【配信を拝診⑫】女ではなく戦士として認められたいがゆえに挑む"試練の狩り" ... 絶対的な力を持つ捕食者に知略で立ち向かうケレン味溢れるバトルアクションが炸裂!! Disney+独占配信映画『プレデター:ザ・プレイ』
結論から言おう!!・・・・・・こんにちは。(。・ω・)
鵜島仁文さんといえば、『FLYING IN THE SKY』と『Trust You Forever』、そして『BACK TO THE GROUND』も…、なO次郎です。
今回は今月初からディズニープラスで独占配信開始となった映画『プレデター:ザ・プレイ』です。
これまでの『プレデター』シリーズはその時点での現代かもしくは未来が舞台でしたが、本作は18世紀初頭の狩猟部族とプレデターとの闘いがテーマ。
現代人ですら未来兵装にしこたま追いつめられてたのに原始的な武器だけでどう立ち向かうのかという無理ゲー感満載な設定に見えましたが、なかなかどうして他時代の主人公たちに負けない死闘を繰り広げてくれ、正味90分ほどの尺の中に主人公の葛藤と屈折のドラマもきちんと盛り込んでくれています。
ちなみに『プレデター』シリーズとしては本作で5作目ですが、『AVP(エイリアンVSプレデター)』シリーズ2本も含めて鑑賞済みですので、それらの話も適宜引き合いに出しつつ語ろうと存じます。ネタバレ含みますので予めご了承をば。
それでは・・・・・・・・・・・・・・石・破・天・驚・拳!!
※この度の訃報を聞いて過去楽曲を振り返らせていただきましたが、非タイアップのシングル曲の中では『紙飛行機』も素敵ですね。プロデューサー業に移行する前の最後の作品とのことですが、この透明感がどことなくEins:Vierを彷彿とさせるような・・・。
ともあれ、謹んでご冥福をお祈りいたします。
Ⅰ. 作品概要
シリーズの時系列からすると本作が一番古い時代の出来事となり、
『プレデター:ザ・プレイ』(2022) - 1719年・グレートプレーンズ
『プレデター』(1987) - 1987年・中央アメリカ
『プレデター2』(1990) - 1997年・ロサンゼルス
『ザ・プレデター』(2018) - 2018年・アメリカ各地
『プレデターズ』(2010) - 未来・他惑星
ということのようです。『AVP』シリーズはスピンオフなので正史には含まれないとのことで、こうみると狩場はほぼアメリカばっかりなのね…。
男は狩りで食料を捕り、女は衣・住を担う男尊女卑のコマンチ族のコミュニティーの中で誰よりも自尊心の強い少女が周囲に認められようと女だてらに"試練の狩り"に挑み、正体不明の怪物に仲間を蹂躙される極限状況の中でそのサバイバル能力を開花させていくアクションスリラー。
監督のダン=トラクテンバーグは長編映画としては本作が二本目で、前作は『10 クローバーフィールド・レーン』。
特に『10クローバー~』と比べると、"抑圧された状況下の女性が尋常でない妨害・困難に見舞われながら自らの機知で活路を見出す"というカタルシス的な作劇は共通しているように思います。
両作ともモンスターが出現するSF映画ではありますが、その根底には"とある女性の自立"というテーマが有り、その成長に観客が感情移入する形で盛り上がり、アクションはあくまでその成長を演出するための二次作用なのがユニーク且つ巧いところです。
Ⅱ. キャストだったり見どころだったり
主演のアンバー=ミッドサンダーは実際のネイティブ・アメリカンの女優で、テレビで地道にキャリアを積みつつ映画は国外でも公開されている作品がチラホラ有りつつ、近年のアクション作品としてはコチラ。
美貌云々よりも「自分の有能さを示したい」「男社会の中でも自分の地位を確立したい」というまるで思春期のティーンエイジャーのような血気盛んな意志の強さがキャラクターに見事にマッチしており、ついつい応援したくなるのがなんともニクいところです。
序盤、自らを戦士として認めてもらうためのライオンをターゲットとした"試練の狩り"に赴きますが、女だからと軽んじられつつも、優秀な戦士である兄のタアベの推挙、そして既に認められている薬学と獣の行動学の知識を活用してその機会を得るところがコマンチ族内での自己プロデュースの描写としてなかなか上手いところです。
で、本来の獲物が"何者か"に先んじて殺害されたことで一行が異変に気付くわけですが、普段から"戦闘"を常としている狩猟民族ゆえにステルス迷彩や重火器といった明らかなオーバーテクノロジーを持つ"敵"を認識しての臨戦態勢を執るその姿は他作品でのプレデターに接敵する現代人よりも明らかにスムーズであり、現実の戦闘が"武装の進化=戦闘力の向上"という単純な比例構造ではないことを言外に語っている演出が圧巻です。
ともあれ、やはり基本的なスペックに歴然たる差が有るがゆえに一人また一人とコマンチ族の戦士たちなのですが、ただ為す術無くやられるだけでなく味方の敗北から戦術を見出していく姿はまさに戦闘民族であり、それは主人公も例外ではなく、仲間の死に戦慄しながらも一方では極めて冷静にプレデターの弱視による視認範囲やサーモグラフでのサーチによる死角、レーザーアローのマスクとの連動法則を看破していきます。
仲間が次々と減っていく中で道中で遭遇した行商人とも格闘しつつ、手負いの彼らをプレデターからの"盾"としつつ、彼らの持つ拳銃でプレデターに手痛い重傷を負わせる中でプレデターも彼女を好敵手と認め、遂にステルスを解いてその姿を見せるくだりはさながらゲームのボスキャラのようで、過去作の流れを踏襲しているとはいえやはり興奮ものでしょう。
激闘の中で遂には主人公ナルの兄タアベも犠牲になってしまいますが、作中何度も彼が主人公に伝えるセリフが生きてきます。
"相手に悟らせるんだ。「自分の命はここまでだ」と。"
最終的に他の仲間は全滅しつつも獲物のプレデターの生首を手に村へ凱旋帰国の主人公ですが、次回作や一作目への繋がりのような引きらしい引きは無しで・・・・・・まぁ、それはそれで潔くて良かったように思います。
もしかするとその後、狩られたプレデターの復讐にその仲間が大挙して現れたのかもしれませんが。( ・ิω・ิ)
Ⅲ. おまとめ
というわけで今回はディズニープラス独占配信映画『プレデター:ザ・プレイ』について語りました。
あらためて振り返ってみるとそこまで過去作へのオマージュだったり系譜だったりを感じないというか、それもそのはずで当初から極力プレデターシリーズの一篇としてのプロモーションをしていなかったということで、あくまで一作品としての存立と面白さを追求した仕上がりになっています。
そのため、過去のプレデターシリーズ一切未見の方も楽しめるはずで、時系列的にも一番過去ですし、サバイバルアクションが好きな人には持って来いな作品だと思います。
※記事書いてて思い出したのがPS3のゲームの『Aliens Vs Predator』。
エイリアン側、プレデター側、そして人間側で1本で3回楽しめました。
日本版は出てないけどBDディスクはリージョンAならOKなので北米版ソフトなら日本のPS3でプレイ可能。
グラフィックなかなか美麗なのでグロ注意なりよ。
今作のようなモンスターものでもし他にもサブスク配信作品でおススメございましたらコメントいただければ恐悦至極にございます。
今回はこのへんにて。
それでは・・・・・・どうぞよしなに。
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