『 ゲイだけど質問ある?/鈴掛真(著) 』
フォローさせていただいているRuriさんが、2月に書かれていたnoteで知った本。
短歌や万葉集にぼんやりとした興味があって、Ruriさんのnoteを読んだあとに図書館で即予約。本の順番がやっと回ってきた。
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著者の鈴掛真さんは、歌人。その鈴掛さんは、ゲイであるとのこと。
『LGBTの入門書』としてと、冒頭で書かれているとおり、「へーーーっ!」と思うことが多かった。ご自身のこともたくさん語っていらっしゃる。全体を通して(ちょっとハードなテーマも)サラリとあたたかく丁寧に描かれていて、とても優しい文章。スッと染みこんでくるのに力強い。こういう文章、いいなぁ。
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私がいちばん好きだったエピソードは、
タモリさんの大ファンである鈴掛さんが、2013年に『笑っていいとも』の
「オネエ系イケメンコンテスト」という番組オープニングコーナーに出演されたときのお話し。
コンテストの出場者は、出演者の中で誰が一番タイプかを質問されるのがお決まりになっていました。
それまでは、オネエのみんなで香取慎吾さんを取り合うノリが続いていたのだけど、僕の答えはもちろん、ただ一つ。
「鈴掛さん、この中だったら誰がタイプですか?」
「迷うことなく、タモリさんです」
思いがけない僕の答えに、タモリさんもびっくり!
タモリさんがハグの姿勢で両腕を広げると、僕はその胸に飛び込んで、僕らは熱い抱擁を交わしました。意外にもタモリさんの顔が恥ずかしそうに真っ赤になって、スタジオは大爆笑。
千原ジュニアさんにお仕事を聞かれて「短歌作家」であることを伝え、この日のために色紙に書いて準備していた一首を披露されたそう。
タモリさんと番組への想いを綴った短歌。
落ち込んだ
日にも笑えば
いいのだと
諭してくれる
森田一義
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あーーー、好き。すごく好き。
私も、タモリさん大好きなもので。なんて素敵な短歌なんだろう。と
このとき鈴掛さんはエンディングにも登場されたそうで。鈴掛さんの喜びや幸福感、楽しそうな番組の雰囲気、そういう幸せに包まれた温度感というのが伝わってきて、本を読んでいた電車の中で泣きそうになってしまった。不意打ち。
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短歌にも鈴掛さんにも興味が増して、読めて良かったなぁと思えた本。
Ruriさん、ありがとうございました!!
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