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これからのライブ配信サービス④

 今日は中国系ライブ配信サービスの中でも日本での存在感の強いBigoLiveと、最近名前を聞くことが多くなったUpLiveの二つを紹介したいと思います。
 ちょっと正直この2つのアプリって私はあんまり利用経験が少なくて向いているライバーとか詳細まで分析しきれないのでその点はご了承ください。

5.BIGO LIVE

 もともとはJason Huという元ジャーナリストの方がシンガポールに設立した会社が2016年に開始したサービスです。
 その後2019年にYY(現在のJOYY Inc.)という中国のゲーム企業が買収し、現在はJOYYは同じく中国企業の百度に買収され、その子会社という立ち位置になっています。

BIGO LIVEの強み

 BIGO LIVEは全世界150カ国にサービスを展開しており、世界中でユーザが多いということが強みとして挙げられます。だいたいどこの事務所や事務所の提灯記事書いているライブ配信サービスの紹介BlogなんかもBIGOLIVEを勧める理由としてそれを上げています。
 公式では2021年に、コロナのロックダウンなどが最もひどかった時期ですが、その時に全世界で月平均2950万人のアクティブユーザがいたことが公式からアナウンスされてます。ダウンロード数は累計で3億を超えています

 17Liveがダウンロード数が同じ時期に5000万人を超えたくらい(アクティブユーザ数は不明)なので、17Liveの6倍程度の規模ということになります。

 日本国内ではPococha、17Live、BIGO LIVEの3つが3大配信サービスともいわれることもあり、日本でも大きな勢力を誇っています。
 17Liveがリージョン(国、地域)によりユーザを分割しているのに対してBIGO LIVEはそういう分け方はないので、17Liveより外国人のリスナーなどが来やすいという特徴があります。

BIGO LIVEの現状

 ユーザ数が多いことが強みであるBIGO LIVEですが、やはり他の配信アプリ同様にコロナから社会が回復していくなかでリスナー数の減少などはやはり影響をうけています。他の配信アプリと同様、結構上位の枠に行ってもリスナーがいないという声を聴きます。
 BIGOLIVEは視聴者数がシステム上200とか300とかすぐに行きますけど視聴者リスト見ると下の方にいるコメントも何もしないLv30前後の外国人アカウントはほとんどBotか何かなので、見た目上は人が減ってないですけど。
 あと、日本での状況はわからないですが、アメリカではアプリ内広告でBIGO LIVEを見ない日はないというくらい広告を打ちまくってます。

 それでも人気欄の上位には20~30人くらいのリスナーはいるので、それほどひどい状況という感じはしないです。

BIGO LIVEの今後

 おそらくBIGO LIVEはこれからちょいと不利になるんじゃないかな?と思っています。
 それはTikTokの台頭です。BIGO LIVEの売りはユーザ数という強みでそれを押し出してスカウトしていますが、その圧倒的上位であるTikTokが出現しています。そうするとBIGO LIVEって売りは何になるんでしょうか?

 さらにはBIGO LIVEの課金の特徴といっていいですが、アプリ内課金は円建てでプライスが設定されていますが(1ダイヤあたり約3円)、よりお得な課金方法(BigoPayやダイヤ代行)だとドル建てでの価格のみが設定されています。これ今の円安で相当リスナー達きつくなってると思うんですよね。
 一番安く購入できるダイヤ代行の2340ダイヤが5200円→6200円と約2割の値上がり。ダイヤ数で時給が決まる方式のBIGO LIVEでこれだと相当きついライバーやリスナーも出てきているでしょう。
 年末くらいまではこの円安は続くとの見方が経済アナリストたちには出てきているのでしばらくはその苦しさが続くでしょう。

 さらにはBIGOLIVEの特徴でもある無課金リスナーには人権がないと言われるほど無料ギフトなどは一切ないという点。これもコロナ後で巣籠り需要が減る中でとりあえず無料だし続けておこうということができないので、リスナー離れ(特に浮動リスナー層)を減らすことを加速する可能性もあるかと思います。

6.UpLive

 UpLiveは2016年に香港にあるAsia Innovations Group Ltdという会社がスタートしたライブ配信サービスです。
 日本上陸は正確にはわかりませんが、私がアカウント作ったのは2020年の6月で、その時にあるライバーさんがこれから日本で始めるらしいから今のうちに始めれば得かもと移動したのについていきました。
 その時はライバーもリスナーも全然いなくて1カ月ほどで使用をやめました。今はさすがにそんなこともなく、ライバーさんも増えているようです。

Upliveの強み

 UpliveもBIGO LIVEと同様に全世界に展開しユーザ数が多いことを強みとして歌っています。公式もユーザ数2億3千万人、アクティブユーザ数も2021年6月時点で1900万人と、BIGO LIVEよりは小さいけど17Liveよりは大きなユーザ数を世界的に見れば獲得しています。

 ただリスナー数についてはBIGO LIVEもですがボットでかなり稼いでいますね。視聴者数が数百とかのライバーさんだらけだけど、視聴者のリストを見るとレベル8~10くらいの外国人アカウントの大量のボットがいます。BIGO LIVEに比べると実リスナー数はやや少ないかな?という感覚に見えます(データが見れているわけではないので定点観測の感想です)。
 またライバーもかなり水増しされていますね。配信一覧で国ごとに絞って表示できますが、日本を選んで絞ってもリスト内にかなり中国の方が日本に設定して紛れ込んでいます。日本在住の中国の方なのかもしれませんが私は中国語はわからないので確認できません。

 他の配信サービスで見たことのあるライバーさんも結構いらっしゃるのを見かけますし、いろいろなライブ配信から移ってきている人、そしてその人たちが連れてきたリスナーで少しずつにぎわいだしていて、これからの配信サービスという印象です。

 システム的にはBIGO LIVEにかなり近い作りになっています。

Upliveの特徴というかなんというか

 これ、書くかどうか悩んだんですけど、多分服装などの規制が無茶苦茶緩いです。このノート書きながら確認したときも日本人の人気1位にビキニの水着姿で歌って踊っているライバーさんがいるし、私がよく配信を見る日本の夜中の時間はいつもかなり大胆に胸元見せている服装で配信しているライバーさんが1位2位あたりにいます。
 EVERY.LIVEはもちろんですけど17Live、TikTokでもバン(配信強制停止)またはシャドーバン(おすすめなどに乗らなくなり人が来なくなる)などの措置が取られそうな配信がかなり目立つ位置にいつもいます。中国政府的にこれはOKなんですかね~。

 あとは報酬(還元率)がかなりいいとはよく言われています。ネットなどでは70%という数字が出てきますが、正直報酬の計算式などはどこの配信も非公開が一般的なので、最終的には契約交渉で開示される以外に知る方法はないですが。

Upliveについてのリスク

 Upliveについて、一つ、政治的なリスクはあるという点は理解しておいた方がよいと思います。
 同じ中国系であってもTikTokとBIGO LIVEは中国の企業ではないんですね(株主が中国企業なだけ)。それぞれに中国本土とは経営が分離しています。そのためシステム運用はBIGO LIVEはシンガポール、TikTokは米国カリフォルニアの法律に基づいて運用されています。これは利用規約に明記されています。
 Upliveは香港にあり、香港の法律に基づいて運営されています。で、香港は報道されている通り一国二制度が徐々に崩壊しており、中国本土と変わらなくなっていっています。
 今の利用規約やプライバシーポリシーなどを見てもかなり他では見ないような文言が多数入っています。国家を批判する言動の禁止とかね。
 いますぐどうこうということはないですが、今後香港での中国共産党の影響力がさらに増せばいろいろなリスクが出てくる可能性のあるサービスだということは知っておいた方がよいと思います。

 
 以上、今回は中国系ライブ配信の2社を紹介させていただきました。。

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