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トゥルーバランス ―内なる男性性と女性性 サガプリヤ・デーロン


心理学者のカール・グスタフ・ユングによれば、女性はみんな無意識の心のなかに男性的な人格の刻印、「原型」である「アニムス」をもっています。この男性の人格がずっと同じままでいることはなく、女性が心理的に成長するにつれて、その特徴も成熟していきます。同様に、男性はみんな移り気な、移ろいやすい女性的な人格、「アニマ」をもっています。この異性の人
格は日常生活では必ずしも目立ちませんが、夢のなかでははっきりと見えます。ユングはまた、その錬金術の研究に基づいて、だれもが内側に「太陽と月」をもっていると信じました。つまり、だれもが男性と女性の局面をもっているのです。
f rom: " The two shores of Love ー inner man & inner woman "by Sagarpriya
―サガプリヤ・デーロン

私の内的男性が、内的女性に異議申し立てを…

 自分のスピリチュアルな存在を探求している人々のほとんどは、ある創造的な流れに到達します。そしておそらくその人たちは自分がいちばん楽しむ行為でお金を稼ぐことはまだないでしょうが、少なくともそのように自分を表現することで満足を感じます。

 自分ができる大好きなことを私が見つけたのは、かなり若い23歳ころのことでした。
 それは瞑想的マッサージを身体のエネルギーを読むサイキックリーディングと組合せたものでした。最初のうちはそれでごくわずかなお金しか稼げませんでしたが、私は満足でした。 
 その後、この関心がさまざまな領域へと拡大するようにと導かれ、最終的にはカウンセリングとボディワークのトレーナーになりました。

 私がこのことに触れているのは、ただこの興味とは対照的な側面、セラピストではない私の別の一面について話すためです。
 ある現実的な側面、菜園や木工所や市場にいるほうがくつろげる側面も私にはありました。そして私がどのようにそれに気づくようになったかの長い説明は省くとして、ここでは、それは私の内的女性であるセラピストに異議申し立てをしていた、私の内的男性だったということだけ言っておきましょう。
 彼はグループをリードすることにうんざりしており、室内に閉じ込められることにうんざりしており、いつも「内に」入っていくことにうんざりしていました。彼は「外に」出たかったのです。

そして通常は、彼らの内なる議論では、彼女が勝利していました。

 たとえば、彼は「私はミアストの新年パーティーに行きたい」と言います。すると彼女は「あそこに行くには3時間もドライブするのよ。アウトストラーダ(イタリアの高速道路)の往復のガソリン代に、それにあそこのディナーは高級だから入館料だって高いし。行く途中で何が起こるかわからないし、それに大晦日だから他のドライバーだって信用できないでしょ。面倒なことはやめて、家にいましょうよ。」ということになります。

 いつもなら彼はただ降参するのですが、このときは自説を曲げませんでした。
 「僕が運転するよ。だから君にはその面倒はかけない。」と彼は言いました。「それにあそこにはとても仲のいい友達といっしょに夜通しすごせる場所もあるし。君も楽しめるよ。」 
 内なる女性はいつも自分が言い分を通すことを知っていたので、今回は自分の習慣を変えて、彼が決断するのに任せました。
 その二日間、内なる男性は不安でした。というのも、今や自分が彼女の承認なしに何かを決める責任があるからです。
 自立するのは怖いことです。でも彼らはそのパーティに出かけ、それはすばらしいものでした。彼女でさえ、彼が正しかったことに同意せざるをえませんでした。
 これは、二人のあいだのバランスの転換点のひとつでした。私の内なる男性は、内なる女性のものとはとても違う自分の衝動に少しずつ自信を深めていきました。

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何が内なる男性と女性のバランスをもたらすのか?

 他の人たちの男性側と女性側に耳を傾けるセラピストとして、私はバランスというテーマについて、それが実際にはどういうことなのかを研究してきました。その答えはある意味では複雑ですが、別の意味では単純です。

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