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【90年代あれこれ⑧】~夏休み企画、その2~ オタク、それもガノタの製造器と揶揄する勿れ!! 我が幼少期のバイブル「コミックボンボン」のいろいろとスゴイ...な掲載漫画5選(1981~1983年分)

 結論から言おう!!・・・・・・こんにちは。( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
 昨日から断続的に激しい雨が降り続いてましたが、最後に雨合羽を着たのはいったい何年前なのか覚えてない、O次郎です。

カッパといえばメガドライブの『ロックマンメガワールド』のボスキャラのメガウォーター・S。
ファミコン版の『ロックマン1~3』のグラフィックと処理を向上させたリメイクに
オリジナルのワイリーステージを追加したレアソフト。
ユーザーの期待に応えて互換機のメガドライブミニに収録されたものの、
いざプレイしてみたら「なんで自分はこの画面の敵行動パターンを覚えなきゃいけないんだろ?」
とかゲームプレイ以前のそもそもな疑問を抱いてしまった……年齢って恐ろしい。

 今回も夏休みにかこつけていつもの映画話から脱線して、僕が幼少期に購読していた児童誌「コミックボンボン」についてのお話です。
 ”そんな雑誌有ったっけ?”とツッ込まれそうですがそれも已む無し、今から15年前の2007年に廃刊になってしまったうえ、それ以前でも売り上げや影響力に於いて悉くライバル誌の「コロコロコミック」の後塵を拝していました。
 当然の如く私の幼少期もクラスの男子の9割近くはコロコロ派でしたが、その中で我を通してボンボンを購読し続けることで反骨心を養いつつその誌面記事と連載漫画を楽しんだおもひでがございます。
 年齢的に創刊当時から読んでいたわけではありませんが、この際なので国会図書館に足を運んでとりあえず創刊号(1981年11号)~1983年12号まで閲覧してみたので、その中でなかなかトンデモな内容だった掲載漫画をご紹介してみたいと思います。
 過去刊行中の36年間の一時期に読んでおられた方々はもちろん、ジャリ漫好きの方々、ヘンな漫画に興味のある方々、読んでいっていただければ之幸いです。
 それでは・・・・・・・・・・・・・ダストマン!!!

雨でさらに連想するのが『機動警察パトレイバー NEW OVA』の第12話「二人の軽井沢」。
管理職研修で軽井沢に出張したものの帰り道で台風に見舞われ、
帰るに帰れず宿を探すことになる後藤隊長と南雲隊長。
二人の何とも言えない距離感が印象的でした・・・・・・レイバー全く関係無い話だけど。


Ⅰ. 「コミックボンボン」とは?

おそらく自分が初めてお小遣いで買ったであろう93年10号
昭和60年生まれなので小二の頃ですね。
この号は違いますが基本的にSDガンダムが表紙絵を飾ってて、
パッと見で他号との違いが判りにくかったりしました。

たま~に先輩の友だちの家に一緒に遊びに行った際にバックナンバーを本棚に
集めてる人が居たりしてそんな時は内心小躍りでした…。

 講談社が発行していた小学生向けの児童コミック誌です。
 講談社発行ということで、同社発行の幼児誌「テレビマガジン」や「週刊少年マガジン」の広告が載っていました。さらに遡って幼児期には「テレビマガジン」を読んでいてその中にも「コミックボンボン」の広告が載っていた筈なので、今思うと順当に誘導された感じですね。
 雑誌の最大の特徴としてはガンダムとのタイアップで、刊行当初からガンプラの特集ページや『プラモ狂四郎』等のガンダム漫画や当時TV放送されていたガンダムシリーズ作品やその他サンライズ系のロボットアニメのコミカライズが主力コンテンツ。私が購読していた90年代はSDガンダム企画が主流でしたが概ね同じ流れでした。これが世にいう"ボンボン読んでる奴はオタクに、それもガンダムオタクになる"という言説の由縁ですね。
 そのガンダムコンテンツによって良くも悪くもわりかし広範な層に全時代的に安定的な支持を得られたという側面は確かにあるかと思いますが、対するライバル誌の「コロコロコミック」はとにかくオモチャとタイアップしてそれを流行らせることに関しては天才的。ちょっと思い出すだけでもミニ四駆ビーダマンハイパーヨーヨーベイブレードetc……といった具合に、その時代その時代に合致した少年のニーズを上手く作り出してそれを盛り上げ続けた感が有り、流行りの勢いには子ども目線から見ても我がボンボンははっきり水をあけられ続けていた感が有りました。

ボンボンも2000年代に入る頃には「メダロット」とのタイアップで沸いた時が有ったハズ!
・・・らしいのですが、既にその時期には読んでおらずですみません。

 しかし一方で、連載漫画そのものの面白さには全体として明らかにボンボンに分があり、コロコロの連載漫画のほとんどがタイアップ玩具のカッコ良さを演出する荒唐無稽で破天荒な作品が多かったのに対し、ボンボンの漫画はそうした縛りが無いゆえか漫画そのものの面白さを追求したものが多く、児童誌とはいえ必要とあれば残虐描写も厭わず盛り込まれていて骨太な作品も散見されました。
 ・・・贔屓目が入ってるのは認めますが、一応当時友人に借りてコロコロも読みつつの感想ですので。(-.-;)

リアルタイムでボンボンを読んでいた頃に好きだった作品の一つ『餓狼伝説』シリーズ。
SNKのゲームとのタイアップで、続篇が出る度にコミカライズされていましたが、
ハードな世界観が見事に表現され、時には原作に無い展開や技が血沸き肉踊らせました。
作者の細井雄二先生は80年代にはファミコン題材のどエライ作品も有るそうで是非読みたい!
ちなみに、同じボンボンの増刊号で石川賢先生の「餓狼伝説 戦慄の魔王街」というトンデモ作品が
連載されたりもしましたが、それはまたの機会に…。

 というわけで少なくとも僕が購読していた90年代には、少年向けのギャグやお色気推しの作品に加えて今でも読み返したい重厚な作品も間々有ってなかなかに読み応えがあったのですが、果たして刊行当初の80年代初頭はいったいどんなゴイスーな作品が載っていたのか・・・先日バックナンバーを閲覧して個人的にコレは?!と思った作品が以下の通りです。



Ⅱ. いろいろとスゴイ...な掲載漫画5選(1981~1983年掲載分)

その一、 『シャッター№.1』(池原しげと先生)

[掲載期間:創刊号(1981年11月)~82年3月号]

他の家電製品なんかは時代を経ると明らかにフォルムが変わっていってますが、
カメラは少なくとも全体的な外形はそうそう変わってませんね。

 作者は70年代は学研誌、80年代は『聖戦士ダンバイン』や『重戦機エルガイム』等のロボットアニメのコミカライズ、そして私が読んでいた90年代はアクションゲームの『ロックマン』シリーズのコミカライズで知られる池原しげと先生。
 カメラのコレクションとベストショット撮影に命を懸ける少年真吾の熱血撮影期ですが、一話目からして既に強烈で、友人とのSL撮影競争で友人にも他のカメコ(死語か…)にも誰にも負けないベストポジションを得るべく、なんと線路の枕木の下に潜り込みます!!

いわゆる"撮り鉄"の一部の過激な方々の行動がニュースになって久しいですが、
それを何十年も前に先取りしているというか…それにしても常軌を逸するにも程があります。
当人的には「枕木の下が空洞になってるから大丈夫」だそうです・・・。
ちなみに登場するカメラはキャノンA-1ニコンF=3ミノルタX700等、かなりガチなものです

 それ以降も基本的に、
〇友人や初対面のカメラフリークに勝負を吹っ掛けられる
〇相手側が高価な機材や豊かな人脈で有利に立つ
〇主人公が根性で思いも寄らない方法とテクニックでベストショットを決めて大逆転

というパターンの一話完結なのですが、
"ハンググライダーを撮影するために自身もハンググライダーに乗ってそこから撮影するライバルに対抗し、躍動感のある野鳥を撮影するために命綱を付けて崖から飛び降りつつ撮影(しかも撮影後に岩肌に激突…)"
"スキー競技を間近でダイナミックに撮影するために、選手のスタートに合わせて自分も至近距離からソリで並走して撮影"
といった具合でいちいちブッ飛んでます。
 しかしながら、そもそも児童が手にするオモチャとしてはカメラはあまりに高価で親近感が無かったゆえか、連載半年足らずで唐突に終了しています。最終話は松田聖子さんの写真撮影会に参加しつつ、なんかしらの組織に入って「もっと腕を磨きます!」と決意して終幕。「高いカメラや人からの評価じゃない、本当に自分が撮りたいものを」みたいな内面ゼリフが取って付けたようでちと悲しい。
 そして、後年に同じボンボン誌上でポケットバイクというカメラに勝るとも劣らない高価なスポーツを題材にした作品が3年半の長期連載となった例も有るので、内容というか作劇が読者層に受けなかったのかも。


その二、 『アイあいロック』(高島しげる先生)

[掲載期間:82年2号・82年5号]

 ハイ、画像も作品・作者のリンクも出てきませんでした…。
 読み切りの形で一度82年2号に掲載され、その後に恐らくは穴埋めの形で82年5号にもう一度単発掲載されたようです。
 内容はといえば、同じ小学校に通う三年生の男の子と女の子が実は夫婦であり、学校ではそれを内緒にしつつ陰でイチャイチャする話です。基本的にギャグ漫画なので、なぜ小学生が結婚出来るかとかの説明は一切無く、二人の両親も登場しません。
 具体的には、
〇体育の男女対抗ドッジボール戦で夫の男の子が妻の女の子にだけユルユルの手加減ボールばっかり投げて周りの男児から怒られる
〇ピクニックに行ってお弁当に時間に妻の女の子が夫の男の子にだけひたすら「あ~ん」して周囲の男児から嫉妬される

みたいな内容です・・・・・・。(ㅎ-ㅎ;)
 シュールギャグということでいうと、僕が読んでいた90年代だとアニメ化もされたかみやたかひろ先生の「へろへろくん」がありましたが、これはマジで勢いだけというかシュールを意図せずのシュールというか…。
 いちおう鑑みるに、少年期は未だ異性交遊は恥ずかしいところなので、読者層にはギャグにしても明け透け過ぎたのかもしれません。
 ダイナミックプロの歴代アシスタントさんの中に"高島茂"さんという名前が見つかりましたが、果たして同一人物なのか・・・。
 作者先生の正体や他の作品も気になるところではあります。


その三、 『ぽこめん先生』(えびはら武司先生)

[掲載期間:1982年4号~10号]

扉絵を見た時点で「んっ?」となり、
そのまま「んっ?んっ?んっ?んっ?・・・んっ?!」となる作品。

 代表作『まいっちんぐマチコ先生』で知られるえびはら武司先生の作品。
・・・・・・・・・というか、見事に『マチコ先生』そのまんまです
 毎回の近所の男の子のエッチないたずらやそれに対するお仕置きはともかく、主人公の職業まで一緒なうえに、スケベされた際の決めゼリフは「ポこ・めん!!」という卑猥なんだか何なんだかよく分からない仕様…

ひょっとして師匠の藤子・F・不二雄先生の『ポコニャン』からのインスパイア?

 こんだけ一緒ならいっそのこと『マチコ先生』そのものをボンボンにも載せればよかったと思うんだけど、そっちは元々学研系誌の連載だからそのまま使えないし、かといってそちらの連載も有って忙しいからガワだけ変えて、ということなのかなんなのか。
 ちなみに本作品連載終了直後の82年11号では『ヒットくん』という単発作品も掲載されていますが、そちらもやはりというかもうお分かりのようにというか、同じく”ガワ違いのマチコ先生”でした。
 四十年前の作品ですが、漫画家先生が同時期に連載を抱えるということの恐ろしさを垣間見たような思いです。

ちなみに一昨年の夏、伝手でこの公演を知って観劇に行きましたが面白い舞台でした。


その四、 『少年00X 隼のケン』(青木めだか先生)

[掲載期間:1982年4号~9号]

 コチラの作品も画像・作品・作者とも出て来ず…。
 凄腕エージェント隼のケンと秘密結社との戦いを描くSFハードボイルドアクション
 連載当初こそ硬派なガンアクションやカーチェイスが描かれていたものの、原作がタツノコプロ作品の脚本で知られる鳥海尽三先生のためか現実から大きく乖離したSFメカニックが幅を利かせるようになり、それを受けて主人公のキャラクター性も物語もかなりコミカルに振れ、ヒロインとの乳繰り合いも織り交ぜつつ最後は主人公とライバルの痛み分けみたいな形でネバーエンディングストーリーな終幕。
 ギャグについては同時期にもっと突き抜けた作品が既にいくつも有り、SFについてはロボットアニメのコミカライズも有り、結果として当時としても些か時代遅れというか、どっちつかずの印象を読者に与えてしまったのかもしれません。

ライバル誌の「コロコロコミック」で連載されていた
ザ・ゴリラ』(坂丘のぼる先生・79年10号~82年12号)
凶悪犯罪に立ち向かう型破りな刑事の活躍を描く、コロコロには珍しいバイオレンスアクション。
この作品自体が往年の石原プロの刑事ドラマの影響を強く感じますが、
恐らく「隼のケン」は本作のヒットに便乗した作品にしようとしたのではないでしょうか。
相棒の女刑事の死去という衝撃的な展開で第一部が幕を引きますが、
その後の第二部はそれ以上の悲劇的な結末が主人公を襲います。
当時の単行本では結末まで収録されていないので復刊熱望案件ですね。


その五、 『学園仕置き 風』(中島昌利先生)

[掲載期間 : 82年7号~9号]

 残念ながら本作も画像がござんせん…。
 作者は石森章太郎先生のアシスタント出身だそうで、ヒーローもの作品のコミカライズを児童誌各誌に連載されていたようです。
 基本的な筋としては、学園内の不良や町のチンピラを相手に勝気な女学生が啖呵を切り、彼女が危なくなると普段はさえない男子学生がたちまち"学園仕置き風"に変身して彼奴らを成敗、という流れなのですが、校内レベルの悪党に対して全身覆面の忍者装束・忍者装備で懲らしめる、というのがもう常軌を逸してます。
 原作の武石正道先生はスポーツ漫画の原作専門のようで、本作の他には同誌連載の井上コオ先生の『ほえろ!闘志』や、他誌では里見桂先生『よろしく春平』、金井たつお先生『MF輝平』など。
 上記のようなパワーバランスのおかしさは作者方も感じられていたのか、二話目からは白ランに日本刀という『男組』の神竜剛次や『うる星やつら』の面堂終太郎みたいなライバルが出てきますが、その2号後の最終決戦では火薬による爆発に巻き込んで仕留めます(生死は不明…)
 バトル漫画で主人公が強くなっていくと相手側がどんどん強くなっていく(児童誌だと特にビジュアル的に判り易く)必要が有りますが、そのインフレを極力防ごうとしてスモールスタートさせた結果、なんとも珍妙なパワーバランスが出来上がってしまったのかも。

実際に神竜みたいな濃過ぎる悪役を児童誌に出すと
収拾がつかなくなってしまうのはあるでしょうが…。


Ⅲ. おわりに

 というわけで今回は僕が幼少期に購読していた児童誌「コミックボンボン」について、その創刊当初の号に遡って強烈な作品を探して紹介してみました。
 ライバル誌のコロコロの方に関しては対象児童が好きそうないわゆる"うんこ・ちんちん"ネタでいっぱいなのが当時としても…と思っていましたが、一方のボンボンはといえば此方は此方でその創刊当初から"パンチラ・おっぱい"ネタが蔓延してるというか、つまりは同じ穴のムジナですね!
 ちなみにネタ的な作品ばかりチョイスしましたが、純粋にベストな作品としては上述のポケバイ題材の漫画、山口博史先生の『おれのサーキット』(82年9号~86年2号)を推します。

※今ではkindle版で手軽に読めるのが素晴らしい!
その前にはfukkan.com版も刊行されていましたが、僕は大学生の頃に当時の単行本版全7巻をコツコツ集めました・・・。
平凡な少年がふとしたことからポケバイレースに目覚め、小さな努力を積み重ねつつ、ヒロインからの愛憎や事故を心配する母親からの過干渉を受けつつも、ライバルとの熱戦を経て成長していく物語。
必殺技も出てきますが万能ではなくレースはあくまで理詰めで、物語尺は過不足無く、余韻を残しつつ鮮やかに幕を閉じます。

 わりかし国会図書館にはアクセスし易いので、気が向いたらまた続きのボンボン振り返り記を書いてみようと思います。
 もし、"この時期のこの作品が強烈だった!!"みたいな思い出がございましたら是非ともコメントいただければ恐悦至極にございます。

 今回はこのへんにて。
 それでは・・・・・・どうぞよしなに。




感染症対策で6Fの食堂での提供が無くなって早や二年以上か。
図書館カレーとか恋しいなぁ・・・。


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