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スピンオフ!反江古田観測日誌Vol.12 「X日ぶりに出勤した日のはなし」

江古田を書くには、他を知る必要がある

この日誌は、緊急事態宣言発令により私の江古田時間が増えたことに比例して投稿が多くなっている。以下は2020年の東京の備忘録としたい。

25日ぶりに電車に乗って会社に出勤した日のメモ。だから江古田の話ではない。それで「江古田観測日誌」としてみた。これも広くみたら「江古田観測」の一環である。そのココロは見出しの通り。

AM6:00

5月1日、月初につき、紙で到着する請求書処理のため出勤。
AM6:XX発電車。ほどほどに人が乗っている。自分と同じ「月初組」なのか普段もこうなのかは分からない。

AM7:00

会社着。誰もいない。掃除のおじさんは誰もいないオフィスを毎日掃除しているもよう。

AM11:00

会社の家賃は総務の私が処理をしている。誰も来ないオフィスに支払われる額…なんて話を昨今方々で聞くけれども…(オフィス不要説)。けれどもですよ…な額である。私の年収○年分=1か月家賃。でも年収を懸ければ、あたしだってこのオフィスを数日占拠することだってできるんだもん?!

0:00

下調べしてきた本を探しに近くの大型書店へ。在庫検索機使用不可。店員さんに聞く。この間5分(勝手な体感)が異常に長く感じられイライラする。在庫はあるのに?!「地下1階が閉鎖中のためありません」と言われ更にイラっとするが、深呼吸して帰社。私の聞きまちがいかもしれない。

会社の備蓄品の非常食ビスコ(段ボール1箱)の賞味期限が今月末だったので(こういうチェックは怠らない)、上司に言って「開放」。この時は3枚をおやつとして。この日いちばん周り(4名)が盛り上がった瞬間。ビスコは偉大だ。

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PM3:00

午前中からここまで、紙&ダウンロードデータ両方の請求書をPDFファイル添付して申請(・・・紙→神、申請→神聖と誤変換。なにそれ)。面倒しかない。

3時過ぎに書留を頼まれ急いで郵便局に行く。んが!この緊急時、3時終業。2件はしごするも閉まっている。仕方なく片道15分以上かけて大型郵便局へ。このとき昼間の本屋への怒りやら何やらが吹き出しマスクの下で吠えまくって横断歩道を渡った「くそっ!くそっ、ふざーけんな!」(どこにこんな怒りを貯めてたんだろう…)

3時40分到着(終わりは4時)。ギリギリ間に合った。郵便局内は、ソーシャルディスタンスの保たれた椅子配置。!!!予想はしていたが月初ゆえ手提げ・段ボールを提げて大量発送準備の会社員もチラホラ。

PM4:00

すでに退社予定時刻を過ぎているが (時差出勤)更に郵便を頼まれる。

「え?さっき行きましたけど」←一刻も早く帰りたい。

「ひとこと聞いてくれたら…」

はぁ~~?!!!と思って、大げさに机に突っ伏して泣くふりをした。これぐらいが「抗議の限度」だろう…

…って何の?!そう何の限度なの~?????

もお「江古田観測日誌」を日々つづるおだやかな私なんてどこにもいない…。会社にくれば瞬時に「会社員仮面」をスチャッと…もうそれは息を吸うかのごとく自然に装着する自分がイヤだ。ってか、それをうすうす朝から感じていて「従順な会社員のわたくし仮面」が25日ぶりでもブレなく起動することに驚いた…「アフターコロナ」とか夢語ってるバヤイじゃない。…いや語ってる場合。ほんと、この大事な変換期を無にしない、絶対!と宣言。

PM5:00

終業。どうしても昼間探した本が気になり、表参道で途中下車して「青山ブックセンター」へ。このスパイラルビル前から青山ブックセンターあたりは、3.11のときも歩いて帰った道。再びこの「緊急事態時」に「定点観測」する場になって不思議だ。ちなみにこの246沿いは生活者が豊富に?歩いていてびっくりした。住民然としている。紀ノ国屋スーパーなんて入場制限で外まで列が出来ていた。青山に人が住んでいるのは都市伝説じゃなかった。

PM6:00前

「青山ブックセンター」にて難なく欲しい本、調達(だいたい予想した棚にありすぐ見つかった)。レジ脇にある「花椿」(資生堂の広報誌)と「ちい告#冬号」というフリペを入手。

「花椿」2020年夏秋号/特集GINZA STORIES 。何もわるくないけれど、今年の夏秋こんな光景にまみえるとは思えない。「ちい告」は冬号。季節も気分もいろんなものが混在している…。ビフォーコロナって感じの広告と「三密回避」の駅貼りポスターが共存していて、その制作温度の違いにザワッとする…こういう観測の手ざわりは忘れたくない。

「クレヨンハウス」でこれまた近所ではどうしても手に入らない「ココナッツフレーク」が欲しくなってギリギリ入店して購入。なんだかこの買い物さもしかろうか…?どっちにしても青山ブックセンターもクレヨンハウスも混んでなくて、その混んでない感じが逆にまっとうな気がした。閑散としているわけでもなく静かな熱が立ち込めている気配の店はいい。へんにフィーバーなスーパーの買い物はこの時期避けたいから時間も場所も戦略をたてているつもりだ。そういうのが「自分サイズ(一人暮らしサイズのはなしVol.9参照)」でもある。

日暮れ前

帰りは表参道駅からでなく、交差点を曲がって明治神宮前駅を利用することにした。こっち(表参道)は246側と違ってほんとうに人がいない。お店も閉まっているし(表参道ヒルズやハイブランド)。ラフォーレ前の交差点を渡るときに背後の大スクリーンから「東京都知事の小池百合子です」と都民の更なる協力要請を乞う公共放送が流れてきた。この瞬間がなんだか世紀末の映画だった。人のいない交差点+大画面の「緊急事態宣言」放送の組み合わせがそう感じさせる。3.11の246沿いは、物凄い人の頭!頭!頭!!(歩いて帰ろうとする人渋滞で道路まで人が溢れている)で、この時も「映画みたいだ(作り物感・ある種FAKE感)」と思った。この「映画みたいだ感」は震災につづき人生2度目だと思う。

帰宅電車はラッシュ時と重なって満席で間隔を空けて座るなんてできなかった。ふつう過ぎて気持ち悪いくらい「月初」な感じの車内だった。

PM6:30

帰宅。すぐにZOOMで初めて打ち合わせ(プライベート)をした。我が家の環境では思うようにできないんだな…(その点、会社貸与のPCとモバイルルータは優秀だ)。「デジタル格差」なんてフレーズを見てしまった後では、なんだかニガイ気持ち。

だから…?!

夕飯をまともにゆっくり食べられないままで、一日やたらと動いて、昼間からの気持ちも精算できなくてくたびれたのか…?夜に会社から持ってきた非常食ビスコ5袋ドカ食いした(3枚×5袋)。飲み物を飲まずに食べた乾燥したビスコは私の上あごを直撃。上あごがいたい。翌朝も胃にビスコが残っている…。そんなゴールデンウィーク1日目なんである。



表:書いたもので「恥ずかしさの先頭に立つ!」 裏:読んだあとに「なんとはなしにおしゃべりしたりお散歩したくなるような…」そんな”かの地”まで帆走おねがいします。