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「思い出すと切なくなる話②」

前回、「ジライヤ」の事で、も一つ切なくなる話があると言うてまして。
なので、それについて書きます。
 
「ジライヤ」はヒーロー。
設定は【忍者】
 
日曜日の朝、テレビでやってたやつ。
「仮面ライダー」的なやつじゃなく
「ゴレンジャー」的なやつでもなく
一人のヒーロー。
 
「メタルヒーローシリーズ」と言われるものらしいです。
「メタルダー」や「ジバン」などと同系統。

知らん人にとっては、何のこと?となるかも知れませんが、簡単に言うなら「仮面ライダー」みたいな物と思って下さい。
 
 
そんな、憧れの「ジライヤ」
幼稚園、小学校低学年男子なら誰もが通っていく道のヒーロー。
そんなヒーローの一つ「ジライヤ」
 
 
「ジライヤがダイエーに来るって!」
と、僕が言い出したかどうか分かりませんけど、日曜日にジライヤがダイエーに来ることになりました。
よくある、デパートの屋上でやる【ヒーローショー】
 
たぶん親がチラシか何かで知ったのだと思います。
「けんじはジライヤ大好きやからなぁ」と思っていたはず。
実際に毎週見てたし、おもちゃでも遊んでたわけですから。
 
仕事が休みの親父が、僕を連れ出し、ヒーローショーに連れてってくれました。
 
どんな顔で見ていたのか、楽しかったのか、全く記憶にありません。
 
でも、子供ですし、興奮していた事でしょう。
僕が親父の立場なら、興奮して欲しい。
道中、「楽しみやなぁ」的な会話をしていた事でしょう。
 
風景はなんとなく覚えています。
会場には沢山の人がいた記憶。
ヒーローショーの内容は全く覚えてませんけど、今も昔も変わらない、コールアンドレスポンスや、悪党の小ボケと客いじり、結局ヒーローが勝って、めでたしめでたし。的な内容だったと思います。
 
 
ヒーローショーが終わると、クイズ大会が始まりました。
クイズに正解すると、景品がもらえるやつ。
たくさん人がいるんで、競争率は厳ついものでした。
 
僕は単独行動していたので、親父の近くにはおらず、ただ前の方に行くこともできず、客席の後方、20センチ程上がってる所に立って見てました。
 
クイズ大会が始まり、競争率が激しい中、挙手しても当たらず、景品だけが捌けていく時間。
 
ジライヤが直で景品をわたしてくれる。それを見てるだけの時間。
 
クイズ大会中盤。
問題は覚えてません。
クイズが読まれて直ぐ答えが分かった僕は挙手しました。
僕だけが挙手してるわけではなかった。
それくらい分かりやすい問題やったのです。
ただ、前方に陣取っている子供より、僕の方が目立ったのでしょう。

 
僕を当てる司会のお姉さん。
 
 
 

 
今になって分かります。
仕事上、そうゆうクイズ大会のMCもします。
後方でも、少し高い所に居るなら、前方とほぼ同時に手が上がった場合、確実に後方の方が目立つ。
 
 
にしても、奇跡的に当たる僕。
僕より後方にいた親父も「うわっ!当たった!」と思ったらしいです。
 
 
僕が何と答えたかは忘れました。
 
 
 

女性MC「違いまーす!じゃあ、前の僕!」
 
 
 
 
 
そうです。
「不正解」やったのです。
 
 
答えは覚えてます。
答えは「カラス天狗」
 
仮面ライダーで言うところの「ショッカー」
 
どれくらい問題のレベルが低かったか分かると思います。
 
当たらんクイズを出すわけがない。
その中でも相当レベル低い問題。
 
 
それを外す僕。
 
泣いてた記憶は無いんです。
親父からも「泣いてた」とは聞いてない。
 
泣いてないことが今になって「切なさ」を増幅させてしまっています。
 
 
何を思ったのか。
聞きに戻りたい。
過去に戻って、聞きたい。
「どうゆう気持ちなん?」と。

 
大人になって親父がちょいちょいその事でイジってきます。
「ハズしてたなぁ笑」と。
 
暖かい思い出ですけど、物凄く切ない思い出。
 
切ない話はおもしろい。
これはじじいになっても覚えてるであろう話。

 

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