すー

映画や本の感想や、なにかしら考えたことを書いています。

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マガジン

  • 図解でコンテンツ

    書籍などで発見した概念を図解してみています。テーマは生活に関わることです。

  • 自炊ラボラトリー

    新しい運用方法を考えるための実験的自炊ログです。労力的にも、時間的にも無駄なコストをかけないで、いかに美味しく暮らせるか考えます。

  • 旅する日本語

    「旅する日本語」投稿キャンペーンhttps://note.mu/info/n/ndba45f9d066a に参加しています。対象になっている全ての言葉について書きました。

  • ウィークリーキュレーションメモ

    これは、一週間に読んだ社会的なコンテンツに「考えたこと」を添えて公開していくものです。

  • 映画メモ

    鑑賞した映画をテーマ別にキュレーションしたり、感想文などを書きます。

最近の記事

「新しい料理の考えかた」について

1月15日に行われた「新しい料理の考えかた」のイベントに行ってきました。このイベントはnote、cakesで料理のことを発信している樋口直哉さんとPOC代表の加藤さんの対談でした。新刊『定番の“当たり前”を見直す 新しい料理の教科書』出版記念イベントでもありました。 料理について色々と興味深いお話を聞けたので、記事にまとめたいと思います。 出版に至るまでの経緯最初にどういった経緯で、樋口さんと加藤さんが出会い、本の出版までに至ったのかのエピソードを話してくれました。 加

    • 自分の幸福には怠惰な大人『獣になれない私たち』

      ガッキー演じる晶(あきら)という女性が主人公のドラマが始まった。 予告だと仕事も恋愛もそつなくこなす女性だけれど…みたいなことが書いてあって、器用な女性を想像していた。 ドラマを見てみたら、主人公はむしろ不器用だった。 上司に命令された通りにやる。ダメな後輩や同僚の尻拭いをする。自分のミスではなくても客先に謝る。など、なんでもやっちゃう。自分がやらないと誰もやらないから。 どんどん負荷をかけられ続けていく姿は痛々しく、見ていて辛かった。 なんで辞めないのだろう。 こ

      • 恋草(こいぐさ)

        「理由ばかり尋ねる世界で、わけなど一つもなく恋をした」という歌詞が好きだ。 時代の転換期には今までなかったことが言語化され、みんなその言葉に耳を傾ける。 だからということもないけれど、言い表せない感情はとても贅沢だ。自分が好きな気持ちは自由で、その一部は恋人とだけ共有できるのだと思う。 旅をしている時は、普段とは別の時間が流れている。自分の気に入らないところを日常に置いてきて好き勝手に振る舞うこともできる。 旅先で出会った人と恋に落ちたという話を時々聞く。 日常の中

        • 奇偉(きい)

          記録する簡単な作業より、何かを見つけることに注意深くいる方が楽しい。モネはその事柄を絵で残してくれた。 この夏に行ったモネの美術展は、魅力的に感じる絵が多かった。 モネの絵は夕日が水辺に反射している色や、木々の隙間から漏れ出ている光の色が鮮やかに見える。強調されたデフォルメに強く惹かれた。 ある色や一部分をフォーカスして描く写真の修正技術をとっくの昔に気づいて実践していたのだ。 でも本当に素晴らしいのは先進的な技法などではなく、美しい目線を景色に投影していたことだ。

        「新しい料理の考えかた」について

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        記事

          差添い(さしぞい)

          温泉に行った時、「あっ」という声がして振り返ったら、おばあさんが支えられていた。 どうやら、転びそうになったおばあさんを見知らぬ人が支えてくれたらしい。 付き添いの娘さんが支えた人にお礼を言った後、「ちょっと目を離すとこうなんだから。」とおばあさんに言った。 その声に不機嫌な感じはなくて、朗らかだった。 見る人が見れば、足元がおぼつかない老人から目を離すと怒るかもしれないけど、意思ある人間をずっと見張っておくのも無理がある。 支える人は一人でなくてもいいのだと思う。

          差添い(さしぞい)

          幸先(さいさき)

          同じ場所に日をおいて何度も旅することがある。 私が気に入っている場所は新旧入り混じる街で、いつ行っても同じものがある安心感と発見の両方があるから楽しい。 ある日その街の割烹の店で、料理人と会話した。 料理人は地元の人ではないらしく「店の入れ替わりも激しくて。」と言った。 私は能天気な自分に気づいた。商いをする側からしてみれば、競争も多く厳しい環境なのだ。 人は大抵、自分のポジションからしか物事を見れない。 「街も自分もアップデートしている感じがして気持ちが良い。」

          幸先(さいさき)

          昧爽(まいそう)

          旅館に泊まると、興奮して早く起きてしまうことがある。 朝焼けをまじまじと見たのは初めてだったけれど、夕焼けとほとんど一緒だった。 違いのわからない人間だとわかってがっかりだったけど、同じに見えることに安心感を覚えた。 日が昇ることに望みを託し、日が沈むことに哀愁を感じる。毎日がそんな感じだったら気持ちのアップダウンが激しすぎて大変だ。 地球のルーティーン活動と捉えてしまった方が、むしろ楽なのではないかと思う。 始まりは希望で、終わりは絶望と考えたとしても、交互に入れ

          昧爽(まいそう)

          礼遇(れいぐう)

          豪華な料理とか、広い温泉とか、美しく整えられた庭園とか、非日常のものを提示することが「もてなす」ということなのだろうか。 確かに、旅館の部屋でシワのないシーツが被せてある布団に入る時はとてもも心地良い。 けれども、寒い日に柄違いの毛布や掛け布団を重ねて作られていた実家の寝床にも旅館の布団と同じものを感じた。 質素に暮らしている男が食通の男をもてなすという話がある。アワビとか伊勢海老とか高級な食材は買えないが、料理を食べてもらった後に食通を感動させる。 質素な男が出した

          礼遇(れいぐう)

          碧空(へきくう)

          晴れ渡った空は、こちらは山です。私は空です。というように、景色をはっきり見せてくれる。 平成という元号が終わる年に、「忖度」という言葉は良い意味では使われていない。 「私は本意ではないけれど、あなたの気持ちを優先しました。」という感じで使われることが多い。 柔らかな文句なのかもしれないけれど裏を返してみれば、「あなたの気持ちを優先したわけだから、あなたのせい。」と言っているようでたちが悪い。 言葉の表面をなぞるのではなく、その奥にあるものを読み取ることは乙なものだけれ

          碧空(へきくう)

          炎節(えんせつ)

          コンクリートジャングルを歩いた後に食べるかき氷は美味しい。 でも涼しい日に食べると、価値の半減どころではなく必要のないものに感じてしまう。 高級なものを美味しいと感じるには、毎日食べていたらわからないように、夏の暑さがあるから感じられる氷の美味しさというのがあるのだと思う。 ただ、季節を感じることは難しくなっている。 暑い日に食べるそうめんや、かき氷は美味しいけれど、クーラーなしでは過ごせない。冷え切った体では、涼しい美味しさを堪能することはできない。 だから旅に出

          炎節(えんせつ)

          平成最後の夏ドラマにみるヒロイン至上主義からの脱却

          「義母と娘のブルース」第3話を観て、感動してしまった。 このドラマは小学生の娘と元キャリアウーマンの義母との奮闘記なのだが、2人を取り巻く周りの人たちとの繋がりも書かれている。 それは「ALWAYS 三丁目の夕日」に見る昭和の人情物語ではない。家族形成も多様化した現代の人たちが孤立しあった時を越え、もう一度ぶつかり、いかに共存していくかという誠実な物語だと思う。 第3話は、義母のアキコがPTAと対峙する話なのだが、その先にちゃんと解を見出している。 アキコは、PTAの

          平成最後の夏ドラマにみるヒロイン至上主義からの脱却

          生ひ優る(おいまさる)

          初めて展示を見たとき、チームラボはもっと遠くを目指しているんだろうなと思った。 2回目に出会った作品は、鏡を使って空間が拡張されていた。作品の中に入る手前のような感覚だった。 3回目、渋谷ヒカリエで行われた参加型のアートはとても楽しかった。全身で体験できるインタラクションは、光に触れたりするだけで自然と参加できた。 昼は親子で楽しめて、夜は大人のためのコンテンツに変わる。 時間でターゲットを切り替えられているから、限られたスペースでも思いっきり参加できた。 4回目に

          生ひ優る(おいまさる)

          涼飇(りょうひょう)

          湖畔のレストランで食べたピザの味は覚えてないけれど、そこに漂っていた空気は覚えている。 箱根に旅行した時のピザの写真が出てきた。この写真だけ見ていると最近食べたピザと変わらないけれど、前後の写真で食べた時の感覚を思い出す。 湖畔のレストランは賑わっているけれど、圧迫感はなかった。 天井が高いことや、湖畔の風の気持ち良さとか環境的な理由はあるけれど、本当の理由は違うところにある気がしてきた。 目を凝らしてみると、食事をしている人々がとてもくつろいでいるのがわかった。

          涼飇(りょうひょう)

          寸景(すんけい)

          休みの日、東京のカフェに行った。 店内は明るすぎることはなく、とても落ち着いている。 だから窓際のカウンター席には、午後になると光が差し込んできてカップやお皿を照らす。 外を覗くと、はとバスやタクシーが見えて、運転手は今日も日常を紡いでいるのだと思った。 考えてみれば旅行で使う鉄道やバス、観光地の飲食店も誰かの日常で成り立っている。 私の旅も、名前の知らない誰かによって作られていた。 そんなことに気づいたら、知らない土地の一度きりしか会わない人にも感謝の気持ちが湧

          寸景(すんけい)

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          2018夏きたる

          2018夏きたる

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          Weekdayのエスケープ

          これはエッセイ風に旅を紹介していくコンテンツです。平日の休み時間に行くショートトリップから、遠くに出かけて見て来た景色まで。もし、これを見てあなたが出かけたならば、なんと嬉しいことでしょう。 今日は、ウィークデイのエスケープです。平日は遠くに出かけることはできなくても、束の間の自由時間を楽しむことはできると思います。 昼食を食べるだけなら、とても便利な時代ですが過ごし方を変えてみると違った景色が見えるかもしれません。 黒猫夜(クロネコヨル)黒猫”夜”というくらいだから、

          Weekdayのエスケープ