[備忘録]心理測定・統計技法の諸々

2AFC(Two-Alternative Forced Choice)

 二肢強制選択課題・二者択一強制選択、などとも呼ばれる。ある感覚量に対する人間の感度を、刺激の入力に対して2種類の回答パターンと(時に)反応時間から測定する手法である。例えば輝度の小さい光に対する視覚の感度を測定する時、同時に提示されたA・Bの2刺激のうち光の見られた刺激について、回答者はどちらか一方を回答する。この時「わからない」「どちらでもない」などの回答は許されず、選択はA・Bの2択に強制される。

2IFC(Two-Interval Forced Choice)

 二区間強制選択課題とも。2AFCでの2つの選択肢を同時ではなく2つの間隔で順次提示する手法である。例えば小さな音に対する聴覚の感度を測定する時、順に提示されるA・Bの2つの刺激のうち音の聞こえた刺激について、回答者は先行した刺激(ここでいうA)か後行した刺激(ここでいうB)のどちらかを回答する。2AFCと同様に、選択は2択に強制される。

2up-1down法

 極限法の一種である、階段法や上下法で用いられる刺激強度のステップを変化させる法則。2up-1downであれば、誤反応が2試行連続した時に刺激強度を1ステップ上げる。正反応が1試行あった場合に刺激強度を1ステップ下げる。ステップを変化させるための試行回数は実験者が設定する場合も多い。

ステップワイズ回帰

 重回帰分析において、説明変数を決定するための手法。サンプル数が少ない時など変数を決める上での手がかりが少ない時など、説明変数を絞りモデルの精度を上げるのに役立つ。ただし取捨選択をした後の変数に対して検定が行われるために、モデルに適合する変数が偶然選択されてしまう場合も多々ある。(結果を見ながら説明変数を操作したらそりゃそうだよね、ということ)

マグニチュード推定法

 感覚尺度の一つである比例尺度を直接求める手法。リファレンスとなる刺激が引き起こす感覚量に適当な数値を与える(例えば10)。その後比較刺激による感覚量がリファレンスと比べてどの程度かを数値で回答する。例えば感覚量がリファレンスから半減していたと知覚されれば5、倍になっていたと知覚されれば20というような具合である。この手法によって測定された尺度には、音の大きさを示すsone、高さを示すmelなどがある。


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