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文章がつい長くなってしまう、へのアンサー「苺は苺だけ送ろう」

「文章がついつい長くなってしまいます」というお悩みをいただきました。

まず技術的なところで言うと、文章はワンセンテンス・ワンメッセージが基本です。
キャッチボールをしている時、相手にボールを2つも3つも同時に投げず、1つずつ投げるようなイメージです。

中には「文章は短ければ短いほど良い」という先生もいらっしゃいます。
「、」でつなぎたいところを思い切って、2つの文に分けたり、できる限り1文は可能な限り短くするのがいいでしょう。

会話では「この話をすると長くなってしまいそうだな」というとき先に「その理由は2つあります」などと前置きすると、相手も頭の中に2つ器を用意して聞いてくれるのでスムーズです。
話が終わる気配がないと、聞く方は「この話はいつまで続くんだろう?」と不安になります。

文章はもっと顕著で、読み手は読んでいるとき無意識の中に「この文章はどこにいくのだろう」「これは何の伏線なんだろう」という意識をずっと抱えていると言われています。

話をしていると目の前に相手がいますから多少話が長くても聞いてあげることはできます。でも文章は途中で読むのをやめても特に相手との関係性がどうこうなることはありません。

「これ面白そう」と読み始めて「よくわかんないなー読むのやめよ」と離脱した経験はないでしょうか。読み手を最後までガイドするように、わかりやすく端的に書くことは大事なことです。

もっと例えると、もしあなたが美味しいイチゴに出会ったとします。
こんな美味しい苺は生まれて初めて食べた!大切なあの人にも送ってあげよう。
そうあなたはいそいそと苺を段ボールに詰めます。そこであなたは美味しいお米があったことも思い出します。ついでにお米も一緒に入れよう。そうだ、チョコも野菜も、こないだ作ったきんぴらも送っちゃおう。

そうやって送りたいものを詰め詰めにして送って数日、あなたはその人に「苺どうだった?」とたずねます。そこで「ああ、きんぴらが美味しかったよ」と返ってきたら、どんな気分がするでしょうか。せっかく苺の美味しさを伝えたかったのに、何だか拍子抜けしてしまうのではないでしょうか。

文章がつい長くなってしまうことの何がよくないのか。それは自分が本当に伝えたかったことが伝わらなくなる可能性が高いということです。

ローストビーフに自信のあるシェフは、どうしても客にローストビーフを味わってもらいたいならメイン料理で出すはずです。
絶対にお客さんに味わってもらいたい思い入れのある料理を、大量のおかずがひしめくバイキング会場には並べないように。

そうでなくてもそもそも文章は誤解やすれ違いの多いコミュニケーション手法。出来るだけシンプルに送った方がコミュニケーションエラーは少なくて済みます。

あれもこれもと送ってあげたくなる気持ちは痛いほどわかるのですが、苺を贈りたいときは苺だけを、チョコを贈りたいときはチョコだけを送った方が相手にはその味が伝わりやすいように、なるべく一文は短くシンプルなように書くのがいいと思います。





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