ワークライフバランスが不要な人たちが持っているもの

ワークライフバランスはサラリーマンを対象とする考え方だと思う。GWでも望んで仕事をしている自営業には不要だからだ。ただ、同じ自営業でもワークライフバランスが必要な人はいる。必要な人と不要な人。不要な人が持っているもの。起業や副業に関心のある人のご参考になればと書いてみた。

そもそもワークライフバランスが必要なのは、次の2つの人たちだと思う。

①止む無く仕事をしているサラリーマン
➁名ばかり自営業


①はわかりやすい。
生活費を稼ぐためだけに働いている、嫌々仕事をしている、過酷な労働条件下で働いているサラリーマン。

これらの人は経済的安定と引き換えに拘束され、自由は限定されている。
心や体を守るためにもストレスを発散したり、休んだりする場や時間が必要だ(自分のためにも家族のためにも)。

では➁はどんな人か。自営業でありながら、自分の自由が効かない人だ。
例えば、最近話題のコンビニオーナーのようなケース。

コンビニのオーナーは自営業でありながら、自分の自由は効かず、実際には本部の条件の下、拘束されている面が大きい。以前、名ばかり管理職という言葉が流行ったが昨今のコンビニオーナーは名ばかり自営業のようだ。

本来、自営業≒自由業だ。
自分の好きなことがしたい、自分の好きなように時間を使いたい。多くの人は自由を求めて自営業を始める。

自分の好きなことだから、平日だろうが休日だろうがGWだろうが関係ないのだ。だから、自営業の人にはワークライフバランスは要らない

このような自営業の人はワークライフバランスは放棄しているが、ライフワークを持っている

ここで言うライフワーク。自分が好きなこと、やりたいことで、自分が多くの時間とエネルギーをかけて取り組みたいテーマと言い換えてもよいと思う。

ライフワークと仕事として取り組んでいることが一致しているとき、ここまではワーク、ここからはライフのように、ワークとライフが区別できるものではなくなっている。バランスの取りようがそもそもないのだ。

実際、私の周囲でも多くの人がこのGWも楽しそうに働いている。もちろん、家族サービスとか息抜きのお出かけはしたりもする。

これはいわゆる個人事業主、フリーランスに限った話でもない。起業家、創業者、会社経営者(いわゆるサラリーマン経営者を除く)も同じだと思う。

ああしたい、こうしたい、ああしたら?こうしたら?と、年がら年中、頭の片隅で何かしら考えているから、仕事のことが完全に離れることは少ない。

考えるのが楽しいということももちろんあるが、考えなければ成り立たないということもある。

自営業≒自由業には、3つのジリツが必要だ。

①自律
➁精神的自立
➂経済的自立

ライフワークと取り組んでいること(仕事)が一致していれば、ある程度は自分を律する(①)ことができる。

ライフワークが見つかって、その実現に向けて進む過程で精神的自立(②)も達成される。

問題は経済的自立(➂)だ。
事業は始めることより続けることの方が大変だ。

経済的自立が実現しなければ持続できない。これ(➂)が怪しくなると、①の自律も怪しくなってくる。

経済的自立までの方向性、計画性、具体的な手法の検討と、実際の試行錯誤は避けられない。自律してそのプロセスを楽しめる力も求められる。

ワークライフバランスが不要な人たちが持っているのは、ライフワークとプロセスを楽しむ力といえると思う。

実はサラリーマンでもワークライフバランスが不要な人はいる。

サラリーマンであっても、組織の内外で自ら仕事を創り、自営業者のようにライフワークと一体化した日々を楽しんでいる人がいる。

上からの指示でやる仕事でもやらされ仕事に終始せず、自分で工夫して楽しんで取り組んでいる人は時間の使い方も上手で、ワークライフバランスを他人からとやかく言われるまでもなく、自ら適度にバランスさせていたりもする。

自営、サラリーマンに関係なく、ライフワークを発見し、プロセスを楽しむ力には自主性、主体性、自分のライフキャリアに対するオーナーシップが欠かせないと思う。





歩く好奇心。ビジネス、起業、キャリアのコンサルタントが綴る雑感と臍曲がり視点の異論。