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関西蚤の市の思い出


2023年12月2日、万博記念公園で開催された関西蚤の市に行った。

たまたまSNSで開催されることを知り、休日が重なった母を誘ってみた。
通院の予約があると断られたが、数秒後、通院をサボって参加すると返事がきた。
それくらいこのイベントには、なんかめちゃめちゃ楽しそうな引力があった。

関西蚤の市を開催をしている「手紙社」のホームページには、こう書かれていた。

「手紙社は編集チームです。
なんて美しいのだ!
なんとも愛おしい!
なんだかワクワクする!
というサムシングを毎日毎日探すのが
私たちの仕事です。」

なるほど、すごい。
まだ入場して間もないのに、ワクワクが止まらない。
この蚤の市は単なるフリーマーケットではなく、手紙社が全国から選りすぐった出店者たちが集う、エンターテイメント空間なのだ。

まず目に飛び込んだのは、朝の光に照らされる美しい器たち。


とても可愛いギンガムチェックの器を発見したが、お値段に驚いた。
0が一つ多いような気がしたけど、作家さんのこだわり作品は、それだけ価値があるものなんだと勉強になった。
日常的に使うには、ちと敷居が高すぎた。

こっちの形の方が、まだ日常的に使いやすそう。
ししゃもとか乗せたい。

母も横から、「ええやんこれ」と言っている。


朝の柔らかい光の中で、素敵にディスプレイされた美しい食器たちを撮っていると、なんとも言えない幸福感が溢れ出てくるのを感じた。


こうして振り返ると、花や鳥のモチーフが好きなんだと気づく。
白雪姫に憧れていた幼少期の名残かもしれない。


何十年の時を経て、懐かしいミルミルの味を思い出した。


家具や雑貨などもたくさんあった。
なんとも味があるちゃぶ台や、アンティークな棚の多くに、朝早い段階からSOLD OUTの札が貼られていた。


私はこのランプに惹かれたけど、暗すぎて照明の意味を成さない気がする。
「好き」と「実用性」のバランスが難しい。



朝の光とガラスって、すごく相性が良いなと感じる。

私もビンとか拾ってきて、なんかおしゃれに並べれば売れるかも?
と、下衆な発想をしてしまう。


蚤の市ってフリーマーケットみたいなものだと思っていたので、中古品や安価なもが多いイメージだったけど、全然そうではなかった。
なんだか貴重な歴史を秘めてそうな骨董品が、なかなか良いお値段で鎮座していた。



使えるのか分からないカメラ。
やっぱりカメラのフォルムは、そこにあるだけで絵になる。かっこいい。


廃材の木やガラスで作られた額縁たち。
捨てられるものを再利用し、素敵な作品に生まれ変わらせるってすごい。
母も捨てられそうな木を大量にもらって、キャンプで燃やしてるし。
私も見習いたい。


どこか遠い異国の地からやってきた、宝石たち。

どこのブランドとか値段とか関係なく、キラキラしたものを見ると、心が明るくなる。
大人になって装備された色んなフィルターが取り除かれて、子どもの頃感じていた純粋なときめきが蘇る。


だっさ・・・!
と思ったのも束の間、よく見るとめっちゃ可愛い気がしてきた不思議な服。


遠い昔、青い目をした子どもたちにズタボロになるまで遊ばれてきたんだろうか。
これは、あの有名なくまなのだろうか。
なんか哀愁のあるくまたち。


母がこのネズミに反応し、珍しく写真を撮っていた。
おそらく、母の中に眠っていた幼女が覚醒したのだと思われる。


本もあった。
母が図鑑をまじまじと眺め、小学生の頃の記憶を蘇らせていた。
母が語る思い出話と同じようなエピソードを、母と同年代くらいの男性も懐古しながら語っているのが聞こえてきた。


小腹が空いたので、フードコーナーへ。
まだ11時前だけどかなりの賑わいで、先が見えないほど長蛇の列ができてるお店もあった。

続々と行列ができ始めたところに飛び込んでみた、日々ベーグル研究所。
香川県のお店なんだけど、これが運命の出会いになった。
10種類くらいの魅力的なベーグルが並んでいて、全種類買っている強者もいた。
冷凍保存ができるので、アールグレイキャラメルミルクティー、いちじくクリームチーズ、ブルーベリークリームチーズを買った。
ずっしり重みがある生地はもっちもちで、トッピングが上にも中にも贅沢に使われていた。
母もすっかりファンになり、後日お取り寄せをしていた。


コーヒーは好きだけど、実はあまり味の違いが分からない。
量が多いと、ちょっと気分が悪くなることもある。
でもBUNDY  BEANSのコーヒーは、すごく美味しかった。
体が喜んでスルスルと吸収していく感覚があった。
「毎日ガブガブ飲めるコーヒー」
ほんとうに、その通り。


この日は本当に天気が良かった。

青空の下で気持ちよさそうに風に揺れる白い服が、とても綺麗だと思った。



わぁ!
と、心の中で叫んでしまったぬいぐるみ。
Qちゃんを連れて帰るか5分くらい迷ったけど、ぬいぐるみには念がついてくるという話を思い出し、ビビってやめた。


小さい頃、近所の祭りでこんな掴み取りの屋台があった。
私はこれを宝石だと思っていた。
小学1年生のとき、しおりちゃんのお兄ちゃんが、大きな手いっぱいに宝石を掴み取ってくれた。
あの時のお兄ちゃん、かっこよかったな。
淡い恋心が芽生えた瞬間を思い出した。



ドライフラワーやめずらしい植物のお店もあった。
このおもちゃみたいな丸い物体は、カラスウリというらしい。


これはその辺で摘んだ花や実で作れる気がする。
私でも売れるかもしれない。
と、また下衆な発想をしてしまう。


この日は平日だったにも関わらず、お昼過ぎになると続々と来場者が増えはじめた。
最初に見ていた食器屋はすごい人だかりで近寄れなくなってたし、ベーグルは売り切れていた。
張り切って朝1番に来て、大正解だった。


私は鎌倉から来ていた焼き菓子店で可愛いクッキー缶に出会い、友人とその娘を思い出し、プレゼントに買った。

母も、骨董品のバターナイフを買っていた。
「これはプースケとお揃いのバターナイフ!絶対買わなあかんと思った!」と興奮していた。
プースケが何かは知らないけど、母の中の幼女が喜んでいた。


関西蚤の市は、小さなころの純粋なときめきや、大切な人を思い出す、素敵な出会いに溢れた場所だった。



猛者はテントを張って、デイキャンプをしながら楽しんでいた。
次はテントも持参して、丸一日味わいつくしたい。


遠くから聞こえてくるミュージシャンの歌声がとても綺麗で、やっぱりプロってすごいなぁと話しながら帰った。



ところで、万博記念公園にスワンボートがあるのを初めて知った。
母を誘ってみたけど、疲れるからと断られた。
次はスワンボートにも乗りたい。


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