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電子タバコ(VAPEやPOD)による健康被害について

電子たばこによる肺疾患が増加しているというニュースが多く見られます。

世界保健機関(WHO)は最新の報告書で加熱式タバコ、電子タバコについて、紙巻きタバコと同じ規制をするべきと注意を喚起しました。

そしてアメリカのドナルド・トランプ大統領9月11日に、味や香りなどがついた電子たばこの販売を禁止する方針を発表。アメリカでは、若年層を中心に電子たばこを吸ったことによる肺疾患や死亡例が多数報告されていることが要因とのことでした。

トランプ大統領は、記者団に対して、電子タバコは特に子供たちにとって「新たな問題である」と述べたそうです。


CBDやTHCが含まれるVAPE(電子たばこ)を吸引する人も数年前から急増加していますので、特にアメリカ国内でも注目されていた分野なのでしょうね。


◉電子タバコを規制するアメリカの動きについて

アメリカでは、食品医薬品局(FDA)や米国疾病予防管理センター(CDC)などが、若年層の電子タバコの使用について、警告を発し続けてきました。

しかし、今では米国の高校生の約27%は、何かしらのタバコ製品に手を出すようになっているとのこと。
そして電子タバコについては、ミネソタ州、ウィスコンシン州、イリノイ州などの各地で、使用した喫煙者が続々と入院しているとの報告が上がってきています。

つい最近でも、イリノイ州の公衆衛生当局が、6人の若者が電子タバコの使用後に急性肺疾患などの呼吸器障害を起こして救急入院したことを報じました。また、電子たばこを使用していた米国の男性が、呼吸器系の疾患を発症して死亡したことが明らかになり、電子たばことの関連性が疑われる肺疾患の患者は全米22州で193人にも達していると言われています。

さらにティーンエイジャーを含む若年層を中心に、呼吸困難や過度の疲労、体重の減少、胸部の痛みといった症例の報告が急増していることも大きな要因のひとつです。
このような背景があり、子供達にとっても有害であると判断し、トランプ大統領も電子タバコの本格的な規制に乗り出したのですね。


アメリカでの電子タバコの市場規模は既に2016年には初の1兆円を超えていて、更にどんどん伸びているそうです。なかでも、アメリカの電子タバコ業界でシェア70%とも言われているのが最大手であるジュールラブズ(Juul Labs)、通称「JUUL」です。

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JUULの製品は「POD」と呼ばれていて、ニコチン入りのリキッドを吸入できるもので、VAPEとよく似た構造をしています。

アメリカで爆発的なブームを引き起こしている、この「JUUL」はスタイリッシュな本体に「JUULpod」と呼ばれるニコチン入りのリキッドタンクを装着して吸引するもの。

この「POD」は、中高生に大人気で、若年ユーザーだけで200万人もいると言われています。

マンゴー、シナモンロールなどのような味や香りがついたフレーバー製品でタバコの入り口を低くし、若年層のたばこ依存を加速させたとして多くの非難を受けています。

2018年にはついにフレーバー製品の販売を停止に追い込まれています。


◉CBDやTHCなどの大麻成分が原因でもある!?

アメリカの電子タバコの健康被害による事例で、疑われている要因の中に大麻などによる成分もあるのだそう。

電子たばことの関連性が疑われる肺疾患の患者は全米の22州で193人に達していると述べましたが、この193人の患者に共通しているのは、症状が始まる数カ月前から電子たばこを使用していたことです。

なかにはニコチンや大麻の有効成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれる製品を吸っていた人もいるとのこと。

しかしその患者の使っていた商品などが、全て同じものであるといった関連性はなく、現段階では特定の成分が原因なのかは全く明らかになっていないそうです。

電子たばこで発生するエアロゾルという成分には、鉛や発がん性のある化学物質の微粒子が含まれることが科学的に証明されていますので、こうした人体に害を及ぼす可能性のある物質のひとつが肺疾患を引き起こしたのかを主に調べているそうです。なので、このようなことからCBDやTHCなどの成分が原因であるとは断定は出来ません。加熱されて発生する有害物質、煙やフレーバーなどの化学物質が影響している可能性も十分に考えられます。


◉まだまだ解明されていない電子タバコが及ぼす人体への影

そもそも電子タバコは、2007年頃から登場した比較的新しい製品です。香りや味付けなどのフレーバーをつけるために用いられる化学物質をエアロゾル化した場合、人体にどのような影響を及ぼすのかは、まだ解明されていないのが現状です。

ただ、英国・イングランド公衆衛生局は、電子たばこは通常のたばこと比べて安全性について、95%高いとの見解を示しており、禁煙のための手段としては、ニコチンパッチやニコチンガムなどよりも効果が高いという研究結果もあります。

ただしニコチンを含まないタイプのものでも、人間の血流に影響は生じ、喘息や肺気腫、脳卒中などの疾患リスクが上がることが確認されています。

さらに電子タバコという製品そのものが新しい製品であるがゆえに、これを何十年といった単位で使用を続けた場合に、人体に何が起こるかは現段階では未知数なのです。つまり、年をとってから何らかの影響が出るのか?
誰もわからない状態ということですね。


◉日本で発生した加熱式タバコによる健康被害の報告

日本で使用者が多いのは、加熱式タバコです。例えばアイコスやプルームテックなどですね。これらは欧米で主に使用されている電子タバコとは性質がちょっと違います。

アイコスなどの加熱式タバコの多くは、タバコの葉を電気で直接加熱するデバイスで、有害物質の量はタバコ会社が加熱温度を適正にコントロールした状態で測定されています。

しかし、日本でも加熱式タバコで重篤な呼吸器障害を引き起こし、死亡例はありませんが、命の危機に陥った患者の症例報告がされています。

上記のケースは、加熱式タバコであるアイコスを吸った後、急性好酸球性肺炎になった患者の症例で、好酸球は白血球の一種でアレルギー反応を制御するが、アイコスに含まれる物質が劇症のアレルギー反応と好酸球の活性化を引き起こしたのではないかと考えられています。

さらに問題なのが、タバコの葉を加熱させる温度によって発生する物質が変化するということですね。
ここもどう変化して、どう影響が人体に出るのか?を解明できている訳ではありません。

ちなみに欧米で人気の電子タバコは、グリセロールなどの溶剤を揮発させ、ニコチンを摂取するシステムです。

これらの物質が加熱されることで、発がん性のあるホルムアルデヒド・アセトアルデヒドなどの物質に変化することが判明しています。


◉PODが与える影響について

一般的なVAPE製品では、コイル用のカートリッジとリキッドを別々に用意する必要があります。そしてアトマイザーと呼ばれる蒸気発生機にリキッドを直接注入する必要があり、手間も発生します。
しかし、JUUL製品「POD」と呼ばれるものは、200~300吸入分のリキッドが含まれたカートリッジをただ取り替えれば良いだけ。充電以外は何も手間がかかりません。

その手軽さとスタイリッシュなデザインも相まって爆発的に人気となったのです。

ただ、このJUULの爆発的ヒットには「ソルトニコチン」も大きな要因と言われています。

別名で塩ニコチンとも呼ばれるソルトニコチンは、一般的な電子タバコ用のニコチンのリキッドより体内への吸収が早くてのどごしが良いことで人気です。

少電力で充電する手間が少なく、少しだけの吸入でも十分な吸い心地とニコチンの満足感が得られるとのこと。一般的な電子タバコのニコチンは、だいたい3mg/ml~8mg/mlですが、PODの場合には、30mg以上が当たり前なのだそう。

まさに最近流行りのアルコール度数が強いチューハイのようですね。。
少しの飲料で酔える・・みたいな感じでしょうか。
低コストでメリットもあるということなのでしょうね。ただし、これにより10代を中心に大きな影響が出たことが、トランプ大統領をも動かして規制が入るようになった原因につながるのです。

何にしても、使う自分がきちんと調べてから使用することが最も重要です。

流行っているから、周りが使っているから・・という安易な発想だけで、自分の体と合わない性質のものを使用することは辞めましょう!


世の中は、今や年齢に関係なく、何事も自己責任が原則です。
特に10代・20代の方は注意が必要になりますから、よくよく考えて動くようにしてくださいね。

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