一泊二日で長崎に行ってきた。その話をする。

俺が無職になったら会いに行くと約束をしていた友人に会いに行ったのだ。

出発の朝は雨が降っていた。

バイクで行くつもりだったので「どうしたものかな〜」などと思いながらスマホの天気予報アプリを開くと、わりとすぐに止みそうだったので少し待つことにした。

予報通り雨はすぐに止んだ。天気予報の精度は素晴らしい。そのまま晴れてくれることを祈りながら、俺はバイクにまたがり出発した。

約一時間後、引き返すにも引き返せないくらい走った頃、俺はレインウェアが全く役に立たないほどの豪雨の中をビッチャビチャになりながらバイクを走らせていた。

全身グッショグショのビッチャビチャになった。水中かよってくらい濡れた。水中かよ。

雨が弱くなってきた頃、このままでは死ぬと思い、その場から一番近い温泉に転がり込んだ。

温泉で体を温めて服を着替え、食堂でカレーを食べながら「こういうアクシデントもバイク旅っぽくていいじゃないの」などと思っていた。この時はまだそう思っていた。

近くのコインランドリーでビッチャビチャの服を洗濯した。

俺が使っていた乾燥機が終了アラームをピーピー鳴らすと同時に3~4歳くらいの知らない女の子が乾燥機に駆け寄っていって「終わりましたー！終わりましたよー！！」と叫びだしたので、親切心は買うが頼むからやめてくれと思った。

再出発してしばらく走った頃、俺は交差点で婆さんが運転する軽トラと衝突した。

婆さんの軽トラのバンパーは剥がれ、俺のバイクは倒れ、もちろん俺も倒れた。

運が悪いやら運がいいやら。そこかしこ痛かったものの骨一本折れておらず、出血すらなかった。なお婆さんは完全に無傷だった。

後ろを走ってた親切な知らない人が警察と救急車を呼んでくれた。ありがとう知らない人。

すぐに警察が来てなんやかんや婆さんと俺から話を聞いた後、少し間をおいて救急車が来た。

俺は痛みはあるものの怪我人らしいわかりやすい怪我が一切ないので、なんだか申し訳ない顔をしながら救急車に乗せられた。

20分ほど申し訳なさそうな顔をしていたら病院に着いた。

動かさなければそれほど痛くないし、あざになっているわけでもないので診察は10分もせずに終わった。なんで運ばれてきたんだお前って顔されたが本当にその通りで、本当に申し訳ないと思った。後日なんかあったら病院に行くように言われ、帰された。

バイクは保険のロードサービスで家近くのバイク屋まで運んでもらった。入っててよかった任意保険。

病院から出たものの帰るに帰れないのでそのまま電車で長崎の友人宅まで向かった。

事故にあった話で酒がすすみ、アホみたいに飲んだ。アホみたいに酔い、他の友人にラインのグループ通話を仕掛けてシラフの相手に向かって酔っ払った二人で酔っ払った人間がするような話をまくしたてた。申し訳ないことをした。

その晩ゲーゲー吐いた。多分事故のせいではなく飲みすぎたせいだ。

翌朝、もう胃の中に吐くものがないのに吐き気だけがあり、何かしらの液体をゲーゲー吐いていた。不幸中の幸いか頭痛はなかった。

帰りに、駅ビルの薬局で胃薬的なのを買いその場で飲んだ。

薬が悪かったのか何なのかわからないが、10歩と歩かないうちに強烈な吐き気に襲われて、薬局の隣のめちゃめちゃおしゃれなアクセサリーショップの前で飲んだばかりの胃薬的なのまじりの水を吐いた。

申し訳なさそうな顔をしながらゲーゲー吐いた。

吐いて少し楽になったので、一応は胃薬的なのも本来の役割を果たしたといえる。釈然としないが。

めちゃめちゃおしゃれなアクセサリーショップのおしゃれな人がおしゃれなティッシュをくれた。本当にありがたかったし申し訳なかった。今度行ったら何か買い物する。

その後何とか福岡まで帰り、今この文を打っている。忘れられない長崎旅行になった。

じゃあ俺は今からエグゼイドの最終回とキュウレンジャーを見る。