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【テレビっ子アゲイン①】『Gメン'75』を75話まで観たので特に印象に残ったエピソード5選を紹介してみる

 結論から言おう・・・・・・コンニチハ。(´・ω・`)
 中学生の時の給食の後の掃除の時間の校内放送BGMが何故か『スタンド・バイ・ミー』だった、O次郎です。

スティーブン=キングの原作小説のタイトルは
味もそっけもない「The Body(死体)」なのよね。
まぁ、たしかに死体探しの話には違いないんだけども…。

 昨年の5月からデアゴスティーニで刊行されている「隔週刊 Gメン'75 DVDコレクション」を定期購読しておりまして、こないだ75話を超えましたので、ゴロに併せてそれまでの話数で個人的に特に印象に残ったエピソードをご紹介してみようと思います。過去にベストチョイス的なボックスも幾度かリリースされてますが、せっかくなので今回のデアゴスティーニで初DVD化のエピソードに限定しての選出です。
 隔週刊行で毎号3話収録、それが全355話なので果てしなき旅路ですが…。まぁ、その「全話収録」というのが最大のウリなのでなんともかんとも。
 実は、CSの東映チャンネルでも昨年の10月から再放送がスタートしており、数年前から東映チャンネルを契約していて「Gメン'75」の再放送が一向になかったところでデアゴスティーニ購読始めてからのCS再放送開始、という自分には嫌がらせのような攻勢でした。
ちなみに、
[東映チャンネルの再放送]
(メリット)HDリマスター化されていてデアゴDVDより画質上
(デメリット)途中で再放送中断期間が入るため、全話放送完了時期不明
[デアゴスティーニDVD]
(メリット)毎号10ページの解説ブックレット付き
(デメリット)円盤媒体なので嵩張る

といった具合です。費用面に関しては他の放映番組も含めたCSの月次料金か、それとも円盤の番組コンテンツズバリに対する購入費用か、個々人の判断次第かと思います。
 昭和の刑事ドラマ好きな方や、昨年の本作のデアゴスティーニCMでどんなもんかな~と興味を持った方々にきっかけとしてヌルっと読んでいただければこれ幸いでございます。
 それでは・・・チャンチャ~ン チャチャチャチャ~チャ~チャ~ッ チャチャッチャチャ~~ッン!!



Ⅰ. 「Gメン'75」とはなんぞや?

 同時期の刑事ドラマの『太陽にほえろ』『大都会』『特捜最前線』等と比べると、シビアなストーリー展開の中で悲惨、陰惨な結末を迎える話が多く、警察側がその職務を忠実に遂行した結果、それが却って悪事の背後に控える巨悪を利してしまったり、無実の人や弱い立場ゆえに反社会的行為に及んでしまった小市民を追い詰めてしまったり、といった皮肉で救いようのないエピソードも多いです。
 ですがそれゆえに現代ではタブーとされるようなリアルに踏み込んだ話も多く、それが私が昭和の刑事ドラマにどうにも惹かれてしまう由縁であるとも思っています。
 警察や政治といった公権力を悪し様に描き、アウトローにこそ焦点を置くスタイルは如何にも70年代の作風であり、個人的には梶芽衣子さん主演の『女囚さそり』シリーズや藤岡弘、さん主演の「白い牙」と同じ匂いを感じたのですが、そうした作品全体に流れる反骨精神ゆえに80年代の空気には合わなくなって82年に終了し、続篇の「Gメン'82」も早々に終了してしまったのかもしれません。 
 当然、現代の社会通念からは許容しがたい描写も多々ありますが、説明不足感や余韻を一切無視して唐突に迎えるラストシーン(主役刑事の殉職エピソードですらそうです!)は、懇切丁寧な展開とメディアミックスが常の今現在のドラマからは得られない味わいがあります。

番組開始からわずか半年足らず、しかも主役篇でもない
エピソードのラストの撃ち合いであっという間に…。
それがゆえに強烈に印象に残っちゃうんです。
演じる原田大二郎さんは個人的には平成メカゴジラに乗ってた隊長さんです。



Ⅱ. ギャッッと驚いた75話までのエピソード5選

こないだの”大楳図展”行ってきました!
80代半ばであれだけの創作、というのがもう驚愕でしたが、
新作は『わたしは真悟』より『神の左手悪魔の右手』を
個人的には見てみたかったような・・・( ^ω^)

その1. 第7話「女子学生誘拐殺人事件」

 Gメンたちが偶然目撃した万引き犯の女子中学生が誘拐されてしまう。
 秘密捜査班が誘拐犯と交渉するも犯人は現れず、カギを握る容疑者が自殺してしまい・・・という二転三転のミステリー劇。
 事態の展開の不可解さに否応無しに惹き込まれるが、何と言っても”検察庁エリートの父親が万引きを犯した娘に激高して折檻したところ頭を打って死んでしまい、世間体を守ることに心を支配された結果、娘婿の刑事の協力を得て狂言誘拐を企てて娘が殺されたことにして隠蔽しようとした”という胸クソ悪すぎる展開に唖然とするばかりなり。

その2. 第25話「助教授と女子大生殺人事件」

 Gメンの津坂刑事が朝の通勤電車で毎朝出会う外国人青年と女子大生のカップルは何かのコンクールの結果を心待ちにしている様子。そんなある日、女子大生がいつもの電車に乗ってきたが彼の姿は無く、しかもいつもと違い表情が暗い。次の日からはとうとう彼女も見掛けなくなってしまい、その向かった殺人事件の現場で対面した留学生の男性の顔は・・・。
 留学生の青年の建築のデザインを彼の先生である助教授が盗用してコンクールで受賞し、その功績で以て教授への未来を掴んだが同時に青年を始末する必要が生まれ、それに気付いた交際相手の女子大生もその手にかけることに。
 この展開だけでも十分惨いが、この話が秀逸且つ衝撃的なのは、最終的にその助教授すらもその妻と妻の不倫相手である同僚助教授に謀殺されてしまった結果、女子大生の遺体とその隠し場所が永遠に解らなくなってしまうラストである。渦中の助教授を演じたのがウルトラセブンで有名な森次晃嗣さんなのもまたインパクト大である。

その3. 第35話「豚箱の中の刑事」

 Gメンの山田刑事がとある中年女性の元を訪ねる。その山田刑事の手には風呂敷で包まれた一体の仏像が。
 その女性は5年前の新婚当時に夫を暴力団同士の抗争の流れ弾で失っており、その仏像は犯人の元暴力団員が獄中で己の罪を悔い、謝罪の心を籠めて彫り上げたものだった。
 ”警察も社会も、何の罪もない夫を奪われた遺族の自分には一切の保証をしてくれないのに、殺人犯である加害者にはその更生のために手を尽くして、自分にその加害者を赦せと言う、こんな理不尽が有るか?!”と仏像を跳ねつける。
 そんな憤りを抱えて生きる未亡人が偶然、暴力団同士の抗争の現場に居合わせてピストルを手に入れてしまい、それと時を同じくして夫を殺した殺人犯の仮出所の報を耳にしてしまう…。
 すべてを察した山田刑事の決死の行動で辛くも更なる犠牲者が生まれる悲劇は回避されたが、”夫を殺した犯人を絶対に許すことは出来ない”と拳銃を手に絶叫する未亡人と、”社会や宗教のサポートを受けての自身の渾身の悔悛も被害者遺族にとっては一ミリたりとも届かない”と悟って土下座して号泣の謝罪をする犯人の鮮やかで残酷すぎるコントラスト。これ以外考えられないぐらいの過不足無しの幕切れではなかろうか。

その4. 第42話「殺人の条件」

 

 とある下男の老人、タクシー運転手の青年、そして国際的なフラメンコダンサーの女性。一見何の関係も無い三名が”殺人”という縁で結びつく。
 殺された老人は、ダンサーの女性が昔コールガールをしていた頃に同じアパートに住んでおり、彼の子どもが病気になった時に彼女が介抱してあげたことがあった。
 大成した彼女を偶然街で見かけた老人は彼女をコールガール時代の名前で呼んでしまう。以前病気の子供を助けてくれた彼女に謝礼をしたかったのだが、過去の売春をネタに強請られてしまうのではと疑心暗鬼になった彼女は老人を殺してしまう。それを知った彼女の幼馴染のタクシー運転手は、彼女の輝かしい未来のために罪を被ろうとしたのであった。
 彼女の早とちり、ではなく功明心、虚栄心が犯させた殺人の浅はかさ。

その5. 第48話「刑事・その恩師の殺意」

 東北の分教場で教鞭を取る初老の教師。東京で横校に通うその息子がヒロポン所持で捕まった。
 息子が逮捕されたことで上京した教師は、予備校で猛勉強していたはずの息子が同じく上京した分教場の卒業生たちからカツアゲした金でヒロポン中毒になり、分教場を継ぐために大学で勉強していたはずの教え子の女性がヤクザの情婦となってヒロポンを広めていたことを知り、彼らと同じ教え子の女性が働くストリップ小屋で彼女からダンスを見せられる。
 ストリップ小屋で働く彼女こそが誰よりも分教場の未来を憂い、分教場のために金を稼いでいたのだがその彼女も・・・という話。
 今現在の倫理観ではアウトな要素がてんこ盛りなうえに主要人物誰もが周囲の人間に裏切られる展開がしんどすぎる。


おまけ. 第73話「バカ!大人のバカ!!」

 今から数年前、警視庁外事課の覆面パトカーが盗難に遭い、そのパトカーが自転車の男性を轢き殺した。
 一家の大黒柱を失った母一人子ども三人の一家は、国からの支援を屈辱として拒否し、母親が寝る間も惜しんで働き、それでも足りずに進学を諦めた長男も働いてなんとか暮らしていたが、今度は母親が車に轢かれてしまい、懸命の手術にもかかわらず帰らぬ人となってしまう。
 母親を殺した容疑者として区会議員の娘が浮上するが、真犯人は区会議員本人であり、暴走族の一員として無謀な運転を繰り返していたその娘もまた交通事故で呆気無く即死してしまう。
 
両親とも交通事故で亡くしてしまった三兄弟の末っ子の男の子は歩道橋の上で絶え間なく走る区車の群れに怨嗟の絶叫を上げるが、なべてこの世は事も無し…のラスト。
 三兄弟のその後の悲嘆にくれる間も無い人生の凄絶さを思うとなおさらなエピソードであり、警察の存在が何一つ助けになっていないのが残酷である。

Ⅲ. おわりに

 というわけでこれまでのデアゴスティーニDVD発売分の話数で特に刺さったエピソードを振り返ってみました。
 刑事ドラマとして、ドラマとして、非常にハイクオリティーなのは間違いないのですが、放映当時この作品を観て刑事になりたいと思った若人がどれだけ居たのかは気になるところではあります。
 まだまだ最終話まで先は長いですが、「Gメン'75」よりもさらに好きなあの作品がCSの東映チェンネルの再放送かデアゴスティーニで全話発売されることを祈ってその布石のお布施を続けるとします。

今から20年近く前、実家のある関西のローカルTV局の”サンテレビ”での再放送を観て
いっぺんにファンになりました!
傑作選DVD-BOX全部買ったけど、こっちも全話観たいなぁ。

 傑作選に収録されてたような各Gメン刑事の退場篇や、筋肉モリモリのヤンスーさんと倉田さんが闘えドラゴン的な香港空手シリーズもイイですが、この後の話数の平凡だけどキラリと光るエピソードをご存じの方がいらっしゃったら教えていただけると大変ありがたいです。今後の定期購読のポスト投函がより一層楽しみになります。

 本日はこのへんで。
 それでは・・・どうぞよしなに。



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