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【配信を拝診⑫】女ではなく戦士として認められたいがゆえに挑む"試練の狩り" ... 絶対的な力を持つ捕食者に知略で立ち向かうケレン味溢れるバトルアクションが炸裂!! Disney+独占配信映画『プレデター:ザ・プレイ』

 結論から言おう!!・・・・・・こんにちは。(。・ω・)
 鵜島仁文さんといえば、『FLYING IN THE SKY』と『Trust You Forever』、そして『BACK TO THE GROUND』も…、なO次郎です。

件の『BACK TO THE GROUND』が主題歌に採用されてた『H2』。
たしか『魔法陣グルグル』の前の時間帯に放送されてたなぁ。
グルグルは"ラスボス手前でレベルが低いのに気付いてレベル上げに引き返す"みたいなトンデモな最終回だったけど、コッチもコッチで連載に追いつくまでもなく中途半端に終わってたような…。

 今回は今月初からディズニープラスで独占配信開始となった映画『プレデター:ザ・プレイ』です。
 これまでの『プレデター』シリーズはその時点での現代かもしくは未来が舞台でしたが、本作は18世紀初頭の狩猟部族とプレデターとの闘いがテーマ。
 現代人ですら未来兵装にしこたま追いつめられてたのに原始的な武器だけでどう立ち向かうのかという無理ゲー感満載な設定に見えましたが、なかなかどうして他時代の主人公たちに負けない死闘を繰り広げてくれ、正味90分ほどの尺の中に主人公の葛藤と屈折のドラマもきちんと盛り込んでくれています。
 ちなみに『プレデター』シリーズとしては本作で5作目ですが、『AVP(エイリアンVSプレデター)』シリーズ2本も含めて鑑賞済みですので、それらの話も適宜引き合いに出しつつ語ろうと存じます。ネタバレ含みますので予めご了承をば。
 それでは・・・・・・・・・・・・・・石・破・天・驚・拳!!

"数あるガンダム作品の中でも異端中の異端作"とされる『機動武闘伝Gガンダム』ですが、
個人的に初めてリアルタイムで観たTVシリーズのガンダムがコレなので違和感も何も、というか。
同時期にSDサイズでRPGテイストにされてる騎士ガンダムの作品とかもあったしなぁ。
スパロボシリーズだとBGMが『FLYING IN THE SKY』と
我が心 明鏡止水~されどこの掌は烈火の如く』ばっかりで
個人的に一番好きな『Trust You Forever』があまり採用されてないのが玉にキズ。

※この度の訃報を聞いて過去楽曲を振り返らせていただきましたが、非タイアップのシングル曲の中では『紙飛行機』も素敵ですね。プロデューサー業に移行する前の最後の作品とのことですが、この透明感がどことなくEins:Vierを彷彿とさせるような・・・。
ともあれ、謹んでご冥福をお祈りいたします。



Ⅰ. 作品概要

 シリーズの時系列からすると本作が一番古い時代の出来事となり、

『プレデター:ザ・プレイ』(2022) - 1719年・グレートプレーンズ
プレデター』(1987)       - 1987年・中央アメリカ
プレデター2』(1990)        - 1997年・ロサンゼルス
ザ・プレデター』(2018)                - 2018年・アメリカ各地
プレデターズ』(2010)      - 未来・他惑星

ということのようです。『AVP』シリーズはスピンオフなので正史には含まれないとのことで、こうみると狩場はほぼアメリカばっかりなのね…。
 
 男は狩りで食料を捕り、女は衣・住を担う男尊女卑のコマンチ族のコミュニティーの中で誰よりも自尊心の強い少女が周囲に認められようと女だてらに"試練の狩り"に挑み、正体不明の怪物に仲間を蹂躙される極限状況の中でそのサバイバル能力を開花させていくアクションスリラー。

遊牧民、とりわけモンゴルでは特に古くは女性の地位が高かったと聞きますが、
インディアン系のコマンチ族がテーマの本作では女性は"飯炊き"として下に見られているようで。


 監督のダン=トラクテンバーグは長編映画としては本作が二本目で、前作は『10 クローバーフィールド・レーン』。

『10 クローバーフィールド・レーン』(2016)
有毒物質で汚染されている地上を他所に地下のシェルターでの3人だけでの生活。
命の恩人が実は身勝手な殺人者であるかもしれないという疑惑と、
彼が普段は紳士的ながらもその言動に疑義を差し挟むと激高しだすストレス描写とサスペンス展開が見もののシチュエーションスリラー。
疑惑の巨漢を演じるジョン=グッドマンの圧力が観ているこちら側にも伝わってきてしんどい…。
ブラック・ミラー』(2011~)
新しいテクノロジーが齎す不気味な社会変化のダークアンソロジーのイギリスTVドラマシリーズ。
日本でいうと『世にも奇妙な物語』や星新一さんのショートショート、
渡辺浩弐さんの『ゲームキッズ』シリーズみたいなもんでしょうか。
ダン=トラテンバーグはシーズン3・第2話「拡張現実ゲーム」を監督。

 特に『10クローバー~』と比べると、"抑圧された状況下の女性が尋常でない妨害・困難に見舞われながら自らの機知で活路を見出す"というカタルシス的な作劇は共通しているように思います。
 両作ともモンスターが出現するSF映画ではありますが、その根底には"とある女性の自立"というテーマが有り、その成長に観客が感情移入する形で盛り上がり、アクションはあくまでその成長を演出するための二次作用なのがユニーク且つ巧いところです。


Ⅱ. キャストだったり見どころだったり

 主演のアンバー=ミッドサンダーは実際のネイティブ・アメリカンの女優で、テレビで地道にキャリアを積みつつ映画は国外でも公開されている作品がチラホラ有りつつ、近年のアクション作品としてはコチラ。

我らがリーアム=ニーソン主演作アイス・ロード』(2021)
鉱山の爆発事故で閉じ込められた作業員救出のために凍結した湖を突っ切るという
恐怖の報酬』を彷彿とさせるような狂ったドライバー一行の紅一点タントゥを演じる。
画的なスリルとニーソンの安定感は良いものの、展開に捻りがもうちょっと足らずで・・・。

 美貌云々よりも「自分の有能さを示したい」「男社会の中でも自分の地位を確立したい」というまるで思春期のティーンエイジャーのような血気盛んな意志の強さがキャラクターに見事にマッチしており、ついつい応援したくなるのがなんともニクいところです。

戦士の隈取りも一作目のシュワちゃんを彷彿とさせて実に良い。
如何にもモデル然とした美女を起用されるとあまりにもリアリティーに欠けるし、
かといってあまりにもアマゾネスアマゾネスしたビジュアルだとキャラクターに合わないしで、
まさにナイスキャスティング。
エイリアンズVSプレデター』でのサナ=レイサン
まさしくアマゾネスって感じの女傑。
本作ではそれ以前の少女の未熟さも有るわけで、それに鑑みても良いキャスティングでした。


 序盤、自らを戦士として認めてもらうためのライオンをターゲットとした"試練の狩り"に赴きますが、女だからと軽んじられつつも、優秀な戦士である兄のタアベの推挙、そして既に認められている薬学と獣の行動学の知識を活用してその機会を得るところがコマンチ族内での自己プロデュースの描写としてなかなか上手いところです。


腕力の無さを持ち前の機転と知識でカバー、という極めて現代的な主人公の姿。
ワールドトリガー』の修くんみたいなステータスを想像してもらうと解り易いでしょうか。

  で、本来の獲物が"何者か"に先んじて殺害されたことで一行が異変に気付くわけですが、普段から"戦闘"を常としている狩猟民族ゆえにステルス迷彩や重火器といった明らかなオーバーテクノロジーを持つ"敵"を認識しての臨戦態勢を執るその姿は他作品でのプレデターに接敵する現代人よりも明らかにスムーズであり、現実の戦闘が"武装の進化=戦闘力の向上"という単純な比例構造ではないことを言外に語っている演出が圧巻です。

プレデターのビジュアル・装備も本作独自にアレンジされていて楽しいところ。

 ともあれ、やはり基本的なスペックに歴然たる差が有るがゆえに一人また一人とコマンチ族の戦士たちなのですが、ただ為す術無くやられるだけでなく味方の敗北から戦術を見出していく姿はまさに戦闘民族であり、それは主人公も例外ではなく、仲間の死に戦慄しながらも一方では極めて冷静にプレデターの弱視による視認範囲やサーモグラフでのサーチによる死角、レーザーアローのマスクとの連動法則を看破していきます

罠に囚われた相手を襲わないことで相手も"狩り"を行っていることを理解。
道中で沼に嵌ってしまうミスも犯しますが、それを最終的に逆転のための罠へと転じる
戦士としての機転は自分の非力さを自覚しているからこそのものであり、
他の戦士や一作目のシュワちゃん演じる主人公ダッチにも勝るとも劣りません。

 仲間が次々と減っていく中で道中で遭遇した行商人とも格闘しつつ、手負いの彼らをプレデターからの"盾"としつつ、彼らの持つ拳銃でプレデターに手痛い重傷を負わせる中でプレデターも彼女を好敵手と認め、遂にステルスを解いてその姿を見せるくだりはさながらゲームのボスキャラのようで、過去作の流れを踏襲しているとはいえやはり興奮ものでしょう。

キシャーーーーッツッッ!!!つってネ。(゜Д゜)
終盤で主人公に覆い被さってくるんだけど、
咄嗟に牙を引っこ抜いて顔面に突き刺す主人公の胆力たるや・・・。

 激闘の中で遂には主人公ナルの兄タアベも犠牲になってしまいますが、作中何度も彼が主人公に伝えるセリフが生きてきます。
 "相手に悟らせるんだ。「自分の命はここまでだ」と。"

ラストバトル前に主人公が戦士の死化粧をし直すのもこれまたニクい演出。
一作目のシュワちゃんオマージュでもあるんだろうけど…
メロウリンクの死化粧も思い出すよねっていう。(=^・ω・^=)

 最終的に他の仲間は全滅しつつも獲物のプレデターの生首を手に村へ凱旋帰国の主人公ですが、次回作や一作目への繋がりのような引きらしい引きは無しで・・・・・・まぁ、それはそれで潔くて良かったように思います。
 もしかするとその後、狩られたプレデターの復讐にその仲間が大挙して現れたのかもしれませんが。( ・ิω・ิ)


Ⅲ. おまとめ

 というわけで今回はディズニープラス独占配信映画『プレデター:ザ・プレイ』について語りました。
 あらためて振り返ってみるとそこまで過去作へのオマージュだったり系譜だったりを感じないというか、それもそのはずで当初から極力プレデターシリーズの一篇としてのプロモーションをしていなかったということで、あくまで一作品としての存立と面白さを追求した仕上がりになっています。
 そのため、過去のプレデターシリーズ一切未見の方も楽しめるはずで、時系列的にも一番過去ですし、サバイバルアクションが好きな人には持って来いな作品だと思います。

※記事書いてて思い出したのがPS3のゲームの『Aliens Vs Predator』。
エイリアン側、プレデター側、そして人間側で1本で3回楽しめました。
日本版は出てないけどBDディスクはリージョンAならOKなので北米版ソフトなら日本のPS3でプレイ可能。
グラフィックなかなか美麗なのでグロ注意なりよ。

 今作のようなモンスターものでもし他にもサブスク配信作品でおススメございましたらコメントいただければ恐悦至極にございます。
 今回はこのへんにて。
 それでは・・・・・・どうぞよしなに。



"オハヨウゴザイマース!!"

・・・
余談ながらわたくし、明日からお盆休みなので夏休みっぽい内容の
記事もボチボチ書いてみる所存です。よろしければお楽しみに。



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