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High-Frequency Trading: A Practical Guide to Algorithmic Strategies and Trading Systemを読んでのメモ(その3)

こんにちは、しゃしゃしゃしゃです。

第三弾書いてます。これ書いてる段階ではほとんど反響ないのですが、前回の記事があまりにも面白くなさ過ぎて気持ち悪いのでとりあえず書いてます。前回までの記事は以下に貼っておきます。

前回までの反省を活かして

その2までまとめて思ったんですよね。内容おもしろくねぇなぁって。原著がある私は読み直しにもなるので「あーそうだったかも」みたいな感じになってるんですが、これを読んでる人は面白くないんじゃないかなって思い始めました。

なので、今回は書いて面白くなさそうだなぁって思うところは積極的に飛ばしていきます(利益につながりそうにないところを飛ばすわけではない)。
利益につながりそうでも「長いし、これだけ言っても伝わんないか。」っていう部分に関しても書くかもしれませんが想像でいろいろ補ってください。

この本の目次(オレオレ日本語要約)

今回からは書いて面白くないだろうなぁって思ったところは飛ばしてまとめていきます。
1. 現在と過去の市場の違い
2. 技術革新・システムと高頻度取引
3. 市場のマイクロ構造、オーダーと板について
4. 高頻度データその1
5. トレードコストについて
6. パフォーマンスと高頻度取引のキャパシティについて
ーーー前回はここまでーーーー
7. 高頻度取引のビジネス
8. 統計的アービトラージ戦略
9. イベント中心の方向性取引
10. 自動マーケットメイク ー 単純在庫モデル
ーーー今回はここの途中ーーー
11. 自動マーケットメイクその2
12. その他の高頻度取引戦略、市場操作と市場クラッシュ
13. 規制(レギュレーション)
14. 高頻度取引のリスクマネジメント
15. マーケットインパクトの最小化
16. 高頻度取引システムの実装

8. 統計的アービトラージ戦略

HFTのカテゴリ分類
1. 統計的アービトラージ戦略
→value-motivated strategisとして知られてる
2. 方向性戦略
→情報に基づいた取引として知られてる
3. マーケットメイク戦略
→流動性取引としてしられてる

1は同一商品の別取引所での価格差を利益の源泉としたり、相関のある別商品の価格差を利益の源泉としたりする普通の裁定取引のこと

2は指標をもとにして次に動く方向を予測して行う取引、ポジション損益が利益になるイメージ

3はスプレッド損益が利益になるイメージ

まぁ、3をやるうえで指値価格調整のために次に動く方向を予測してる人尾が多いと思うけど。

板にいるトレーダの分布とそのアグレッシブさ
書籍では図で説明してたんですけど、作るのが面倒なので説明だけで
情報トレーダ: 情報を持っているトレーダはltp最近傍にあつまっており、アグレッシブさ高
情報無MMトレーダ: 情報トレーダの周辺(板上での話)にいてアグレッシブさ中
バリュートレーダ: MMトレーダのさらに外側にいてアグレッシブさ低

なんとなくイメージ付くと思うんですけど、次に絶対上がるって分かってたらテイク気味に注文するのも怖くないですよね。→情報トレーダ

情報なくてスプレッド損益を目的としてるならテイクすることってあんまりないですよね?→MMトレーダ

価格が○○円以上になったら売ろうとか、○○円以下になったら買おうとか思ってる人→バリュートレーダ

統計的アービトラージにとって最重要なこと
異なる変数間で90%以上の統計的信頼度を持っていること

そりゃそう。相関なかったら、何を基準に裁定するんだって話ですからね。90%って書いてるけど高い信頼度という意味なんだろなって思ってます。

あと、統計的アービトラージはボリバンを利用したテクニカル分析戦略の近代的で洗練されたものであるとも書いてました。

あと、アセットクラスごとにどんなアービトラージ戦略があるかの説明とかもしてました。

ペアトレード、リスクアービトラージ、流動性アービトラージ、三角アービトラージ、利子平等(UIP)アービトラージ、インデックス構成アービトラージ、ボラティリティ曲線アービトラージ、先物/ETFトレードとかいろいろ

ちょいちょい日本語訳変だとは思いますが、ご容赦ください。あんまりアビトラをねらってなかったんで気になった方はご自身で調べてください。

9. イベント中心の方向性取引

イベントが発生してから価格に反映されるまでの時間は瞬時ではないので情報を早く仕入れてポジションを取ることで利益を得る。

例えば、ニュースで報道されて価格に織り込まれるとかあるけど一部の公知情報は発表されて数か月間、価格に織り込まれずに、新聞などの報道機関で取り上げられてから価格に織り込まれ始めることとかあるんですって。
SIG-FINセミナーのリファレンス論文にそういう話がありました。Lazy Prices (Cohen, Malloy, Nguyen, 2018)

重要なのは、「みんなが気づいてなくて自分だけが気づいている情報って何だろう」ってのを追求していくこととかですね。

あとは、発生するイベントによって影響の大きさも違いますよね。

1:BTCのシステムが51%攻撃によって信頼性を失う
2:よくわからん取引所が倒産

仮に1が起きたときとか、市場に対する影響なんてとんでもなく大きいけど2が起きてもそこまでですよね。
イベント中心の方向性取引ではそのイベントがどのくらいの影響力を持っているかというのも考える必要があります。

あとは、各アセットクラスと影響を及ぼすニュースの種類とかを説明してました。

10. 自動マーケットメイク ー 単純在庫モデル

ほとんどのHFTシステムは自動化されたMMを提供するためにデプロイされてきた。この章では、MMモデルの成功の背後にある基本的な原則について考えます。
・MMは市場の暴落などに対するインパクトを減らす。
・MM、コスト効率が高く、人的に集中的なPGMとテストの工程が完了するとほとんど補修を必要としない。
・MMの最も良いと特徴はさまざまな市場におけるスケーラビリティである
MMの主要機能2つ
・在庫管理をして十分な収益性を確保すること
・市場にひっくり返されたりすることを防ぐために情報をトラッキングし応答し続けること
在庫が少なすぎると十分な収益性が確保できないし、在庫がおおすぎるとポジションの清算が即時にできなくなる。

賢くなった今の皆さんには超当たり前のこと。

あ、ここまでまとめてて気づいたこと言っておくとこの本は「○○をする上で超重要なこと」とかタイトル付けといて、上記のようなことを述べてます。当たり前のことをキチンとやっておいてその後の発展があるんで当然ですね。

MMは2種類のリスクがある
・在庫リスク
・逆選択のリスク

在庫リスクは市場が下落した時の損失や在庫を解消するまでの機会損失などがあります。

逆選択リスクは情報を持っているテイカーと取引する場合はMM側が負けることが想定される。いわゆる雑成ならいいんですけど、コスト払ってまで注文したいちゃんとしたテイカーの場合は負けちゃうよって話。

最も単純なMM戦略は常に両側に指値を置き続けるモデル

普通に負けます。自分に有利な指値は約定せずに不利な指値は約定するようにできてます。これは取引所が悪さしてるとかではなく。
これが、「右肩下がりのド点ロジックの売買判断を逆にしたのに勝てない」を生み出す原因です(多分)。

なんでそうなるかは別の機会に話せたらいいな。

ボラティリティ依存のオフセット
・ltpからどれだけ離れたところに注文を置くのかというアイデアの一つとしてボラティリティの関数にするというのがある。
高ボラティリティの市場ではltpから遠い位置にある指値も約定する確率が高くなるし、収益性も上がる
成行注文頻度を関数にしたオフセット
ParlourとSeppi(2008)が指摘してるように指値注文は既存と新規で競合するしすべての指値は成行注文によって約定する。
だから成り行き注文の確率って重要な要因だよね。

この考えは普通に使える。いや今までのも全部使えるんですけど。工夫しがいがある。ここら辺はUKIさんとかがまとめてたMM戦略の論文にも普通にあるやつなんで、読んでください。
AvvelanedaとStoikov(2008)は注文到着率の例を出してるみたいです。

今回はここまで

時間もたったのでこの辺にしておきます。
あー、今回は最後のほうで読み返してても面白い内容が増えてきました。
正直もうちょっとまとめたかったんですけど、そこまで時間をかけるもんでもないし、ここまでにします。
次回は単純在庫モデルの部分が全部終わるといいな。

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