一人暮らしをしたいと思う時があって、パートナーや家族と暮らしながら一人暮らしの家を持っている人に憧れがある。

夏生さえりさんの『やわらかい明日をつくるノート』ずいぶん前に購入してここぞと言う時のためにとっておいた。

ただなんとなく実家のリビングでするのがしっくりこなくて、図書館に行こうかスタバに行こうか、サンマルクは BGM が大きくてあんまり好きじゃないんだよな... 地元だと何処に行っても知り合いと会う気がするし、会わなくても何処かから例えば通りすがりの車の窓とかから見られている気がして、外に出るのが億劫になるし、家以外に一人になれる場所というのを見つけられていないことに気づく。あ、平日昼間の映画館があった！

大学院生の時、あえて知り合いが少ない土地を選んだ、もちろんやりたいことが最優先事項だったわけだけど、知り合いが少ない土地、それもひとつの選択した理由だったのかもしれない。

家と研究室の往復がその時の私の仕事であって、そのどこを切り取っても誰かに見られているとかそんなことあえて考えたりしていなかったと思う。ほとんどの時間がひとり行動な分、いつも気分が自由で、本当に楽だった。

人と全く関わっていなかったわけではない。研究室は大所帯だったし、同級生ともよく食事に行った。土日は基本バイトをしていて、バイト先の店長さんや主婦さんに仲良くしてもらった。バイト中、いろんな話をして、バイトあがりに飲みに行って、そうやって土日を過ごしてまたひとりの生活に戻る酔っ払った深夜の帰り道。あ〜よかったな〜

家を探す時も、最後に絞った２択のうち小さい方を選んだ。ユニットバスだろうと、キッチンか廊か分からないようなもんだろうと、そのこじんまりとしているのがよかった。

生まれてから実家を出るまで、いろんなやりたいことに挑戦させてもらって、その時々の想像でき得る範囲の中で自由に夢を描いて、学校という窮屈な箱にパツパツに詰められた人間達と思い思いの関係性を築いたり築けなかったり。

期待して裏切られて、信じてたのに勘違いして選んだ大学で自分の能力を持て余したとまた勘違いして、また人を信じて期待して裏切られたと思ったら、自分を大切にしてくれた人を傷つけていて...

大学院に来るまでの私にとって、私には持ちきれないほどのものを持とうとしていたのだと、今のこの（大学院生の）暮らしのように基本的にひとりでこじんまりとした暮らしに安らぎを感じていた。常に一緒に居るような恋人や友達がいない分、寂しい時もあるけれど、だからこそ思い浮かべる大切な人の存在を確かに感じたりした。それに、会いたい人には会いに行けばいいし、会いに来てくれることもたくさんあった。

最近、そのころの生活が懐かしく思える。

実家には、父と母と兄とそして一昨年から祖母が住んでいる。それと、５匹の猫さん達。

正直なところ、祖母が加わってからの暮らしは物理的にも精神的にも窮屈なことが多い。それまでが、そうでなさすぎたのかもしれないけれど、居心地の良かった実家での暮らしに窮屈さが加わったことがすごく嫌だしどうにかしたい。どうにもならない。

30代で独身で、これからも少なくともすぐすぐは結婚しようとも思っていない私。友人と飲みに行くと老後が心配でないのか？と聞かれるけれど、私に老後があるかどうかすら想像できないし、祖母の老後それは我が家に転がり込んで来る前のことも含めてそれを見ていると、色々と思うところがあるし、家族には家族の数だけ在り方や関係性が存在していて、家族を当てにするのが安心というわけではないと思うけどそう信じ込んでいる祖母の振る舞いは見れたものではない時がある。いや、安心は安心だけども、子供に老後の世話をしてもらうのが当然という考え方は尊敬できるものではない。

このまま歳をとって行けば、この家に実家にずっと住み続ける可能性が高いわけだけど、もしも両親がそのまま住み続けていいと思うのであれば、老後は仲のいい友達とこの家でシェアハウスをしたい。猫たちの中にもまだ生き残っている子がいるだろうし。いくらかの老人と老猫での暮らし、いいじゃないの。

いますぐではないけれど、これからの人生を共に過ごすパートナーをと考えた時、真っ先に思い浮かべるのは犬で、大型犬の保護犬を引き取って暮らしたいなと思うことはある。実現させたいと思っていることのひとつ。

実家の近くに部屋を借りて、猫を１匹引き連れて、保護犬を迎えて数年人間ひとりと猫１匹と犬１匹との暮らしなんかもいいな〜

自分の気持ちが自由であればいいと思う。外に出て、空気が気持ちよくて、んー！と遠慮なく伸びをして、周りに人が居ようと集中できる場所があって、家では安らげる、それが私の求めている暮らしなんだと思った。

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