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【セルフインタビュー】大成海が語る、オクノ修さんに出会えた話

京都に住む大学生の大成海はこの頃、オクノ修さん(六曜社珈琲店地下店店主・シンガーソングライターとしても長く活動)の曲を習得しては自身のSNSに投稿している。なぜ今、22歳の彼が、オクノさんの歌を弾き、歌うのだろうか。果たして彼はオクノさんにどのように出会ったのか。その真意に迫るべく、自身によるセルフインタビューを敢行いたしました。(聞き手・編集:大成海)


ーー最近、オクノ修さんの曲を練習されていると聞きましたが。

大成:そうなんです。今は「夜がそこまで」「ダーティ・オールド・タウン」「フィッシング・ブルース」の3曲です。いずれは『帰ろう』のアルバム全部を習得して、勝手にアルバム丸ごとライブとかもやってみたいんですけどね(笑)。

ーーそれいいですね(笑)。そもそも、オクノさんの存在はどのように知ったのですか?

大成:確か、僕が大学1年生の冬に六曜社珈琲店という喫茶店に入ったんです。大学の先輩に教えてもらいました。六曜社はおそらく、これまでに初めてひとりで入った喫茶店だと思います。それで六曜社に通うようになりました。それから半年後くらいに、『喫茶の一族』(京阪神エルマガジン社、2020年)という本が出て。京都新聞の記者が六曜社の歴史を聞き書きした本なんですけど、これは!と思って貪るように読んだんですよね。その本で修さんのことを知りました。

ーーオクノさんとの出会いは『喫茶の一族』だったのですね!

大成:そうなんです。それで2020年の秋頃に『喫茶の一族』発刊記念イベントが誠光社という本屋で行われて。店主の堀部さんが修さんにインタビューをして、書籍の内容をさらに掘り下げる。その様子がオンラインで配信されるイベントで、僕は家でそれを見ていました。ちなみに会場は誠光社だったんですけど、チケットの販売とか配信とかの運営は、とある出版社がしていたみたいで。その頃、僕はお客として誠光社を何度か訪れたことがあったので、堀部さんのことは存じ上げていました。その頃の僕に、2年後にはその出版社でも誠光社でも働いてることを伝えてあげたいですね(笑)。

ーー素敵な出会いですね。それはまだ2年以上も前の話ですよね。

大成:そうです。それから、とあるご縁で修さんへのインタビューの文字起こしをやらせてもらったりして、僕が勝手に修さんに憧れを抱いてました。それから時間が経って、誠光社で店番をするようになり、堀部さんにかもがわカフェに連れて行ってもらった時にたまたま修さんとお会いしました。ずっと憧れていた人だったので、緊張でハイボールを2杯飲んじゃいました(笑)。

ーーおかわりしちゃったんですね(笑)。

大成:それからかもカフェで何度かお会いするようになって。で、2022年の春から2か月ほど映画『逆光』の宣伝活動をしていたんです。監督の須藤蓮くんも昔から修さんの大ファンで。それはもう。京都の大人に哲学を教えてもらう『センス・オブ・ワンダー』というドキュメンタリーを蓮くんが作っているんですけど、それにももちろん修さんは出演されているし、劇中歌として「夜がそこまで」を使っているほどのファンで。『逆光』チームでかもカフェに遊びに行った時に何度か修さんにもお会いして、それでかもカフェで修さん・蓮くんの対談&修さんのライブというイベントを開催できたんです。そこで初めて修さんの歌をリアルで聴きました。

ーーそのイベント僕も行きました!

大成:ま、そりゃ聞き手も大成ですからね。

ーー確か、そのイベントのフライヤーは大成さんが初めてデザインされたものですよね。

大成:そうです。ちょうどその頃AdobeのIllustratorを使い始めて。イラストは『逆光』のみーこ役の木越明さんに描いてもらって。一緒にセブンのコピー機で印刷したのを思い出しますね。そう。ちょうど六曜社で『逆光』のイベントをする前に河原町三条のセブンでコピーしたんですよ。そのイベントは、六曜社を貸し切って、昭和の喫茶店を体験するというイベントだったんですけど、僕は地下店のカウンターに入ってBGMのレコードをかけてました。みんなから「ニセ奥野さん」なんて呼ばれて気持ちがよかったです(笑)

ーーそれでは『逆光』がきっかけでオクノさんにも近づけたということですね。ちなみに、六曜社にはよく行くんですか?

大成:2週間に1回くらいは行ってると思います。地下店は禁煙だから1階の奥野薫平さん(修さんの息子さん)のお店に行くことが多いんですよ。あと、当然ですけど、かもカフェでお酒を飲んでる時の修さんと、六曜社に立たれている時の修さんは全然違う気がして。六曜社の地下店に入るのは緊張しちゃってなかなか……。

ーー確かに。六曜社に行けば誰でもいつでも奥野修さんにお会いできるけど、オクノ修さんにはなかなか会えないみたいなのは面白いですよね。

大成:そうなんです。12月7日に京大吉田寮の食堂で修さんのライブがあって、それに行ったんです。年齢とか体調の不安とかを全く感じさせない演奏で、さすがはプロだなと感激しました。あと、修さんの演奏と語りを撮ったドキュメンタリーが京都文化博物館のフィルムシアターで上映されたのを観に行ったり、とある飲み屋で修さんの古希のお祝いパーティーがあったりで、最近は修さんの歌に触れる機会が多くて、僕も弾きたいな、歌いたいなと思って耳コピに挑戦して修さんの曲をコピーしているんです。

ーーなんだか楽しそうですね。

大成:修さんの曲はジャカジャカとストロークするよりも、指を巧みに使ってポロポロ弾く、軽やかでテクニカルな曲が多くて。ギターの練習にもなるし、なにより弾いていて楽しいんです。というのも、僕はピックを使わずに指でギターを弾くのが得意で。もともとはモテたくて中学の頃にギターを始めたんですけど、父親の影響で長渕とか浜田省吾の曲をやることが多くて。それで長渕の指弾きを練習しては高校の軽音部のライブで披露していると、多少は上達する反面、モテることからどんどん遠ざかっていきました(笑)

ーーそれはもどかしい問題ですね。今習得しているオクノさんの曲はどこかで披露する予定があるのですか?

大成:そうですね。今年の大晦日に出町柳のs.o.uというカフェバーで年越イベントがあって、そこでライブとDJをする予定なんです。そこで修さんの曲を3曲ほどやろうと思っています。ぜひ来てください。

ーー楽しみにしてます。

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