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京都・東寺と文覚上人

最近エブリスタという小説サイトで、
京都を歩きながら京都の歴史を振り返る話しを
書いています。

昔、都だった京の歴史はとても奥深いですが
京都に住みながらも、
日常的に歴史のことに触れているわけではないので調べてみると

改めてびっくりさせられる事が多くあります。

特に今は東寺を舞台に小説を書いてることも
あって、東寺について色々調べていましたら、

東寺と文覚上人(もんがくしょうにん)について面白い繋がりが見えてきました。

東寺の再建には、
この文覚上人は切っても切り離せない人なのですが、京の歴史へも大きく貢献された方なので記しておきたいと思います。

794年
京都に平安京が遷都されてから
東寺は京都の王城である大内裏《だいたいり》を守る寺院として崇められてきました。

桓武天皇から嵯峨天皇に交代してからは、
東寺を弘法大師空海に任せ、真言密教の本山として東寺を大切にしてきました。

ところが、平安後期になってくると、
盗賊や平家達が京の街で悪さをし、
武士同士の闘いも増え東寺やその他の寺院は衰退の一途を辿ることになってしまいました。

そんなときに現れたのが、

文覚上人《もんがくしょうにん》そのひとでした。



文覚は平安後期から鎌倉時代前半にかけて
活躍をした僧なのですが、

この人物が東寺の再建に深く関わっているのです。
当時まだ30歳ほどだった文覚上人は、
弘法大師の生まれたところとも言われている神護寺というところで、
荒れた境内や寺院を目の当たりにし、
再建へと乗り出します。
本尊を伽藍(がらん)と言って、
修行僧たちが修行に励むための場所に安置したり、境内の建て直しをはかりました。

しかし復興作業は中々進まず
意を決して文覚上人は、
当時の法皇だった後白河法皇の元へと赴き、

「(寺院再建のため)荘園を寄付して下さいっ!!」と直談判しに行ったらしいです。

確かに千石ほどの価値、
今で言う1億円以上の価値がある荘園を、
寄付してもらうことには大きな意味があったと思います。
しかし自分より下の若僧から
「寄付して下さいっ!」
と言われた後白河法皇は

「はっ?!なんでそなたのような小童に、
ワシが指図されないといけないのだ!」と

今で言う激おこプンプン丸…
ようするに逆鱗に触れてしまいます。

そして伊豆に島流しにされてしまうのでありました。

その伊豆への島流し、
一見文覚上人は終わったかのように思えたのですが神は見捨てていなかった!

そこにこんな物語が隠れていたのです。

伊豆の島流し、そこで待っていたのは当時平治の合戦で戦いに敗れ島流しにされていた源頼朝でした。

こうして源頼朝と文覚上人は出会いました。

そう運命の出会いです。
源頼朝はのちに1192年 鎌倉幕府を築く人物です。

当時、京都の街でも平家のものが悪さをして暴れ回っていたこともあり、

源頼朝は京の様子を文覚上人に尋ねたのだと思います。
そんな中平家を倒すためには、
源家が一丸とならなければならない

そう熱く語った源頼朝は文覚上人に、
当時信濃にいた従兄弟の木曽義仲のところに
使いに行くよう頼みます。

「もしうまくいったら寺院の再建は
好きなだけさせたるからな」

もしかしたら、こう言ったのかもしれません。

その当時、源頼朝と木曽義仲は決して仲が良いとは言えませんでした。

木曽義仲のお父さんは源義賢と言って
本当は源家のれっきとした武士でした。

しかし、義賢は実の兄との対立によって
兄の長男・義平に殺されてしまいます。

当時まだ2歳だった義仲は、
武士たちの計らいで元々は乳母の夫だった木曽家に流されてしまうのでした。

そこから義仲は木曽義仲として生きていくことになります。
時が過ぎ、
後白河法皇の第三皇子・以仁王(もちひとおう)の命により平家を討伐するために、
木曽義仲は挙兵をすることになります。

しかし以仁王は平家を討伐するために計画を練っていましたが、その計画がどこかから漏れて
未遂に終わってしまい、幽閉の末結局死んでしまいます。

その以仁王の遺児・北陸宮を預かることになった木曽義仲は平家からも源家からも疎まれてしまいます。

しかし、平家を倒すには木曽義仲の力は必要。
そこで文覚上人は木曽義仲のところまで出向いて平家のことや団結しなければ行けないことを説いたのだと言われています。

その結果、壇ノ浦の戦いで見事に勝利した
源頼朝は約束通り
文覚上人を寵愛し、後白河法皇の庇護も味方に
東寺などの寺院復興に協力したといいます。

源頼朝と木曽義仲については、
この後さらなる闘いが待っているのですが、
それはまたの機会に…

to be continueです!

#京都 #歴史 #東寺


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