キャロラインのテキスタイルアートは、深みのある田舎暮らしだからこその軽やかさと繊細さを持った子どもの目、そして、成熟してしなやかさを伴ったアーティストとしての目、それら両方の視点を通して見えてくる自然の雰囲気や動き、そして儚さを、私たちに語りかけてくれます。
彼女のアートとの出会いは、本来そこにある自然と、彼女が本来持っている素養とメソッドに出会うことへとあなたを誘うでしょう。
彼女との出会いは、彼女の目に映るノルマンディーの田舎の風景や、光と水が相互に明滅する様子、様々な天気によって見せられるトーン、彼女の豊かさに満ち溢れた美しい庭や、家族的な暮らしの中にある潮の満ち引きへとあなたを誘います。
―Sidd Murray-Clark（シド・マリークラーク）

焦がれるように、惹かれるように

　出会いは１枚の案内状でした。

　さまざまな糸や素材、そして鮮やかな色たちが交差している作品は、オリジナルで織られたツイードのようで、どこか生きているようなぬくもりが伝わってきました。

　その案内状を一度は引き出しにしまったものの、やさしくて、どこかあたたかみを感じる作品は、まるで幼い頃の記憶のようにいつもこころのどこかに潜んでいて、眠りから起こされるのを待っているようでした。