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対花粉症バフを手に入れろ 「舌下免疫療法」の体験記

花粉、つらいですよね。

小林製薬のCM風に始めようとしていまいちネタが思い浮かばなかったので放り投げてしまいますが、そう、舌下免疫療法の話ですよ。
「なんだそれ」という方に向けて平たく言うと、アレルギーを起こす物質を毎日少量摂取し続けることでアレルギー症状を軽減させる、または根治させるというハンターハンターのキルアかよって感じのアレルギー治療法です。つまり花粉の舌下免疫療法をやれば、花粉が効かなくなるんですね。

もともと自分が花粉症になったのは社会人になってからなんですが、それでも毎年花粉シーズンは鼻水と目のかゆみで辛くて辛くて、3月前後はアレジオン無しで外気が吸えない体になっていました。

なんとかしたい。
それも薬を飲むとかそういうんじゃなく、根こそぎなんとかしたい。

というわけで、ちょうど3年ほど前にかかりつけのお医者さんにオススメされた舌下免疫療法を始めたのでした。名前だけ聞くと昨今よくある怪しい「体の力を高めれば病気に勝てる」的なアレに聞こえますが、ちゃんと保険適用もされている治療法です。


治療の流れ

自分が受診したお医者さんでは「1. アレルギー反応の確認」「2. 治療の開始」「3. 様子を見ながら治療の終了時期をさぐる」という大まかには3ステップで治療が進められる形になっていました。

1. アレルギー反応の確認(採血検査)
 花粉と言っても色々な花粉があるので、まずは「何にアレルギー反応が出ているか」をしっかり確認することから始まりました。採血して数日後、こんな感じの検査報告書をもとにお医者さんから説明を受けます。

見事にスギ花粉だけ陽性の判定。「この状態ならスギ花粉の舌下免疫療法を行うことで分かりやすく症状が改善するかも」とのお墨付きが出ます。
ちなみに数値としてはそれほど高くないらしく、これ以上ハイスコアな花粉症ってどんな状態だよと震えがきてしまいます。

2. 治療の開始(毎日のスギ花粉液摂取)
 スギ花粉の舌下免疫療法をやっても良さそうだね、ということが分かったのでいよいよ治療が始まります。スギ花粉シーズン以外の時期(12月から4月以外の月)に治療を開始し、期間は概ね3~5年間。毎日スギ花粉エキスを摂取することになります。

摂取の方法はいろいろあるようですが、自分の場合は少量のスギ花粉エキス(シロップ)がパックになったものを毎日だいたい決まった時間に舌の下に2分間保持するというスタイルでした。

最初は花粉量の少ないものを院内で摂取しアナフィラキシー等が出ないことを確認してから、1週間分を渡されて経過観察、問題なければ満量のものに切り替えて以降は概ね2ヶ月ごとに通院していきます。

最近は錠剤タイプのものが出始めているらしく、このエキスタイプの欠点(かさばる、冷蔵保管の必要あり)が改善されているようです。

3. 様子を見ながら治療の終了時期をさぐる
 基本的に効果が出ているかどうかは花粉シーズンにならないと分かりません。なので、毎年花粉シーズン前後で、花粉症の状態を確認していきます。(普通に花粉症薬も処方してもらえるので、手間が省けたような、お得な気分になれます。実際そんなことはないんですが。)

先にも書いた通り、治療期間は3~5年間ぐらい。人によってだいぶ違うらしく、1回目のシーズンからはっきり効果が出る人から、なかなか効果が出ない人まで様々だそうです。
効果がすぐに出た人でも短期間で治療を終えるとまた数年後に症状が出てしまうことがあるらしいので、素直にお医者さんの言うことを聞きましょう。


実際効果はどうなの?

自分の場合、治療を始めてから今年で3シーズンめですが、花粉が飛んでいる中で深呼吸しても何も感じなくなりました。「今日は飛散量がヤバいです!!」という日は少し目のかゆみがあるので、完全な治療はできていないんだと思います。
ちなみに1シーズンめの時は「少し症状が軽くなったかも?(でもアレジオン必須)」という状態だったので、間違いなく改善していっていますね。

毎日摂取って面倒じゃない?

ルーチンとして慣れてしまえばそれほどは。
自分は結構旅行に行くんですが、「温まりませんように」と祈りながら日数分の花粉パックを持っていきます。面倒なことがあるとすればそれぐらい?ですね。

でもお高いんでしょう?

2ヶ月ごとの通院で、摂取する花粉エキス代も含めて年間1.5万~2万円ぐらいだと思います。
完治してしまえば花粉症薬や花粉対策グッズを買う必要がなくなるので、速攻で投資回収&累積赤字は解消できるんじゃないでしょうか。治療の効果が出なかったら、まあ、楽しいアトラクション代だったと思えば……。

スギ花粉舌下療法を始めるならチャンスは5月

春になっても花粉症薬を買う必要もなく、薬の副作用(口の渇きや眠気)と戦ったり鼻水の洪水に溺れることもない。人生ってすばらしい、という気分になれるので試してみて損はないと思います。

最初の血液検査の前後でデメリットや注意点(こういう人は治療を受けられませんよ)が聞けるので、まずはかかりつけのお医者さん(もしくは、舌下免疫療法を多く取り扱っている医院)に相談してみてはいかがでしょうか。

治療を開始できるのは花粉が飛んでいない時期なので、最速で5月からがチャンス。最悪、アレルギー検査結果だけでも話のネタにはなると思うので、そういう感じでオススメしちゃいます。

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