シホちゃんが好きすぎて、成績がどん底に落ちた話
チーム長谷川メンバーが、毎月異なるテーマでマガジンを更新する「言葉を共有していく感覚」。至極パーソナルな話をしながら、メンバーを相互に理解しあうことが主な運用目的です。そして、今月のテーマは「好きだった科目」。
今月のトップバッターは私オバラなのですが、特に好きな科目ないんですよね……(トップバッターにふさわしくない)。
センター試験は英語8割、国語7割、社会(現社)7割、理系科目は受けていません。そんな感じで、特に得意な教科もない。
ちなみに数学に関しては、学年に2人しかいなかった定期テスト「0点」を記録したことがあります。また、全統模試では、比を求める問題が解けなすぎて指で測ったら、見事に答えだけ的中。部分点「2点」を叩き出し、偏差値は「9」でした。
運動神経がそこそこいいので、体育の授業はわりかしどの競技でも楽しめましたが、別に好きだったわけでもない。
どうしよ、書くことがない。なので、高校時代に好きだったシホちゃんを眺めていたら生物の点数が40点下がった話をします。
赤外線通信の奇跡。ガラケーが紡いだ運命の赤い糸
高校入学してすぐ、野球部の見学を終えて学校にダッシュ。女子バスケ部が更衣室で着替えてる声を聞いてワクワクしていたことがある(最低)。
更衣室から出てきた女の子たちが赤外線通信でメールアドレスを交換している輪に混じり、すっと携帯を差し出した。放課後は廊下が真っ暗で、なおかつ入学したてなので、誰が誰なんだかお互いに分かっていない。
そうしているうちに、一人の女の子のアドレスがゲットできた。シホちゃんだ。背が小さく、ショートカットで、目がキリッとして、声が低い。男女問わず愛される性格のいい子だった。そして個人的に、猛烈に好みだった。
最初に何度かメールのやり取りをしたものの、特に会話をすることがあったわけではない。
ただ、翌年のクラス替えで、オバラの恋心が加速するッ…!!
席替えがくれた、青春と成績の急降下
翌年、文系と理系でクラスが分けられた。オバラの文系は3クラスある。そして、オバラは25組(僕の出身校では、学年とクラスを合わせて呼ぶ)だ!
そして、シホちゃんも25組だ……!!
シホちゃん推しを明言していたので、友だち全員にクソ嬉しい旨を伝えて回った記憶がある。
昨年病気で長らく続けていた野球をやめてしまったので、ちょうど苦手な数学と生物を克服しようと必死になっていた時期。勉強頑張るし、恋愛も成就させようと、気持ちは高まるばかりだった。
そして、やっぱり俺は「持っている」。
夏真っ盛り、二学期の席替えで斜め前にシホちゃんがやってきた。ちなみにシホちゃんはショートカットで、斜め横からの角度がいちばん可愛く見える。
さらに、後ろから前を見ている分には“変態感”も出にくい。控えめに言って最高な席だった。
だが、問題はそこからだ。変態感なくシホちゃんを眺められるロケーションは、オバラの成績をどん底に追いやった。
前回の生物のテストは6割後半を取れていたのに、黒板見ないでシホちゃんを見ていたせいで、点数が30点代に落ちた。
暗記科目なのにもかかわらずこの点数まで落ち込むのは、先生の話を一切聞かずにシホちゃんを眺めていたことの証左である。
そしてシホちゃんは、俺よりもバカだった。出席番号順にテストを取りに行くから(シホちゃんの苗字は加藤)、ほぼ同じタイミングで席を立つ。
「何点だった?」とテストを覗き込んだら、俺よりも点数が低い。「やばッ(笑)」みたいなテンションで爆笑したら、「うるさい!」と腕を叩かれた。
そのときエイト・フォーしていなかったせいで汗でベタベタだった。心の底から、後悔した。
3回振られた。普通、人のことをそんなに振るか?
シホちゃんは夏のお祭りにも一緒に行ってくれたが、結局のところ卒業までに3回振られている。
いや、まあ好きじゃないなら仕方ないが、普通人を3回も振るだろうか。1回くらい付き合ってくれてもいいじゃん。
ということで、好きな科目は生物だ。
生物ってか、シホちゃんを眺め続けてテストの点数が最悪なことになった生物のテストを返却されたあの一瞬が好きだ。
いつもたくさんのサポートをありがとうございます🙇 いただいたサポートは、引き続き創作活動の原資として利用させていただきます。