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小説たち

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ニュイの書いた小説達をまとめています。
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2020年2月の記事一覧

想いだした帰り道

「おい、しっかり歩けよ」 久しぶりの高校の同窓会で、 すっかり酔ってしまった松橋を肩で支え…

神様からのプレゼント

「きみの声は、神様からのプレゼントだね」 ガヤガヤと足早に人が通り過ぎるなか、 突然通り…

風になって

目を閉じるといつだって思い出せる。 あのとき、歩いた畦道のようす。 稲穂が揺れて、6月には…

あなたを感じる金曜日

花金というだけあって、居酒屋の店内は騒がしい。 「おう、安武こっちこっち!」 ひとりが手…

燻るたばこの煙

「ただいま」 誰もいない玄関の扉の鍵をガチャリと開け、 家にはいった。 その瞬間モワッとし…

好きになったその日から

「愛してる」 いつものようにゴロゴロしている彼女を、 後ろ手にギュッと抱きしめながら 僕…

もっと

音よりも速く、光よりも速く…!! もっともっともっと! チャリチャリとタイヤの音を鳴らしながら、 全速力で自転車を漕いで、 あいつのもとへ向かった。 息継ぎが上手くできないのも構わず、 坂道を駆け上がり、その足で一気に風を切り急カーブを曲がった。 川沿いの神社を抜け、いつもの畦道を通った。 その景色を横目にみながら もっともっと!もっと! もどかしい気持ちと焦りを前に泣きたくなった。なんであいつに伝えられてないんだろう。 暮れなずむ夕日を背に、全速力で駆け抜け

雨が連れてきた思い出たち

雨が降ると思い出す。 いつだったか彼女は、 雨で曇る窓の外を眺めながら 「雨の雫って素敵よ…

虹が出たことを秘密にしたいときがある。

虹がでたときに時折沸き起こる気持ちを、 小説仕立てにしてみました。 それはいつものように…