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登山って何が面白いんだ?

しんどい思いをして山に登るだけでしょ?
山頂で朝陽とか夕陽見るだけでしょ?
そんなに面白いものなの?

--そう思っていた時期が僕にもありました。

登山に興味を持ったきっかけは、尊敬するデザイナーである goando さんが、怒涛の勢いで改善している YAMAP というサービスを使ってみたかったのと、ご本人が楽しそうに登山をされているのをTwitterで目にしていたからだ。

冒頭で書いたように、自分は登山というアクティビティに対して懐疑的だった。登山をしている友人に何が楽しいのか聞いてみても、「達成感」という答えが帰ってきて、「山を登り切った達成感って当たり前じゃん、想像できるよ」なんて思っていた。

そして、そんなチャチなもんじゃ、断じてねぇと思い知った。

知人に登山に誘われる

9月某日、知人から登山に誘われた。
場所は「木曽駒ケ岳」。聞けば、標高ほぼ 3,000m の山だが、ロープウェイで 2,600m まで登れて、程よい道程で初心者でも登山の楽しさがわかるという。ちょうど YAMAP に興味を持っていたので、モノは試しということで初登山を決心した。

妻との交渉

登山へ行くと決心したはいいが、土日に妻を置いて自分だけレジャーへ行くというのは難しい。そしてそのレジャーは登山。

自分と同じで登山に全く興味のない妻に、登山へ行くことを納得してもらうために様々なプレゼンをした。(本当は登山自体には興味のない自分が、何言っとんねんと思いながら)登山の良さ、登山をして得られること、なぜ登山をしようと思ったのか、危険への対策。その結果、妻も一緒に行くという形で落ち着いた。これで後には引けなくなった。

宿泊について悩む

今回の登山は山頂で一泊し、朝日を拝んで下山する行程だ。この時期の標高 3,000m の山頂の夜の気温は氷点下に達する。知人はテント泊をするとのこと。

趣味でキャンプをするのでテントや寝袋は持ってはいるが、重量がそこそこある上、寒冷地用ではない。自分の身一つであれば、多少無理してもいいかとも思うが、今回は妻も同行するので無理はできない。

そこで、寒冷地でも使えるテントと寝袋を調べた。

テントも寝袋も軽くて小さく収納できるのが良いのは当然だが、テントは山頂の強風でも耐えられ、岩場でも自立するものが良いと解った。寝袋は当然暖かいものが良い。

良さげな商品に目星をつけたが、買うとなると20万円近くかかる。災害時にも使えるし、将来雪中キャンプもしたいし、、、と購入を考えたが、他にも道具や衣類などを沢山買う必要があるため、今回は山小屋に宿泊することに決めた。

汗と気温と雨と風を凌ぐ服装

登山をするためにはどんな格好をすればいいのかサッパリ分からなかったので調べた。

注意するポイントは「汗」と「気温」と「雨・風」だと解った。吸湿速乾の下着やシャツで汗対策をし、保温性の高いフリースなどで寒さを対策する。山の上は遮蔽物がないため風が強く、そして天候も変わりやすいので、防風防水のアウターを一番外に着る。

木曽駒ケ岳は岩山なので、手袋も購入した。店員さんのお薦めで「防水手袋」と「防寒手袋」の2種類を購入した。(手袋を買った後、「2種類も本当に必要なの?口車に乗せられたんじゃ・・・」と疑っていた。)

足を保護する靴

登山靴はハイカットぐらいの知識しかなかったので調べた。

ハイカットの理由は足首を守るためと言われることが多いが、靴の中に砂利などが入るのを防止する目的もあることを知った。また、登山道は砂利や岩で起伏が激しいので、靴底が堅くて形がしっかりした靴が良いということも解った。

登山で一番使うのは足であり靴なので、怪我や靴ずれしないように慎重に選んだ。

食事はゴミを考える

なるべく素早く用意できて、ゴミがかさばらない物を用意した。そしてキャンプではいつも買いすぎるので、ちょっと少ないかな?くらいの量にした。

登山中はエネルギーを消耗するので、ちょっとした休憩ですぐに食べられる行動食を用意することを調べて知った。行動食には糖分と塩分が摂取できるように、練り梅と塩昆布を用意した。知人曰く、ラムネが最強とのことなので、次回はラムネにしてみようと思う。

いざ、木曽駒ケ岳へ

いよいよ迎えた登山当日の朝、同行する知人と新宿で待ち合わせをし、車で移動を開始した。幸か不幸かその日は絶好の行楽日和で、高速道路は大渋滞。木曽駒ケ岳のロープウェイ乗り場へ到着したのは午後1時頃になってしまった。

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ロープウェイ乗り場で目にしたのは、すごい数のロープウェイを待つ人たち。待ち時間はなんと2時間。ロープウェイ乗り場には売店があり、わさびコロッケを買って食べた。上手に商売するなと思った。

ロープウェイの順番が来て搭乗すると、運よく谷側の窓際に乗れたので動画を撮影した。標高 2,600m まで一気に駆け上がるロープウェイからの景色は大迫力だった。

ロープウェイで登った先は「千畳敷カール」という、山をスプーンで抉ったような地形となってる。事前のリサーチで写真や動画は見ていたが、実際に目にした景色は想像の数倍はスケールが大きくすごい迫力で、準備は大変だったけど来て良かったと思った。

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ここからがいよいよ登山だ。このカールと呼ばれる崖を登り、木曽駒ケ岳の山頂を目指す。足下は思った以上に岩や石がゴロゴロしており、普通の靴で来たら足をくじいてもおかしくなかった。靴をちゃんと選んでおいて良かった。

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カールの上部は「八丁坂」と呼ばれ、木曽駒ケ岳登山の中で1番の難所とされている。そしてその先は「乗越浄土(のっこしじょうど)」。ここまで岩と崖だった視界が一気に開け、爽快な景色が広がる。

この時点で陽が夕陽が沈み、あたりが暗くなり始める。宿泊する山小屋まで急ぎ、持って行ったアルファ米のリゾットを食べてこの日は就寝した。山小屋は超満員で、膝を伸ばして寝ることができなかった。次回は絶対テント泊にしようと心に誓った。

翌朝4:30、山頂からのご来光を拝むために山小屋を出発。マジで寒い。暖かい手袋を勧めてくれた店員さんに感謝しながら山頂へ向かう。30分ほど歩いて山頂に到着し、一服していると朝日が登り始めた。

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携帯のタイムラプスで撮影してみたが、あんまり良い動画にはならなかった。登山する人たちが同時にカメラにハマっていくのがよくわかった。

ここまででかなり長くなってしまったので、帰りの工程は割愛するが、天気に恵まれた良い登山になったと思う。妻も大変だったけど、来て良かったと喜んでいた。

登山って何が面白いんだ?

登山の楽しみとは、単純に山の頂上に登って景色を見ることではなく、その山を登るために試行錯誤し、自分自身の知識が増えたり、試したことがうまく行ったり、失敗したり、次はこうしたいと思ったり、そういう短期間での自分の変化や成長をわかりやすく感じることが楽しいのだなと思った。

そして登山に限らず、日常生活や仕事においても新しい取り組みや挑戦をしていくことで、初めて人間は成長するのだろうと再認識することができた。きっかけをくれたgoandoさん、YAMAP、知人には感謝の意を表したい。ありがとうございます。

最後に

今回の登山のYAMAPの活動記録。初日寝るときに一時停止をして、翌朝の山頂アタック時に一時停止を解除し忘れたため、木曽駒ケ岳の山頂に行ってないことになってしまった。悲しい。

ただ、一時停止解除忘れを防止するアラート機能が先日リリースされていた。この改善のスピード感は、ユーザもサービスに対して安心感を覚えるのでとてもすごいと思う。これからもYAMAPを応援していきたい。


モチベーションアップに使わせていただきます。