【経済産業省に実際に聞いた】レーザーポインターの基本知識【刑事罰もある!】

この記事を読んだら
・使用可能なレーザーの出力レベル
・売買時の刑事罰の可能性
・レーザーの危険性
・レーザーの規制範囲内での使用
・レーザーサイトと赤外線ライトの違い
がわかるようになります

皆さんこんにちは!楽しくサバゲーやってますか?
[O2TACTICAL]中の人マツです

レーザーってカッコいいよね!
軍隊の訓練映像やミリタリー映画などで良く見るPEQ、同じ様にサバゲーで活用してみたい方も多いのではないでしょうか?

経済産業省に確認をした所、個人で保有・個人で使用する分には問題ないという事でした。
ただし!実は知らないと、賠償責任を負ったり刑事罰になる事も・・・

本日はそんな魅力的だけど、使用等に注意が必要なレーザーについて話していこうと思います。


それでは本題に行きましょう!

はじめに

この記事を作成するにあたって、経済産業省への問い合わせ・経済産業省からの情報を元に情報収集、資料作成を行っております。
専門の方が見た時に間違っている部分がありましたらご連絡を頂けると幸いです。
また、この記事はレーザーポインターの安全面を担保する為の物ではありません。サバゲーで使用する場合は、フィールドのレギュレーションに準じてお楽しみください。

1.レーザーって何?

ここはサクッと行きましょう。
基本的には、レーザーというのは可視光線と不可視光線に分かれており、
・可視光線とは一般的に皆さんが想像するレーザーポインター(授業などに使われるヤーツ)
・不可視光線とは紫外線や赤外線などになります(レントゲンや太陽光など)
違いは読んで字の如く、「色が見えるか見えないか」の違いだと思ってもらって大丈夫です。
基本的にはこの記事のレーザーとは「可視光線」の事とし話を進めていきます。不可視光線の事は赤外線(IR)レーザーと記述しています。

1-1.実際に映画の様に目で視認できる?

ミリタリー映画でレーザーが使われるシーン、レーザーの線が見えててカッコいいんですよねー!レーザーを使用して、さながらの気分を味わいたくのもわかります。
でもちょっと待ってください?映画のシーンでレーザーが使われているのって殆どが夜か屋内じゃないですか?暗かったら見える?そういうわけではないんです。
レーザーの線が見えるためには
(1) 線に光を散乱する物質があり
(2) 散乱された光が周囲の光(環境光)に対して十分明るい
という二つの条件が成り立たなければなりません。
(1)の役割をするのは空気中の分子(特に水蒸気)や埃です 。
(2)は、光の通る場所と通ってない場所の境界が明瞭かどうかで決まります。レーザー光の場合、細く絞られた平行光線で、かつ夜や暗い室内などで見ることが多いので(2)の条件が良く、環境光とのコントラストが高いのでレーザーの線が見えやすくなります。

上記の事を踏まえると基本的に朝~夕の屋外ではほぼレーザーは見えないと思ってもらっていいでしょう。使える場所と時間が限られているということですね。

1-2.レーザーポインターの使用は違法?

結論から言いますと、サバゲー時におけるレーザーポインターの所持・使用は違法ではありません。
しかし、レーザーポインターは使用方法によっては人を傷つける事があります。
レーザーポイントを使用したことによって第三者に被害が出た場合、法人が追うレベルの責任を個人が追う可能性も…

・その他、刑事罰になる可能性もあるので、注意して頂きたい箇所
➡詳しくは3.売買時の注意点に記載

2.レーザーの規制

日本で規制されているクラス

レーザーは強さによって5段階のクラスに分類されます。

5段階のクラス表 引用:hikarivip

日本において、規制の対象外となるのはクラス2以下の物です。
クラス3以上のアイテムは、製造販売・輸入販売共に法令によって禁止されています。
クラス1~クラス2は1mw(ミリワット)未満の出力であり、直視は問題ないとされていますが、目に対してのダメージが0とは限りませんので注意が必要です。しかし、クラス3A~クラス4には人体への影響の可能性が大いにあります。そのような製品は日本国内では製造販売はおろか、輸入販売も禁止されています。

えっ!俺の持っているレーザーは何ミリワットなんだろう!?とおもったそこのあなた!ご安心下さい。
目次の1-2で記載している通り、個人で所有する「だけ」の場合は法令違反となりませんよ(*'▽')

➡注意点:ボタンを押している状態のみではなく、ボタンから指を離してもレーザーが放出される、放出維持機能が付いたレーザーポインターは出力が1mw以下であってもクラス3に分類される可能性あり。不安な方は経済産業省に問い合わせした方がいいかもしれません


2-1.規制が始まったのはいつ?

乾電池駆動式の携帯用レーザーポインターは、2001年の法改正によって、消費生活用製品安全法に係わる特別特定製品「携帯用レーザー応用装置」として法規制の対象になりました。
これにより、レーザー製品の製造・輸入事業者は、技術上の基準に適合する製品を製造又は輸入することを義務づけられました。

2-2.なぜ規制されたの?

レーザーポインターを含む「携帯用レーザー応用装置」 は、 過去に、レーザー 光線が目に入ったことにより、 網膜の損傷を生じ、視力の低下が生じた等の事故が 起こったことから、 消費生活用製品安全法の特定製品として規制されています

3.売買時の注意点←刑事罰関連

上記の点を踏まえて、注意して頂きたいのが個人間売買です。
今はフリマサイトやオークションサイトが身近なものとなり、ミリタリーアイテムも多く出品されています。
よくよく確認してみると、「レーザー機能付き」という説明の元、販売されてる方も多くいます。
が、本当にその商品は「売って」大丈夫でしょうか?
目次の2.レーザーの規制に記載している通り、日本において、販売時の規制の対象外となるのはクラス2以下の物です。(ただし、PSCマークの記載が必要➡詳しくは目次4-2のPSCマーク)
クラス3以上のアイテムは、製造販売・輸入販売共に法令によって禁止されています。
クラス3以上のアイテムは「販売行為自体」が禁止されています。(譲渡もNGです。実際に経済産業省に確認)
Made in Japanのレーザーサイトは少なく(私が知ってる限りでは0)市場に出回っている殆どのレーザーサイトは海外製です。
日本の規制よりも緩い国が、国内向けに作ったレーザーサイトはクラス2以下とは限りません。むしろ、実用性に優れない弱いレーザーサイトにするメリットもないので、クラス3以上になる可能性も高いでしょう。

クラス3以上の出力レーザー機能付きデバイスを販売すると、法令違反となり、違反をすると罰則があります。(一年以下の懲役、または100万円以下の罰金、又は両方)
実際に、刑事罰になり罰則を受けた方もいるみたいなので、出力レベルのわからないレーザーデバイスを持っている方は、間違っても販売しないように気を付けてくださいね。

4.レーザーの危険性

レーザーの危険性について、軽くご紹介します。

映像を見て頂ければ、強いレーザーは使い方によっては非常に危険だという事がわかると思います。
こんな強いレーザーで人を狙ったら、BB弾でなくても人に穴を開けれそうですね・・・汗
50mw以上のレーザーポインターはマッチに火をつける事が可能。
80mw~100mwのグリーンレーザーポインターは1秒以内にマッチに点火できます。
グリーンレーザーもレッドレーザーも200mw出力パワーであれば、焦点でタバコに点火できます。

4-1.失明の恐れ

上記の映像はかなり強いレーザーでした。少なくとも50wm以上の出力があると考えられます。
日本がレーザーを規制した理由として、視力の低下が挙げられてます。
目次の2.レーザーの規制にあります、1mw~20mwのクラス3Aでも、まばたきをせずにレーザーを直視すると視力低下に繋がる可能性が高いです。
クラス3B以上となると目に照準が当たった際、まばたきでも逃れられないダメージを受ける事となります。
クラス4以上になると想像したくもありませんね。
たとえお持ちのアイテムがクラス2だったとしても、安全面を考慮してレーザーを目に向ける事だけは注意して頂きたいと思います。

4-2.日本が安全だと認めた商品の見分け方

PSCマーク

日本には色々な法令がありますが、レーザーに関しては消費生活用製品安全法という法令が適用されます。
この、法令を遵守した商品に付けられるマークが「PSCマーク」というものです。
レーザーがでる商品を売るには絶対にこのPSCマークの記載が必要となります。
目次の3.売買時の注意点にも記述してますが、PSCマークがないレーザーデバイスは販売禁止となっています。

PSCマーク
引用:経済産業省リーフレット

このPSCマークを一つの判断基準としてもいいとは思いますが、注意点を述べておきます。
※注意点
PSCマークは後からシールを張り付けて完成させます。中にはPSCマークだけ売っている業者もあり、国への届け出や検査の義務を行っていないにも関わらず、PSCマークの貼り付けを行い販売する悪徳業者がいる可能性があります。そういった場合でも販売時に法令違反となる可能性もありますのでご注意ください。


5.赤外線(IR)レーザーとの違いは?

レーザーポインターの取り扱いに注意が必要なことは理解して頂けたでしょうか?
次は赤外線(IR)レーザーについてです。
レーザーポインターと赤外線(IR)レーザーの違いをもう一度おさらいしましょう。

・可視光線とは一般的に皆さんが想像するレーザーポインター(授業などに使われるヤーツ)
・不可視光線とは紫外線や赤外線などになります(レントゲンや太陽光など)
違いは読んで字の如く、「色が見えるか見えないか」の違いだと思ってもらって大丈夫です。


同じ「レーザー」という名前が付いていますが赤外線(IR)レーザーは規制や人への影響は大丈夫なのでしょうか?

結論:現状、目に見えない赤外線(IR)レーザーは規制の対象ではなく、PSCマーク等の記載も必要ありません。
人への影響もレーザーポインターほどの害はなく、経済産業省も現在は規制していないとの事。


5-1.赤外線(IR)レーザーは多少なりとも目に悪い?

赤外光を肉眼で見ようとしても、その光は網膜に到達せず、角膜と水晶体によって大部分が吸収されるようです 。そのため、赤外線レーザーは目で見ることができず、網膜に損傷を与えることがないとされています。
ただし、目に被害を及ぼす可能性はまったくのゼロというわけでもありません。
角膜と水晶体によって強く吸収される光の波長は1,400nmより長い波長の光です。そのため、赤外線レーザーの中でも780〜1,400nmの波長の光(近赤外光)は網膜に損傷を与えるおそれがあります。
網膜の損傷は治癒することがなく、失明を引き起こす可能性があるため、取り扱いには充分注意が必要です。
また、1,400nmより長い波長の光は、網膜に損傷を及ぼすことはありませんが、角膜の外層に吸収されることにより角膜損傷を引き起こすおそれもあります。
網膜の損傷とは違って角膜の損傷は治癒しますが、強い痛みをともなうと言われているため、やはり赤外線レーザーを直接見ることがないよう注意が必要です。

レーザーポインター同様、赤外線(IR)レーザーも多少は目に影響があります。レーザーポインター同様、取り扱いには十分注意してくださいね。

まとめ

説明が長くなりましたがレーザーポインターについて少しでも理解できましたでしょうか?かっこいい反面、危険性もあるという事を理解して欲しくこのような文章を作成しました。
知らぬうちに周りに危険を及ぼしてる可能性もあります。
事故が起きてから知識を入れてもダメージを受けた目は戻りません。
サバゲーは紳士なスポーツです!人を守る為にも、自分を守る為にも、そして皆が気持ちよくプレイしていくためにも、デバイスの操作・危険性を理解して使用していただきたいと思います。
決して使うなというわけでなく、正しくカッコよく使いましょう!

他にも質問や、取り上げて欲しい内容があったら是非TwitterかLINEにてご連絡下さいね!


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