『 一流の人は、本のどこに線を引いているのか 』
一昨日と昨日は、化学メーカーの工場で仕事だった。
乗りなれない電車で、行きなれない場所へ。初日は片道2時間。昨日は片道1時間半。長距離だから、体力温存とストレス軽減のためグリーン車を使う。
片道+770円で別世界の快適さ。でも、今朝は相当疲れが溜まっているのがわかる。
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電車に乗ってる時間が長くても、座って本を集中して読めるのはとてもいい時間。今読んでる本がとてもGOODで、移動時間があっという間だった。
『 一流の人は、本のどこに線を引いているのか/土井英司(著)』
人からのオススメで図書館で借りてみた。タイトルからは、正直あまり惹かれなくて…。“人が本のどこに線を引いていても、私はあんまり興味ないなぁ” なんて思いながら読み始めたら、あまりに良いので手元に置いておきたくて、メルカリですぐ買った。
(以下、本の冒頭より要約してます)
著者の土井さんは、2000年にアマゾンジャパンに入社して「Amazon.co.jp」の立ち上げにかかわり、バイヤーとして本の仕入れと書評を書いていた。
ご自身の眼で売れそうな本を見出し、アマゾン発の情報として約1000本の書評を書き、「カリスマバイヤー」と呼ばれていた。ところが、アマゾンはオペレーションを自動化する方針に変わっていき、オリジナルの書評をつけることに価値を置かなくなる。
だけど土井さんは、ご自身で積み上げてきたこの流れを断ち切りたくないという思いから、独立した。と書いてあった。
「人間にできて、アマゾンにできないこと」
2004年当時でも、アマゾンの需要予測システムは約97%的中。人間が入り込む余地は、たった3%。でもその3%の中、に土井さんは金脈を見出した。
本を読みこむ前、ペラペラとめくったところに、
「そうだ、その通り!自分の考えは間違っていなかった」と感じる箇所に線を引くのは単なる「自己陶酔」にすぎない。自分が「正しい」ことを確認したところで、パワーアップの糧にはならない。
という言葉が目にとまって、心の中で苦笑してしまう。
noteを書く前の私は(といってもnoteを始めたのは今年の4月からだから、わりとつい最近のこと)、なんだか満たされないと本屋さんへ行っては、そのときの自分に響きそうな本を買う。
本を読みおわった瞬間は、気持ちが満たされる。でも時間が経つとその効果が切れて、また同じような状況になると本屋さんをグルグルして似たような本を買う。というループだった。
「正しい」ことを確認したところで、パワーアップの糧にはならない。
ほんとその通りです(笑)と、少し前の自分を思い出す。
もちろん時には、自分を信じるために読むっていうのも大事だけど、いつもそれじゃ。同じところをグルグルしてるだけだよね。
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「全体」を見るな。「部分」を見よ
という章でふれていた、テニスの世界ランキングナンバーワン「ジョコビッチ」の話からの「部分練習」について書かれた内容が興味深かった。
世界ランキングナンバーワンのジョコビッチが、ボリス・ベッカーをコーチにした理由
ジョコビッチはもともとサーブのスピードがさほど速い選手ではなかった。そこで、現役時代に高速サーブで相手選手を圧倒してきたボリス・ベッカーをコーチに招聘し、その秘訣を徹底的に伝授してもらったのだろう。
事実、彼のサーブは年を追うごとに磨きがかかっているし、サービスエースの数も確実に増えた。つまり、自分の弱みを埋める「部分練習」をしたのだ。
ジョコビッチのような超一流ですら、「部分練習」を想定してコーチ選びをしてる。
仕事もテニスも全く同じ。日々の仕事を漠然とやっているだけでは、得意なことの強化も、弱点の克服も、どちらもできない。人間は、ただでさえ慣れ親しんだほうに流れ、同じことを繰り返したくなる生き物だ。
本の中では、ビジネスを8つに分類して、それぞれの分野で(=部分練習をするにあたって)おすすめの本が紹介されていた。
年間1000冊以上、のべ2万冊以上を読んできた著者が紹介する本。せめて、自分が興味のある分野だけでも読んでみたいなと思った。
あと、ここで紹介されている数十冊の本について、著者が全冊その理由を書いているんだけど、コンパクトにまとめられたその文章がスゴイなと。私にとっては圧巻!だった。
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その他にも、気になった言葉たち。
●「おもしろいかどうか」はどうでもいい
●「一流の変態」こそが、プロフェッショナルになれる。
●読書は「努力」。決して「息抜き」ではない。
●すべてがスーッと理解できるような本は、気持ちは爽快かもしれないが、脳は鍛えることはできない。
●「速く」読むな。「遅く」読め
●できない人は「今年〇冊読む」と目標を掲げる
●原因に線を引け
●原因とは「ボウリングのセンターピンである」
『 一流の人は、本のどこに線を引いているのか 』
オススメです!
今日は金曜日。良い週末を!
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