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迷路の外には何がある❓

ベストセラー『チーズはどこへ消えた❓』のその後の物語である。

本屋さんで続編が出ていることに気づいたのは先週のこと。

それと同時に著者スペンサー・ジョンソンさんの遺作である、ということを知りショックを受けた。「チーズはどこへ消えた❓」は、自分が学生時代の頃に広く読まれた本だったが、それから時を経て、このタイミングで自分がその後の物語を手に取ることになるとは、何かのサインなのだろうと思った。

私は、著書の中に出てくる「ヘム」だったからだ。

学生時代はスポーツでそれなりに成績を納め、海外遠征に行ったり仲間や監督とともに、同じ方向を向きながらスポーツに打ち込んでいた。そのスポーツが好きだったというよりも、このチームのメンバーでいたいという思いの方が強かった。仲間に恵まれたのである。もともと私は違う競技をやろうと思っていたし、それは体格的に向いていないと直感で知っていた。それと同時に青春時代を一緒に過ごしたいと思える友人を選択するべきだとも直感で思ったのだった。

もうかれこれ二十年来の付き合いになるのだから、その選択は間違ってなかったのだと思う。

就職して念願だった職種に就くこともでき、一応、夢も叶えたのだ。

それなりにやりたいことをやって、人に恵まれた人生だと思っているが、歳を重ねるごとに守りに入ってから、一気に視界がグレーアウトするようになってしまった。素直にやりたいことを選べなくなってしまったのである。本当はこれに興味があるけれど、体力的に無理かな、とか、シフトの仕事は生活スタイルに合わない、とか、そんなに興味はないけどこっちのが給料が良くて、とか、あーだこーだ頭だけで考えて進むからどうにもいい選択ができていないのだ。

というよりも、思い切って飛び込む勇気が持てなくなってしまったことが、他人の人生を歩んでしまう要因になってしまったのである。

これが年齢を重ねるということなのだろうか。

一応叶えた夢は、もっと大きくても良かったのではなかろうかと、社会に出る前のあの頃の自分に言ってあげたい。失敗しても大丈夫だとも、どんな選択をしても不正解ではない、だから思い切ってやってみればいい。夢を描く大きさは実現する大きさと比例するんだと。

十年後の自分は、今の私にどんな言葉をかけてくれるのだろうか。


「ヘム」のように、私も暗闇の迷路から出るヒントを探している。できることを増やしたくて今まで「積んできたもの」は、重たくて使えない道具になってしまったのかもしれない。

檻から出るには、新しい方法を、新しい思考で考えなければいけない。



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