すれば市場ではかなりの人気となるはず。

M.Scherzer 昨年遂にナショナルズを初のリーグ優勝、ワールドチャンピオンに導いた鉄腕。特にWS第7戦の投球は見た人たちの記憶に深く刻まれるものとなっただろう。しかし、今年は優勝疲れもあってかチームは6-11とかなりの落ち込み。Scherzer自身は好成績を残しており、チームとして財政面からも育成面からも昨年放出説の出たScherzerをトレードすることは決して不思議でない。

C.Archer 今シーズン4試合防御率2.00 27回と遂に復調を見せた右腕。チームもここまで好調も、戦力層を考えれば来年までクラブオプションのあるArcherを放出し、若手を獲得しようとすることは想像に難くない。

Y.Darvish 今のところは昨シーズンからの好調を維持した成績を残している。しかし、チームとしては彼の年俸や2016年をピークに年々チーム力が下がっている現状を打破するためにもトレードは十分にあり得る。懸念材料は今シーズンK/9が大きく下がっている点とSNSでの暴れっぷりか

K.Gausman 昨年ノンテンダーFAでSFへ単年9Mで移籍。ここまでは過去2年ほどの不運とも言うべき成績を吹き飛ばす好調。契約やチーム状況を考えれば間違いなくトレード放出の対象となるだろう。

以上が先発のトレード市場である。新GMが誰を獲得するのか、はたまた全く別の解決策を見出すのかシーズンの残り10分の9、非常に楽しみである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?